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有毒「やせ薬」ネット販売:学生Parryさんの死から約5ヶ月 (BBC-News, September 7, 2015)

http://ichef-1.bbci.co.uk/news/834/cpsprodpb/10DF6/production/_85401196_eloise2.jpg

 イングランド西部の都市、Shropshire(シュロップシャー)のShrewsburyに住む学生Elose Aimee Parryさんが、ネットで購入した「やせ薬(diet pills)」を飲んで急変し、病院に運ばれたが、今年4月12日、21歳の生涯を閉じた。
 この「やせ薬」の主成分は「ジニトロフェノール(dinitrophenol)」。通称DNPと呼ばれる農薬で、爆薬(explosive)としても使用される毒性の強い(highly toxic)工業化学物質(industrial chemical)だ。

 なぜ、このような有毒の化学物質が、まともな薬(legitimacy)に似せて、巧妙にも錠剤(tablets)に加工され、ネットを通じて世界中に販売されているのか、Parryさんの遺族は疑問を抱かざるを得ない。

  Parryさんの死後、DNPを販売していたウエブサイト2社は、一時閉鎖されたが、その内1社は、社名を変えて、DNPの販売を再開していることがわかった。
 このことを知って、Parryさんの母は愕然とする(appalled)。母親はBBCスタッフと一緒に、DNPのネット販売を続ける男に会うことにする。その男はトルコ人(Turkish)、Orhan Topcuer。その後、男は、母親の必死の説得に応じて、DNPのネット販売を中止することに同意したという。
 母はどんな警察よりも強いようだ。

 さて、当局の説明によると、この件は、目下「捜査中(ongoing investigation)」。Parryさんの母の熱意が届いたのか、「警察」、「インターポール(Interpol国際刑事警察機構)」、「英国食品基準庁(The Food Standards Agency )」から成る合同捜査組織が立ち上がり、「パンゲア作戦(Operation Pangea)」が開始されたという。 

 DNPの錠剤は、数錠飲んでも死に至るほどの有毒。次のような症状が現われる。

・Signs of acute poisoning include nausea, vomiting, restlessness, flushed skin, sweating, dizziness, headaches, rapid respiration and irregular heartbeat.
・Consuming lower amounts over longer periods could lead to cataracts and skin lesions and impact on the heart, blood and nervous system.

・急性中毒の症状:吐き気、嘔吐、情動不安、肌の紅潮、発汗、めまい、頭痛、多呼吸、不整脈
・微量のDNPを長期間飲み続けたときの症状:白内障、皮膚損傷を発症し、心臓、血液、神経の各組織に深刻なダメージを与える。

 したがって、「やせ薬」のネット購入は危険。これが専門家のアドバイスであり、結論だ。その商品が「偽物(fake)」、「期限切れ(out of date)」、「極度に有害(extremely harmful)」である可能性、リスクが高い。
                               (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com