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パーキンソン病:原因は脳神経細胞の燃尽き (BBC-Health, August 28, 2015)

http://ichef-1.bbci.co.uk/news/695/cpsprodpb/10EB7/production/_85230396_parkm2400576-parkinson_s_disease-spl-1.jpg

 人の「脳(brain)」は、800億から1,000億の「神経細胞(nerve cells)」と、その数十倍の数で神経細胞間の隙間を埋めている「グリア細胞(glial cells)」から構成される。

 「パーキンソン病(Parkinson's disease)」は、脳内の神経細胞が次々と死滅して発症する恐ろしい病気だ。その症状は、「手足の震え(pronounced tremor)」、「動作が遅くなる(slow movement)」、「筋肉がこわばる(stiff and inflexible muscles)」など。
 イギリスでパーキンソン病罹患者は約12万7千人、日本では約15万人以上と推定されている。

 一体、なぜ、脳内の神経細胞が死滅するのか。その解明にカナダMontreal大学の研究チームが、マウスを使った動物実験で取り組み、研究成果を「Current Biology」に発表した。

 その結果、パーキンソン病を発症した神経細胞は、正常な神経細胞に比べて、複雑に込み入った枝分かれ構造となっていることがわかったという。この構造では、神経細胞の本来の機能を果たすために、途方もないほどのエネルギー(incredible amount of energy)を、細胞内で作り出す必要がある。その結果、余分な「老廃物(waste products)」が生成され、それが脳内に蓄積される。そのように積もりつもった老廃物が、やがて、細胞を死滅させる「引き金(trigger)」となるのだ。

 つまり、パーキンソン病の神経細胞の活動は、まるで高速回転するモーター並だ。これが細胞の破綻の原因となっている。まさに、
                                                       
 "They appear to exhaust themselves and die prematurely."
[神経細胞が頑張りすぎて疲れ果て、死を早めている。]

  したがって、効果的なパーキンソン病の治療法として、発症した神経細胞のエネルギー必要量(energy requirement)を減少させるか、細胞のエネルギー効率(energy efficiency)を高めるような薬物療法(medication)が考えられるという。

 それにしても、なぜ、脳内の数百億(原文では数十億)の神経細胞の中で、ある特定の細胞集団だけが、疲れ果て死に至るほど脆弱(vulnerable)なのか.
  おそらく、罹患した細胞の「特異構造(unique structure)」とその「機能(function)」が、「酸化ストレス(oxidative stress)」と呼ばれる「損傷プロセス(damaging process)」の影響を格段に受けやすい状態にしているのでは、と研究者は見ている

 脳は、ときに、ミクロの宇宙(cosmos)にたとえられる。そこは、誰も見たことがない未知の世界だ。
                               (写真は添付のBBC Newsから引用)
 

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