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バイキングが愛して食べて、皮を剥いだリス:ハンセン病の元凶? (BBC-News, October 25, 2017)

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 CODによると、Viking (バイキング) とは、
[ 8世紀末から11世紀中頃にかけて、ヨーロッパ北西部の海岸にやって来ては略奪し、また各地に住み着いたスカンジナビア人の海賊あるい交易商人。]

"Any of the Scandinavian seafaring pirates and traders who raided and settled in many parts of NW Europe in the 8th-11th centuries. [COD, 12 ed.]"

驚くことに、この海賊、ときに強面 (こわもて) の「押し売り」にもなるバイキングは、「red squirrels (アカリス)」をペットに飼っていた。もちろん、そのペットの皮 (pelt) や肉 (meat) も彼らの「highly-prized trade goods( 重要な交易品)」だった。

 Cambridge大学の Dr Sarah Inskipらの研究チームは、この「アカリス」がハンセン病(らい病) をヨーロッパ中に広げた元凶であったことを突き止め、その詳細を医学雑誌「Medical Microbiology」に発表した。
 
 Dr Inskip によると、イングランド東部「East Anglia」の King's Lynn (キングズ・リン) やYarmouth (ヤーマス) は、バイキングが「fur (毛皮)」の積み込んだ船を頻繁に寄港させる港だった。
 ところが、それらの港がある「Norfolk (ノーフォーク州)」の「Diss Museum (ディス博物館)」には、とある女性の頭蓋骨が保管されている。らい菌が検出され、「nasal spine (鼻棘 (びきょく))」が欠けていて、ハンセン病に冒された明らかな形跡がある。その損傷は頭まで及んでいる。「放射線年代測定法 (radiocarbon dating)」によって、女性の死亡した年代は 880 - 1015 ADと判定された。

 なお、Suffolk (サフォーク州) の Hoxine (ホクスン) で発見された、ほぼ時を同じくする pre-Norman (ノルマン人の征服以前) の頭蓋骨 (skull)や、中世のデンマークスウェーデンの遺骨 (skeletal remains) からも、同種の「leprosy strain (らい菌)」が見つかっている。

 さらに、Cambridge に近い「Great Chesterford (グレート・チェスターフォード)」から出土した、年代が 415 - 545 ADの男性の遺骨からも、らい菌が検出されていることから、かなり以前より「バイキング」によって、イギリス南東部に「らい菌」が持ち込まれ、数百年に渡って、この一帯にハンセン病がはびこっていたことになる。

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 加えて、現在、イングランド南西部「Dorset (ドーセット州)」の「Brownsea Island (ブラウンシー島)」に生息する「red squirrels (アカリス)」も、「Mycobacterium Leprae (らい菌)」に感染していることが突き止められた。DNA sequencing (DNA塩基配列決定法)によって、その遺伝子情報を解析した結果、Hoxine の頭蓋骨から検出された「らい菌」に極めて近いことが分かったという。
 動物から人に、らい菌が感染した例は他にもある。
 US の Floridaでは、「nine-banded armadillos (ココノオビアルマジロ)」から「らい菌」が検出され、この地でハンセン病患者が実際に発生している。

                   (写真は添付のBBC Newsから引用。)

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