サプリメントの摂り過ぎは癌・心臓病のリスクを高める (theguardian, April 21, 2015)
表題の記事では、Tim Byers教授が安易なサプリメントの服用を戒める。「必要以上にサプリメント(健康補助食品)を摂取すると、癌や心臓病の発症リスクが高まる」のだ。これは、数千人の被験者の協力のもとに、10年以上にわたってColorado大学で進められた研究の結論である。
その一例が具体的に示される。免疫力を促進するはずのβ-カロチンは、推奨用量を超えて服用されると、肺癌と心臓病の発症リスクが20%も増加する。また、大腸の前癌状態ポリープの抑制に効き目があるとされる葉酸サプリメントには、全く逆の効果が確認された。つまり、ポリープの数が増えたのだ。
しかし、なぜ過剰なサプリメントの服用が、逆に、病気のリスクを高めてしまうのか。その原因は不明である。
薬局の一角にきれいに並べられたサプリメント。みんなが次々に、その中の1つ,2つを手にしては、レジに向かう。さらに、誰かに「サプリメントは、毎日の食事だけでは摂るのが大変な栄養素やビタミン類ですよ」とささやかれると、その場を去り難くなるのが人情。「ビタミン不足など自分には関係ない話だ」と、はねつけることのできる人はどれほどいるだろうか。
それに、サプリメントは栄養補助食品とも呼ばれる。「錠剤を飲み過ぎても、それは何らかの栄養になってくれるはず。薬のように副作用を心配することはない」と思いがちだ。しかし、注意が必要であることは言うまでもない。(写真は添付のguardianから引用)