鎮痛剤 (非ステロイド性抗炎薬):「心臓発作」の恐れあり! (BBC-Future, May 10, 2017)
頭痛 (headache) や「変形性関節炎 (osteoarthritis)」で「非ステロイド性抗炎薬 (non-steroidal anti-inflammation drugs, Nsaid)」を服用している人は多い。日本では、誰でも薬局で「バファリン (アスピリン)」などの市販薬を購入できる。
しかし、イギリスの医学誌「BMJ」に掲載された研究論文は衝撃的だ。
Montreal Hospital Centre 大学の Ms Michèle Bally らの国際研究チームは、Canada, Finland, UK の患者 446,763人のデータを解析し、医師の処方する以下の鎮痛剤 Nsaid
非ステロイド性抗炎薬 商品名 (日本)
・ibprofin (イプロフィン): ブルフェン
・diclofenac (ジクロフェナク): ボルタレン
・celecoxib (セレコキシブ): セレコッス
・naproxen (ヤプロキセン): サイキサン
などを服用すると、一週間も経たないうちに心臓発作 (heart attack) の発症リスクが高まることことを明らかにした。さらに、高用量 (taking high doses) を飲み続けると、1ヶ月の間が最も心臓発作を起こしやすいとする結論も得た。
ただし、この論文では、残念ながら、一般に心臓発作に関与すると考えられている喫煙 (smoking) や肥満 (obesity) などの因子(factors) については考慮されていない。
「Royal College of General Practitioners (王立一般開業医大学)」の Helen Stokes-Lampard 教授によると、
"It is important that any decision to prescribe is based on a patient's individual circumstances and medical history, and is regularly reviewed."
[ いかなる薬の処方に際しても、医師は個々の患者の健康状況と医療履歴に基づいて判断し、定期的にこれを見直すことが大切だ。]
もちろん、Ms Bally らが発表した鎮痛剤に関する研究結果に対しては、この BBC News の記事中でも、様々な批判が寄せられている。一口で言えば、分析があいまいで、不正確だと言う意見が多い。
しかし、研究結果の社会に与える影響は大きい。この論文の批判者は、まず、これまで製薬会社から資金援助・利益供与などは一切受け取っていないことを自ら証明した上で、発言すべきだ。そのような医療関係者が、この世に存在すればの話だが...。
決して医師は、「決まり切ったように (routinely)」、いつもの薬の名をカルテに記入してはならない。
(写真は添い付のBBC Newsから引用。)