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どっちが幸せ?:$40で時間を買うか、ワインを買うか! (BBC-Science & Environment, July 25, 2017)

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 「光陰矢の如し(Time flies)」とは、よく言ったものだ。時間はドンドン過ぎてゆく。
 確かに、昔に比べて交通は便利になり、人々の収入も増えて、豊かになった。しかし反面、現代社会で失ったものも多い。その一つは「時間」。「Michael Ende (ミヒャエル・エンデ)」の「モモ」ではないが、この社会には「時間どろぼう」が、あらゆる暗闇に潜んでいる。
 このため現代人は、常に「time famine (時間不足)」に付きまとわれ、ストレスが困(こう)じると,、「anxiety (不安神経症)」や「insomnia (睡眠症)」を発症することもある。

 とにかく、日本人のほとんどは働き過ぎ。それに睡眠不足。夜遅く、勤め先から自宅に帰ると、「second shift (もう一つのお務め)」が待っている。遅い夕食の準備に、洗濯、掃除と、就寝前に済ます「house chores (家事雑用)」は山ほどある。

 さて、「時間ドロボウ」がいるなら、「時間を売る人」がいてもいい。そして、お金で買えるなら「時間」を買うのも、選択肢の一つ。

"Past research has found that people who prioritise time over money tend to be happier than to be people who prioritise money over time."
[ これまでの研究で、お金よりも時間を大事にする人は、時間よりもお金を大事にする人に比べて、幸せ度が高い傾向にあることが分かっている。]

 そこで、カナダ British Columbia 大学の Elizabeth Dunn 教授を中心とする国際研究チームは、US、カナダ、デンマーク、オランダに在住の成人 6,000人 (大富豪 600人含む)を対象に、「時間を節約するのに、どれだけお金を使っているか」について調査した。
 すると、毎月、時間を節約するためにお金を使っている人は、1/3 に満たなかった。しかし、その人達には「そんなものにお金を使いたくない」という人に比べて、「life satisfaction (人生の満足感)」が高かった。

 そこで、働いている人 60名にお金をあげて、使ってもらう実験に移った。各人に$40 (約4,400円)を「windfall (棚ボタ金)」として渡し、1 週間の間に、「時間を節約できるもの」に、そのお金を使ってもらった。職場にお昼の弁当を配達してもらう、近所の子どもにお使い (errands) をお願いする、あるいはクリーニング・サービスで時間を節約するなどだ。
そして、次の一週間で、今度はワイン、衣服、本などの物品購入に、$40を使ってもらった。

 その結果によると、お金は物品の購入に消費するよりも、時間を節約するのに使うと、人の幸せ度 (happiness) は増すことが分かったという。

 なお、そんな実験に参加できだボランティアがうらやましい。筆者など、「windfall」と聞いただけで「幸せ気分」だ。

 研究の詳細は、「Proceedings of the National Academy of Sciences」に発表された。 

              (写真は添付のBBC Newsから引用。)

www.bbc.com