Arm doors!(ドアをアームモードに!):スチュワーデスの隠語帳 (BBC-Autos, August 16, 2016)
さて、隠語の代表格は、医師・歯科医が診察室で発する、秘密めいた単語。数十年前、日本の大学の医学部ではドイツ語が必修で、カルテもドイツ語で書き、患者の前では、看護婦とのやりとりも片ことのドイツ語を使った。今は、全くの隠語。
その風習はスチュワーデス(stewardess)にもあった。Stewardessを、国外では、男女の性を問わないflight attendant, cabin crew, inflight crew (客室乗務員)とも呼ぶ。
かって、スチュワーデスとして働いたMs Beth Blairは、秘密の隠語帳をそっと打ち明けてくれる。
・Arm doors!(ドアをアームモードに!)
スチュワーデスは、乗客全員が席に着くのを見届けると、「Arm doors!」と仲間に機内電話で告げる。直訳すると、「ドアを武装せよ!」となる。これは、何のことか。
実は、緊急脱出の際にドアを開けると、自動的に高圧のCO2-N2ガスが6秒間だけ脱出シュートに噴出し、これが地上または海面上に飛び出る仕組みになっている。
離陸の前に、ドアのレバーを「armed」状態にし、着陸後に「disarmed(アーム解除)」にすることが定められているのだ。
・Cross-check & cross-check complete.
" 'Doors are armed and cross-check complete' which verifies the doors are engaged and ready for an evacuation in the event of an emergency."
[ 「ドアはアームモードに、クロスチェック完了」とは、緊急事態が起きたときの脱出に備えて、飛行機のドアをアームモードにセットし、これを複数のスタッフで確認したとするもの。]
・All-call
「'Standby for all-call' come in.」とは、全ての機内乗務員は、受け持ちのドアのドアモードを確認し、連絡するようにとのメッセージ。
・Jump seat
飛行機の離着陸時等に客室乗務員が使用する小さな跳ね上げ式の椅子。立ち上がると、自動的に跳ね上がり(jump)、収納される。
・Bulkhead
座席第1列目の前の仕切り壁。この壁の前では、足を伸ばすスペース(extra legroom)あり。
・Extender
延長ベルト。通常のシートベルトの長さでは足りない乗客のために用意され、最長25in (約64cm) まで延長可。
・Spinner
飛行機が着陸しても、シートベルト着用サインが「オフ」になるまで、席を立たないのがマナー。しかし、「立つな」の忠告を無視して、通路に立ってせわしくうろつく人がいるものだ。これが「spinner(うろつき)」。
・Demo
離陸前にスチュワーデスが安全設備について説明する「demonstration」の略。
・Deadhead
乗務員に体調不良が発生
・Redeye
深夜勤務(graveyard shift)の夜間飛行便。目の隈便と訳されることも。
・Equipment
Equipmentとは飛行機を指し、
" 'Equipment looks good' means the plane has no issues or mechanical problems."
[ 飛行機は、全て異常なし。]
・Runners
" 'We're waiting for runners' means 'we have passengers coming from another flight that was late'."
[ 到着時間が遅れた乗り継ぎ便の乗客を待っている。]
ただし、全ての航空会社が、このように遅れた人を親切に待っているとは限らない。
記事の典拠 BBC-Autos, August 16,2016
・The secrete language of fleight attendants