空からの侵入:イギリスは防ぎ切れるか? (BBC-News, July 22, 2016)
「ホモ・サピエンス (Homo sapiens)」とは、人類を現わすラテン語の学名で、「wise man (知恵あるヒト)」の意だ。しかし、近頃は、人混みで爆弾を破裂させたり、銃を乱射するなど、他の生物に比べて、その攻撃性 (aggressiveness) も残虐性 (cruelity) も際だっている。
したがって、ホモ・サピエンスを別にすると、地球上に生息する生物は、おおよそ、争いを好まない。ただし、例外もある。その代表格が「hornet (スズメバチ)」だ。
日本では、夏から晩秋にかけて、とくに朝晩には活発に飛び回るので、注意が必要だ。スズメバチの巣に近づかない方が賢明。ましてや、
"stir up a hornets' nest" 「ススメバチの巣を引っかき回す」
などは、止めた方がいい。なお、この連語 (collocation) は「騒ぎを起こす」の意だ。
さて、イギリスでは、陸からは「イタドリ」の侵略で手を焼いているが、空からも、侵入者 (invaders) の攻撃を受けて、頭を悩ませている。その名は「Asian hornet (ツマアカスズメバチ)」。学名を Vespa velutina と呼ぶ。
養蜂家にとって、こやつは、1 匹で、ミツバチを一日 50 匹も殺すほどの悪党だ。
"Asian hornets were accidentally introduced to south west France in 2004 in a shipment of pottery from China and have been spreading northwards since."
[ ツマアカスズメバチは、中国から陸揚げされた陶器に隠れて、2004年、フランス南西部に上陸。その後、生息域を北に拡大している。]
この「Asian hornet」が、ついに、イギリス海峡 (England Channel) に浮かぶ「Channel Islands (チャンネル諸島)」で見つかり、政府は、その「eradication (撲滅)」に躍起になっている。なんとしてでも、イングランド上陸を防がなければならないのだ。
なお、この外来種スズメバチを識別するためのポイントは、次のとおり。
・女王バチの体長は 3 cm、働きバチは 2.5 cm。
・体全体が黒っぽいビロード系。中央に黄色い線が入る。
・腹部の先端部 (第 4 体節)は、黄色か橙色
・6 本の脚部は褐色。ただし、先端部は黄色に染まる。
・頭部は黒。しかし、口周辺の顔は橙・黄色。
(写真は添付のBBC Newsから引用。)