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子どもの白血病を招いたのは:清潔、潔癖、完璧! (BBC-Health, May 21, 2018)

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 血液のガンとして知られる「Acute Lymphoblastic Leukaemia (急性リンパ芽球性白血病ALL)は、2,000人に 1人の割合で子どもが発症する病気だ。出生数が100万人弱 (日本) とすれば、日本でも毎年、約500人の子どもが、新たに、この病気に罹患していることになる。
 しかも、先進国の富裕層社会の子どもに、この病気が多いという。一体、その原因はどこにあるのか。送電線が怪しい。いや電磁波だ、あるいは何らかの化学物質だなどなど、これまで、色々な可能性が取りざたされて来た。

 しかし、医学雑誌「Naute Review Cancer」に発表された「The institute of Cancer Research (英ガン研究所)」のMel Greaves教授らの研究結果には驚く。
 Greaves教授らの研究グループは、30年間にわたって、この白血病に関する医学的なデータを積み重ね、ついに 1つの「unified theory (統一理論)」にたどり着いた。
 結論から言えば、赤ちゃんのときの「過剰な清潔状態」が原因。
 
 そのGreave教授の統一理論によると、子どもの白血病 ALLは、次の3ステージを経て発症する。

・The first is a seemingly unstopped genetic mutation that happens inside the womb.
・Then a lack of exposure to microbes in the first year of life fails to teach the immune system to deal with thread correctly.
・This set the stage for an infection to come along in childhood, cause an immune malfunction and leukaemia.

1.始めに、母親の胎内で、留まることを知らないような遺伝子異常が発生する。
2.次に、その赤ちゃんが生後1年以内に、微生物に曝される機会を失うと、赤ちゃんの免疫システムは病原菌に対する正しい対処の仕方を学習できなくなってしまう。
3.子どものときに、このように感染症に罹りやすい状態になると、免疫機能不全を起こし、白血症に罹患する。

 Greaves教授のアドバイスは、赤ちゃん(が他の子どもから移されて罹る軽い感冒など)の「些細な感染症 (trivial infections)」には、それほど神経質になる必要ななし。むしろ、積極的に、他の子どもたちと接触させる方が、赤ちゃんの免疫システムにスイッチが入るので好ましい。また、乳酸菌ドリンクの善玉菌も効果があるのでは、と見る。

 とにかく、白血病は恐ろしく、これまでその防止策は皆無だった。Greaves教授らの研究は、白血病の予防対策に1つの手がかりを与えるものとして、注目されている。
                     (写真は添付のBBC Newsから引用)

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カビの悪玉真菌が人類を攻撃:打つ手なし! (BBC-Health, May 18, 2018)

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 カビ (fungi) の仲間の真菌は、人類にとって味方(善玉)でもあり、敵(悪玉)でもある。
 パンや酒づくりに必要な酵母 (yeast) が善玉の真菌なら、水虫の原因となる白癬菌(trichophyton rubrum [トリコフィトン・ルブルム]) や、真菌感染症を引き起こす「Candida auris (カンジダ・アウリス)」などは、さしずめ、悪玉真菌の代表格だ。

 とくに、抗真菌薬 (antifungal drugs) に耐性を獲得した「Candida auris」が、世界中の病院で「侵襲性真菌感染症 (invasive fungal infections)」を引き起こし、猛威を振るっている。

 ところで、カビの仲間は大気中に幾らでも漂っている。ご飯やパンをテーブルに置き忘れたままにしておくと、直ぐにカビが生えることは、誰でも知っているとおり。そのカビの仲間を、人は常に胸一杯に吸い込んでいる。しかし、普通の人は、免疫システムがしっかり働いているため、それで病気になることは、ほとんどない。
 
 問題は免疫力が衰えている「集中治療 (intensive-care)」、「transplant (移植手術)」の患者にガン患者だ。加えて、体の抵抗力が低下したHIV感染者、高齢者や入院患者も、真菌感染症の危険に曝されている。
 なんと、死亡率が 50%以上になる真菌感染症の存在も知られている。とにかく抗真菌薬が効かないのだ。医療関係者は、新たな治療法を模索して、四苦八苦している。このままでは、世界中の病院が、カビの仲間によって壊滅的な打撃を与えられかねない。

 しかし、どうして、カビの仲間が、これほどまでに抗真菌薬に対して耐性を持つようになったのか。
 意外なことに、London大学「Imperial College of London」の Matthew Fisher教授は、その原因が農業にあるとみる。

 小麦、イネ、リンゴ、イチゴをはじめ、ほとんどの作物にはカビ病が発生する。このため、農家は大量の農薬「殺菌剤」を、年間を通じて繰り返し散布する。その農場に撒かれる殺菌剤は、病院で使用されている抗真菌薬と本質的に同じ。その結果、真菌に変異が起こり、耐性ができているのだという。

 もう、人類には、真菌の除染 (decontamination) に有効な手立ては残っていない。これまで、あまりにも、真菌の絶滅にこだわり過ぎたのだ。
                     (写真は添付のBBC Newsから引用)

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動脈硬化を防ぎ、血管・心臓年齢を若返らせるには:運動! (BBC-Health, May 21, 2018)

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 近ごろは、気まま、わがままが通る時代。運動 (exercise)が大嫌い、勉強 (study)も大嫌いという子どもも大人も多くなったようだ。
 確かに、用もないのにわざわざ歩いたり、走ったりするのは、無駄と言えば無駄。めんどうな微分積分に常・偏微分方程式なんぞ、なんの役にたつのかと、はなから数学に興味を示さない若ものもいる。

 しかし、人生には、やらなければならないときに、やらなければならないこともあるのだと思う。少なくとも、運動と勉強は、その「やらなければならないこと」に入る。
「Strike while the iron is hot.(鉄は熱いうちに打て)」という。時宜(じぎ)を失すると、成るものも成らなくなるとは、昔から言われたことだ。

 70歳を越えてから、どんなに勉学、運動に励んでも、「時、すでに遅し」。心臓や動脈の組織はいかんともし難い状態に固まっていることが、これまでの研究で明らかにされている。
 ただし、若い人には、若い人なりに「やることがたくさん」ある。それに、健康なときには、病気になることなど考えにくいし、運動が病気の予防や心臓、動脈の活性化・若返りに、また勉学が人格形成に留まらず、脳細胞の活性化に役立つと言われても、実感が沸かない。

 では、勉学はともかく、運動については、いつ、どれだけの運動をこなすと、健康に効果があるのか。
 これを確認する研究が、US「The Institute of Exercise and Environmental Medicines (運動・環境医学研究所)」の Dr Benjamin Levineらの研究グループによって実施された。
 Dr Levineらは、60歳代の被験者100人の「運動歴 (exercise history」と「動脈硬化度(stiffness of arteries)」のデータを解析した。

 動脈 (arteries)は、心臓から体中に血液を送り出す大切な血管。誰でも、加齢とともに、動脈は硬くなりがちだ。とくに「不健康な生活スタイル (unhealthy lifestyle)」を続けていると、血管は脂肪質 (fatty materials)で「閉塞 (blocking)」を起こしてしまう。

 さて、Dr Levineらの研究結果の結論は

"Exercising two to three times a week (3o minuite per section) over a lifetime led to more youthful middle-sized arteries supplying blood to the head and neck."
[ 生涯に渡って、30分間の運動を週に 2 - 3回実施している人は、血液を心臓から脳・頸部に送る動脈の血管年齢が若かった。]

 さらに、その運動回数を週に 4 - 5回に増やすと、血液を心臓から胸部・腹部に送る大動脈 (中心動脈) の血管年齢も若返ることが分かった。

 このことから、タフな心臓と若い血管年齢を保ち続けるためにも、運動は続けた方ががいいことになる。Dr Levineらは、運動であれば、どんな運動でも、心臓病の発症リスクを低下させる効果があるという。

 なお、Dr Levineらの研究結果の詳細は、医学雑誌「The Journal of Physiology」に発表された。
                     (写真は添付のBBC Newsから引用)

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イギリスでは悪玉の雑草がはびこり:善玉の山野草が苦難に! (BBC-Science & Environment, May 14, 2018)

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 エビネにアツモリソウ、シュンランなどの山野草 (wild flowers) には、観ていて飽きることのない素朴な美しさが備わっている。
 しかし、これらの山野草も、食うに困り果てた人がいたものか、その群生地から掘り抜かれて、田舎の「道の駅」などで売られているのは、なんとも哀れでならない。

 イギリスとて、山野草の置かれた事情は、同じようなものだ。
 1930年代頃から、伝統的な牧草地の育て方が変わったため、それまで牧草地を主な繁殖・生息地としていた多くの山野草は、死に絶えるか、路肩のグリーン帯 (roadside verges) に追いやられた。その数700種以上。イギリス全土の植物の約 45%が路肩に生息し、wild orchid (野生ラン)の仲間(52種)の内、29種が路肩で確認されている。

 ところがその路肩でさえ、安住の地ではなかった。常に、自動車の排気ガスに悩まされ、おまけに道路管理局は、路肩の草刈り (mowing) に凝り過ぎるほどにこだわる。
 これでは、せっかく山野草が、子孫を残そうと花を咲かせるのに、まだ種子が完成する前に、刈り取られてしまうのだ。そして、刈り取られた草は、路肩に放り投げられたまま。

 すると、マナーの悪いドライバーは、そんな路肩のグリーン帯をゴミ捨て場と勘違いしてしまう。
山野草は、きれいな花を咲かせても、実を結ぶことができない。ドンドンと山野草の種類は、数を減らした。

 一方、植物界の悪玉 (thugs) の雑草 (weeds) は窒素ガスが大好き。代表的な悪玉は次の通り。

・stinging nettle:イラクサ
・bramble:イバラ
・rough meadow-grass:オオスズメノカタビラ
・cow parsley:シャク
・Yorkshire fog:シラゲガヤ
・creeping buttercup:ハイキンポウゲ

 その悪玉に攻め立てられ、瀕死の状態にある善玉の「wild flowers」は、

・tufted vetch:クサフジ
・bugle:キランソウ
・tormentil:タチキジムシロ
・red clover:ムラサキツユクサ
・lady's bedstraw:セイヨウカワラマツバ
・white campion:マツヨイセンノウ
・greater knapweed:グレーター・ナップクウィード(ヤグルマギクの仲間)

 悪玉、悪党は、自然環境が悪ければ悪いほど、はびこるのは世の常か。

                     (写真は添付のBBC Newsから引用)

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犯罪が増えているのに:警察の犯人逮捕・起訴件数が急落! (BBC-News, May 16, 2018)

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 警察は、ドロボウや犯罪者を捕まえるのが仕事のはずなのに、どこかの国では、その警察がドロボウや強盗のまねごとをするそうだ。言語道断だ。その反面、したり顔の白バイやパトカーが、もの陰に隠れてお年寄りのドライバーを捕まえ、「一時停止が不十分だった」と違反切符を切る。何ともやるせないではないか。

 さて、次はWalesの警察のはなし。
 BBCのドキュメンタリー人気番組「Panorama」が、England, Walesの刑事事件に関するデータを調査し、その実態を大衆の前にさらけ出した。
 何と、この1年間 (2016-2017年)、EnglandとWalesの犯罪件数が21%も増加しているのに、警察が犯人を検挙、起訴した件数は、逆に11%も減少していたのだ。

 とくにWalesの警察の取締りレベルはひどい。管轄区域別に見ると、次のとおり。

 管轄区域      犯罪件数  犯人の検挙・起訴件数
・Dyfed-Powys          23%増     20%減
・South Wales                12%増       2%減 
・North Wales                 11%増     10%減 
・Gwent                   12%増     24%減 

Cambridge大学「The Institute of Criminology (犯罪学研究所)」の Mr Peter Neyroudは、元警察署長 (Chief Constable)。その Mr Neyroudも、『これほど警察の捜査レベルが下ががったことは、これまでなかった』と言う。まさに犯罪捜査 (investigation of crime)は「emerging crisis (降って沸いた危機的状況)」にある。
 
 もちろん犯罪 (crime)は「public order offence (公序良俗違反)」、「criminal damage (器物損壊罪)」も含まれる。

 しかし、South Wales管轄区の「Detective Chief Constable  (刑事部警察署長)」Richard Lewisの言い訳 (弁明、釈明ともいう)は、苦しい。

"The force was dealing with more crimes involving family and neighbours, which often did not result in a charge because the victim did not want to take the matter further."
[ 警察が取り扱う事件に、家族間あるいは近所とのもめ事が多くなり、事件後に、被害者が問題を大きくしないようにと、刑事告訴を取り下げるため、(起訴件数が少なくなっているのだ。)]
                     (写真は添付のBBC Newsから引用)

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夜、体内時計に逆らって、これを壊すと:うつ病、双極性障害に! (BBC-Health, May 16, 2018)

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 人類を含む哺乳類は、脳の奥の視床下部に「体内時計 (body clock)」を持っている。概日リズム (circadian rhythm) を刻む「視交叉上核(suprachiasmatic nacleus)」と呼ばれる神経細胞群だ。体のほとんどの細胞は、この時計の動きに合わせて働くため、心の状態 (mood)、ホルモンの分泌、血圧、心拍数、体温、新陳代謝 (metabolism)などにも、「日周リズム(daily rhythm)」が現われる。
 なお、心臓発作 (heart attack)は、朝起きて、体にエンジンが掛かり出すときに発症リスクが急増すると言われている。

 ところで、この体内時計が壊れると、どうなるか。
 Glasgow大学の Daniel Smith教授らの研究グループは、被験者 91,000人の協力を得て、体内時計が壊れたときの「心の状態」を調べた。

 すると、夜更かしなどが続いて体内時計が壊れると、うつ病双極性障害などの「気分障害 (mood disorder)」の発症リスクが高まり、孤独感 (loneliness)、不幸せ感 (lower happiness)が増して、行動がのろく (worse reaction time)、情緒不安定 (mood instability)になることが分かったという。(研究結果の詳細は医学雑誌「Lancet Psychiatry」に発表。)

 ちなみに、Smith教授は、夜10時前に、「携帯電話」の電源を切ることにしているそうだ。その理由は
"Because obviously we didn't evolve to be looking at screens when we should be sleeping."
[当たり前のことだが、我々人類は、眠りにつく時間帯に、スマホの画面を見るようには進化していないためだ。]

 夜遅くまで、パソコンやスマホに熱中している人は要注意。本来、人間に備わった体内時計の針を無理やり変えようとすると、気づかないうちに「心の病」に冒されかねない。
                     (写真は添付のBBC Newsから引用)

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これまでになかった風邪薬:酵素NMTに働いてウイルスをブロック (BBC-Health, May 14, 2018)

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 「cold (風邪)」の治療薬の開発はむずかしい。症状を引き起こすウイルスの種類も数も圧倒的に多く、その上、風邪ウイルスは直ぐに進化して、風邪薬に対する抵抗力をつけてしまう。

 そこで、London大学「The Imperial College London」の Ed Tate教授らの研究グループは、ウイルスを直接死滅させることをあきらめ、ウイルスの宿主 (host)である人間の肺細胞に注目した。
 ウイルスは、肺細胞をハイジャックして自己複製 (self-replication)を繰り返しながら増殖する。Tate教授らは、肺細胞内の酵素タンパク質 NMT (N-myristoyltranferase)をブロックし、ウイルスが自己複製できないような風邪薬を開発した。ウイルスが生きてゆくためには、宿主の細胞が必要で、それがなくては生存できない。風邪の新薬は、ウイルスの進路も退路も断って、死滅させる作戦だ。

 もちろん、副作用や毒性をチェックするために、今後、さらに研究を進める必要があるという。

 ウイルス性の風邪は、人から人へと、いとも簡単に移り、手あるいは物の表面に取り付いてから24時間生き長らえることができる。

https://ichef.bbci.co.uk/news/660/cpsprodpb/09EF/production/_101534520_f0209480-common_cold_virus_conceptual_illustration-spl.jpg

 風邪はこんなふうに感染する。

・風邪ウイルスに感染した人がセキやクシャミをすると、ウイルスの付着した飛沫が周囲に飛び散るため、これを吸い込んで感染。
・ウイルスを含む飛沫で汚染された物あるいは表面に手が触れ、その手で自分の口、鼻、目をさわることで感染。
・ウイルス感染飛沫の付着した人の肌に手が触れ、その手で自分の口、鼻、目をさわることで感染。

"symptoms - a runny or blocked nose, sneezing and sore throat - usually come on quickly and peak after a couple of days. Most people will feel better after a week or so. But a mild cough can persist for a few weeks."

 なお、ウイルスに感染すると

・鼻水、鼻づまり
・クシャミ
・咽(のど)の痛み

などの風邪の症状が直ぐに現われ、感染から 2日後にピークに達するが、たいていの人は 1週間もすれば回復する。ただし、軽い咳が数週間続くこともある。
                     (写真は添付のBBC Newsから引用)

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