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睡眠不足:風邪(カゼ)がひきやすくなる (BBC-Health, September 1, 2015)

http://ichef.bbci.co.uk/news/800/cpsprodpb/26C0/production/_85302990_f0103302-woman_in_eye_mask_asleep_in_bed-spl.jpg

 古くは、「眠る」ことを「ねぶる」と言い、ウトウトとして首が前後左右に振れるさまを表わした。英語の「sleep」は、低独語「slap」が変化した言葉。この語は寝袋の「シュラフ」で知られた独語「Schlaf(眠り)」の古い語形。

 英語のことわざ(proverb)に、
"Six hours' sleep for a man, seven for a woman, and eight for a fool."
[男が寝るのは6時間、女は7時間、バカだと8時間。]

 しかし、日本のことわざには、
「寝られる病人に死んだためしなし」   

とある。病人には睡眠が何よりも大切だと諭したものとか。

 この睡眠時間と健康との関係を、「奇抜な人体実験(novel human experiment)」で明らかにしようとした研究が、医学学会誌「Sleep」に発表された。研究を行なったのは、アメリカCalifornia San Francisco大学の研究チーム。研究に参加した健康なボランティア164名は全員、ホテルで缶詰状態で実験の被験者となった。
 手首には睡眠を感知して記録するセンサーが巻き付けられ、カゼの原因ウイルスの「ライノウイルス(rhinovirus)」を、鼻腔内に噴霧された。その後、ホテル滞在5日間でカゼを引く回数が数えられ、その回数と睡眠時間、年齢などのファクター(factors)との関連性が分析された。

 結果は次のとおり。

"The results suggest that people who get little sleep each night are more likely to catch a cold than those who clock up more than seven hours a night."
[睡眠時間7時間以上の人に比べて、それ以下の少ない睡眠時間の人はカゼを引きやすい。]

 「カゼの引きやすさ」と、年齢(ages)、ストレス(stress levels)、人種(race)、学歴(education)、収入(income)、喫煙(smoking)などのファクターとの関連性は認められず、統計手法に従って解析すると、睡眠時間だけが強い相関性を示した。

  睡眠不足(poor sleep)がカゼ以外の病気や肥満(obesity)の原因になること、また、ワクチン(vaccines)の効き目(effectiveness)を鈍らせていることも知られている。

 専門家のアドバイスだ。

"Experts say most people need about eight hours of good-quality sleep a night to function properly -but some need more and some less."
「たいていの人にとって、健康を保つには、質の高い、8時間の睡眠が必要。しかし、もっと長い睡眠時間が必要な人もいるし、短くてもいい人もいるのだ。

 一つ疑問が残る。彼の英雄ナポレオン。睡眠時間は3時間と豪語していたそうだが、カゼを引かなかったものだろうか、と。
                                (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com