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ケルトの黄金トルク:2,500年前ドーバー海峡を渡った高貴な人とは (BBC-News, February 28, 2017)

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 その日、Mr Mark Hambleton は、金属探知器を用いた地中の宝探しに疲れて、もう止めようとしていた。すると、相棒の Mr Joe Kania が、何か見つけたようだと言う。相棒はポケットから大きなトルクを引っ張り出して、私の目の前にブラブラさせて見せた。

 そのとき、私は思わず息を胸一杯に吸い込むと、頭が冴えて、よろめく足はシャキッとなった。
 それから、お前が見つけた物が何だか分かるのか、と言った。

 そして、2人はただ、黙っていた。

 その日の夜は、見つけた黄金のトルクをベッドの脇に置いて寝た。次の朝、「Portable Antiquities Schemes」の係官に手渡しするまでは、安全を確保するために、気を緩めるわけには行かなかったのだ。

 これは Mr Hambleton が語った話だ。

"Mr Hambleton said he was just about to give up for the day when his friend said he thought he had found something."
"He pulled this big torc out his pocket, and dangled it in front of me, he said."
"When I'd got some air back into my lungs, my head had cleared and my legs stopped wobbling, I said 'do you realise what you've found there?"
"He said the pair were 'speechless'."
"He said he kept the gold next to his bed that night 'to make sure it was safe' before handing it to experts the following day."

 昨年 2016年の 12月のことだった。Mr HambletonとMr Kaniaの 2人が黄金のトーク(torcs) を発見した場所は、イングランド中央「Staffordshire Moorlands」の Leekfirth の農場。草地の下に古代ケルト人のトルクが1m置きに慎重に埋められていたという。
 トルク (3 necklaces & bracelet) の重さは 31g ー 230g、金の含有率はおよそ 80%だった。

 そこから 50マイル離れた場所からは、2009年「The £3m Anglo-Saxon Staffordshire Hoard」の財宝が発見されている。

 「The British Museum (大英博物館)」の「curator (学芸員)」Dr Julie Farleyによると、

"It dates to around 400-250 BC and is probably the earliest Iron Age gold work ever discovered in Britain."
"The torcs were probably worn by wealthy and powerful women, perhaps people from the Continent who had married into the local community."

[ トルクの年代は 400-250 BCの頃に遡り、たぶん、イギリスで発見された最古の鉄器時代の装飾品だ。]
[ これらのトルクは、おそらく裕福で権力のある婦人が身に付けていたもの。ヨーロッパ大陸からイギリスに渡り、この地域の住民と結婚した人のものと推定される。]

 なお、発見者の2人は、報奨金 (推定数十万ポンド) を landowner (土地所有者) の Mr Stuart Heath と折半する予定とか。
  とりあえず、古代ケルトのトルクは、来週から 3週間だけ、Stokeの「The Portteris Museum & Art Gallery」 にて一般に公開される。

                                (写真は添付のBBC Newsから引用。)
        

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ガン・心臓病が逃げた!:やっぱり果物、野菜が切り札 (BBC-Future, February 27, 2017)

(Credit: iStock)

 人はパンだけでは生きられない (Man cannot live on bread alone.)。パンを白米 (rice)に変えてみたところで同じだ。第一、無鉄砲な「早飯食い競技大会」でもない限り、ご飯もパンもそんなに食べられない。これは「sensory-specific satiety (感覚性特異飽満)」と呼ばれる現象 (phenomenon)だ。
 また、肉が好きだからと言って、赤身の肉 (lean meats)だけを食べていると、約1週間後には、頭痛、けん怠感、漠然とした不快感を伴う下痢 (diarrhea) の症状が現われる。カナダ北部の住民に古くから知られていた「rabbit starvation (ウサギ飢餓)」だ。

"Maybe a diet that includes no green vegetables means that somewhere down the line, you'll have a higher chance of developing cancer than you might have otherwise."
[ 緑たっぷりの野菜を食べないでいると、食べたときに比べて何らかの時点で、ガンの発症リスクが上がるはずだ。]

 イギリスの著名な大学「Imperial College of London」の Dr Dagfinn Aune らの研究チームは、これまでに公表された論文 95本の根拠資料とする 200万人分の食生活調査データを解析し、研究結果を「The International Journal of Epidemiology」に発表した。

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 Dr Aune らの研究によると、以下の野菜にガンの発症リスクを低減させる効果が認められ、そのいずれかを毎日 200g食べると、ガンの発症リスクは 4%減、800gを食べると 13%減となることが示された。

・green veg (e.g., spinach): 緑色野菜(ほうれん草など)
・yellow veg (e.g., peppers): 黄色野菜(黄ピーマンなど)
・cruciferoous vegetables (e.g., cauliflower): アブラナ科野菜(カリフラワーなど)

 さらに、心臓病 (heart disease)、脳卒中 (strokes) の発症リスクを抑える効果が認められたのは、次の品目。

・apples: リンゴ
・pears: ナシ
citrus fruit: カンキツ果物
・salads: サラダ
・green leafy vegetables (e.g., lettuce): 緑色葉野菜(レタスなど)
・cruciferous veg: アブラナ科野菜

 そのいずれかを毎日 200g食べると、「cardiovascular disease (心臓血管疾患)」の発症リスクは 13%減、800g食べると 28%減となることが示された。

 Dr Auneは、この研究結果について次のように説明する。

"Fruit and vegetables have been shown to reduce cholesterol levels, blood pressure, and to boost the health of our blood vessels and immune system."
"This may be due to the complex network of nutrients they hold."
"For instance, they contain many antioxidants, which may reduce DNA damage and lead to a reduction in cancer risk."
"However, many people struggle to even eat the five a day(400g) recommended by the World Health Organization."
"In the UK, only about one in three people eats enough."

[ 果物や野菜を食べると、コレステロール値、血圧が下がり、血管が丈夫になって免疫力が高まる。]
[ これには、果物や野菜に含まれている栄養素が複雑なネットワークを構成し、寄与していることが考えられる。]
[ 例えば、それらの品目には各種の抗酸化物質が含まれていて、これが DNAの損傷を妨げ、ガンの発症リスクを低減させているのだ。]
[ ところが、多くの人にとって、WHO (世界保健機関) が推奨する、果物・野菜を 1日 5品目(400g)摂取するという規準さえ、守るのが難しい状況にある。]
[ イギリスでは、およそ 3人に 1人が、その WHO 規準をクリアしているに過ぎない。]

  なお、1日 10品目を食べている Ms Harriet Micallef のアドバイスは、

"If you've got loads of colours on your plate then you're pretty much okay."
[ お皿がカラフルに彩られたら、栄養のバランスが最高のサインよ。]

 また、次のことわざも役にたつ。
"An apple a day keeps the doctor away."
[ 1日 1個のリンゴで医者いらず。]

 ちなみに、果物の重さを計ってみると、リンゴ1個はおよそ250 - 350g、バナナ1本約130g、モンキーバナナ 1本約 30gだった。
 
                               (写真は添付のBBC Newsから引用。)

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手押し式井戸ポンプがアフリカを救う:地下水を絶やさないために! (BBC-Science & Environment, February 24, 2017)

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 泉、湖や川は、清浄な飲み水を確保するための大事な水資源だ。しかし、アフリカ東部の国 South Sudan, Somalia, Ethiopia, Kenyaは、近年、深刻な干ばつに襲われ、小さな湖や川は地上から消えた。およそ 2億人の命を守るためには、どうしても地下水に頼らざるを得ない。

 地下水 (groundwater) とは次のようなものだ。

"When water falls as rain or snow, much of it either flows into rivers or is used to provide moisture to plants and crops. What is left over trickles down to layers of rock that sit beneath the soil.
"And just like a giant sponge, this groundwater is held in the spaces between the rocks and in the tiny interconnected spaces between individuals grains in a rock like sandstone."
"These bodies of wet rocks are referred to as aquifers. Groundwater does not sit still in the aquifer but is pushed and pulled by gravity and the weight of water above it."
"The movement of the water through the aquifer removes many impurities and it is often cleaner than water on the surface."

[ 雨や雪が地上に降ると、そのほとんどは川に流れたり、植物や穀物に水分として取り込まれる。しかし、一部は土壌に染み込んで、さらにその下の岩の層に流れ落ちる。]
[ そこはまるで巨大なスポンジに似るが、地下水は岩と岩との空間あるいは砂岩を構成する粒子間の微細な空隙に蓄えられる。]
[ この水を含んだ地層は帯水層と呼ばれる。地下水は帯水層にじっと留まることはなく、重力と水圧の作用力を受けて移動する]
[ 地下水は帯水層内を移動する間に不純物が取り除かれるため、地表水よりも清浄であることが多い。]

 アフリカでは、この地下水を汲み出すのに「手押し式ポンプ (vibration hand pumps)」が多く使われている。
 そこで、Oxford 大学の Dr David Clifton, Dr Rob Hope らの研究チームは、手押し式ポンプの柄 (handle) にモービル・センサーと加速度計 (accelerometers) を取り付け、ポンプの利用状況と地下水の水位を監視 (monitoring)する情報システムの開発に取り組んだ。

 2012年、Kenya の 60村の水井戸ポンプに300ヶのセンサーを設置し、試験が開始された。データは「data transmitter (データ伝送装置)」を通して Oxford に送られ、ポンプが故障して、動いていないことが分かると、すぐに修理会社に連絡する体制を作り上げた。

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 このお陰で、これまで修理は1ヶ月以上掛かっていたものが、3日以内に完了することができるようになったという。

 さらに、加速度計からのデータを分析することによって、地下水の水位の変動が予測できるため、「water security (水資源の安全確保)」対策には欠かせない情報になるものと期待されている。

 なお、Dr Clifton らの研究結果は「Environmental Medellin & Software」に発表された。

                                (写真は添付のBBC Newsから引用。)

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その洗濯とドライブが海を汚染する!:なぜ? (BBC-Science & Environment, February 22, 2017)

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 毎年、推定950万トンのプラスチックゴミ(plastic waste)が世界中の海に捨てられている。その結果、地球上に生命を誕生させ、これを育んだ海(ocean)は、どこでも汚染が拡大した。とくに生命体への被害が深刻な汚染物質は、プラスチックゴミの15 - 31%を占める無数の「microplastics (マイクロプラスチック)」だ。その一部は、プラスチック破片が紫外線を受けて「degradation(分解)」したもの。

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 しかし、「The International Union for Conservation of Natural Resources, IUCN (国際自然保護連合)」の調査によると、その微細 (1mm以下) な粒子の中味は主に、洗濯の際に衣類からこぼれ落ちる合成繊維 (synthetic textiles)と、ドライブの最中に舗装面上でタイヤが摩耗して発生するプラスチック屑だった。タイヤには様々なプラスチックが混入されているためだ。
 さらに、化粧品で使用されている「microbeads (マイクロビーズ)」も、プラスチックゴミの約 2%を占めた。

 合成繊維の衣類 (fabrics) はwoo l(羊毛), cotton (綿) などの天然繊維 (natural fabrics) に比べて価格が安いため、世界中に大量生産・大量消費の文化を広げる担い手になった。その合成繊維由来の microplastics の汚染源はアジアに集中している。
 一方、タイヤから発生する microplastics の海洋汚染源は、アメリカ、ヨーロッパ、中央アジアが中心だ。

 魚は、エサのプランクトンとマイクロプラスチック (microplasitcs) との見分けが付かない。このため、有害なプラスチックをどんどん、体に取り込んでしまう。これがさらに食物連鎖 (food chain) と生物濃縮 (bioaccumulation) の過程を経て、毒性が濃縮され続けるとと、やがて海洋生物の多様性 (diversity) と人類の健康に「disastrous effects (悲惨な影響)」を及ぼすことになりかねない。

 さて、海洋汚染の主な原因は、合成繊維とタイヤにあることが分かったが、その解決は極めて難しい。誰にとっても洗濯やドライブを今すぐに止めることなどできないからだ。
 現在、「micro fibres (マイクロ・ファイバー)」、「micro materials (マイクロ・マテリアル)」と称する新素材開発が盛んに進められている。しかし、人工的に作り出される超微粒子の飛散を一体どうやって防ぎ切れるのだろう。花粉症に悩まされる人が多いのに、将来、さらに手強い汚染物質が生産され、放出されるなんて。

                                (写真は添付の BBC Newsから引用。)

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目の届かない地下はグチャグチャ!:フラッキング石油採掘 (BBC-Science & Environment, February 21, 2017)

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 原油 (petroleum) や天然ガス (natural gas) は、地下数千メートルの緻密な頁岩 (shale)層に含まれることが多い。数十年前、このような地層に、主として水、砂、化学物質から成る混合体を高圧で送り込んで、瞬時に周囲を破砕し、原油やガスが通りやすいように無数の亀裂を作る方法が開発された。
 爆薬こそ使用しないが、その作業は地中を衝撃波で破砕する発破 (explosion) だ。これは「fracking(フラッキング)」あるいは「hydraulic fracturing(水圧破砕法)」と呼ばれる。
 作業時には、ドンドンと地響きがとどろき、掘削井 (wellbore) から半径数百mに及ぶ地域にわたって地下深い地層はグチャグチャになる。

 この石油掘削技術の開発により、それまで未利用資源とされた貯留層から一挙にシェールガス・オイルが生産され、石油会社は巨万の利益を上げた。それは、これまでとは、全く違う石油開発であったため、USAでは250万人の雇用「frac job」を生み出したとも言われる。
 日本国内でも、この数年、試行的に繰り返されている石油・天然ガス回収法だ。

 しかし、「fracturing (破砕)」の示すとおり、この技術の本質は地下深部の地層を粉々、グチャグチャにすることにある。亀裂・ヒビが数本入っただけでは意味がないのだ。
  作業を進める石油業界にとって都合のいいことに、地下は人目に付くことはない。それに、たとえ地下水脈が壊されたり、化学物質に汚染されても、責任逃れはいくらでもでっち上げることができる。一般にこの種の環境破壊、地下汚染の検証は極めて難しいからだ。

 では、一般市民に十分説明されない、この「fracking (フラッキング)」の実態はどうなのか。
 「The US Environment Protection Agency, EPA (アメリカ合衆国環境保護庁)」は曲がりなりにも、2006年から2012年にかけてNorth Dakota, Pennsylvania, Colorado, New Mexicoの 4 州に限って「oil and gas spills(原油・ガス漏れ)」事故を調査し、7年間で457件の油井 (ゆせい) 漏れがあったと発表した。
 しかし、この事故件数の値は、あくまで水圧破砕作業中 (数日~数週間) に発生した事故に限定したもの。

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 Duke 大学の Dr Lauren Patterson らが、EPAの調査と同じ4州について、2005年~2014年の 10年間における原油・ガスの貯蔵、輸送中の漏れ事故を含めて調査したところ、EPAが公表した漏れ事故件数の 14倍以上にのぼる 6,648件が確認された。 
 その内 4,453件 (全体の67%) は North Dakota に集中していた。最大10万リットル(ドラム缶 [200L] にして500本分) が漏れ出でる事故も明るみに出た。

 それでも石油業界は反駁 (はんばく dispute) する。環境汚染の事故は「very few (極めてまれ)」と。
 根底に隠した本音は、「疑いがあるなら、地下にもぐって証拠を示せ」であろうか。

 なお、Dr Patterson らの詳細な調査研究内容は、「Environmental Science & Technologyに発表された。
                                (写真は添付のBBC Newsから引用。)

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食べものを粗末にすると、どうなるか:地球の裏で泣く人が! (BBC-News, February 20, 2017)

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 政情の不安定な南スーダンでは食糧不足が蔓延し、多くの子どもが栄養失調に陥っている。しかし、この事実とは全く裏腹の、何とも皮肉な研究報告が「Agricultural Systems」に掲載された。

"It says the world consumes about 10% more food than it needs, while almost 9% is thrown away or left spoil."
[ 調査報告によると、世界の食糧の 10%以上が食べ過ぎで消費され、また 9%が捨てられたり、腐らせてしまっている。]

 さらに「inefficiencies in production processes (生産過程の非効率さ)」が拍車を掛けて、結局、21億トンもの食糧がムダになっていた。
 調査したのは、Edinburgh 大学の Dr Peter Alexander、York大学の Dominic Moran 教授らの研究チーム。「The UN's Food and Agricultural Organization, FAO (国際連合食糧農業機関)」のデータを分析した結果だ。

 なかでも、改善が求められるのは、生産効率の極端に低い「livestock production (畜産)」。世界で 2億 5千万トンの畜産物 (肉、牛乳、タマゴなど) を生産するのに、その4.6倍に当たる 20億4千万トンの「作物 (harvested crops)」が消費されている。

"They found that increased demand tor some foods, particularly meat and dairy products, would decrease the efficiency of the food system and could make it difficult to feed the world's expanding population in sustainable ways."
[ この研究によると、肉・乳製品などの一部の食品に対する急激な需要の拡大が、世界の食糧システムの効率を低下させ、人口増加を続ける地球の全ての人に、持続可能な方法で食糧を提供することは難しくなる可能性がある。]

"Meeting the demand could cause environmental harm by increasing greenhouse gas emissions, depleting water supplies and causing loss of biodiversity."
[ 需要に応えようとすれば、温室効果ガスの排出量がさらに増えて、地球環境は悪化し、水資源は枯渇し、生物の多様性は失われるであろう。]

"Until now, it was not known how over-eating impacts on the system. Not only is it harmful to health, we found that over-eating is bad for the environment and impairs food security."
[ これまで、食べ過ぎが地球の食糧システムにこれほど影響しているとは知られていなかった。ところが、その贅沢なふるまいは、人の健康に有害であることはもちろんのこと、地球環境に悪影響を与え、世界の食糧安全保障を損ねることが明らかになったのだ。]

 「他人の口にする物」についてあれこれと、差し出がましいことを言うのは野暮。しかし、誰かが作ってくれた美味しい物は、大切に食べたい。
                                (写真は添付のBBC Newsから引用。)

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ケチャップが滑り落ちるボトル:これで一滴もムダなし! (BBC-Science & Environment, February 20, 2017)

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 ボトルに入ったケチャップやハミガキなどを使い切るあなたの方法は、次のどれ。

・ボトルを逆さにし、その底をトントンと叩く
・ボトルを激しく振る
・ボトルを何かにトントン打ち付ける

 しかし、どんなに「もったいない」精神があっても、ケチャップ、マヨネーズ、ハミガキ、ハチミツなどを最後の一滴まで使い切ることは、とても無理。第一、中味がなかなか出てこないし、下手なことをすると、結局、手や服を汚しかねない。だから、大抵の人は、容器にまだ中味が残っていても、ゴミ箱に捨ててしまう。

 また、レストランでは、調理容器に cheese soup などの「sticky products (ドロドロスープ)」を入れると、調理後の洗浄が大変。容器の内側や底にも食品が残ってしまうからだ。
 イギリス全体で、そのようにして捨てられる食品の量は年間 200 million gallons (約 90万 m3) にのぼると見積もられている。さらに、チューブ・パッケージの生産数は年間 400億本。したがって、チューブに残っていながら、ムダに捨てられる商品も莫大になる。

  そこで、「The Massachusetts Institute of Technology, MIT (マサチューセッツ工科大学)」の Kripa Varanasi 教授らが開発した「すべすべ滑らかボトル (slippery bottle)」は画期的だ。
 容器内側の表面を、一旦、ザラザラの特殊な膜でコーティングにした後、これを薄い膜で覆い、その上に液体を流して、内側の表面を平らで滑らかなスベスベ状態に仕上げる。

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                                                                 (写真は添付のBBC Newsから引用。)

 この容器を使うと、どんなドロドロ「ケチャップ」、ニュロニュロ「マヨネーズ」でも、容器を傾けると、口元からさっと滑り落ちてくる。テーブルの上ではイライラなし、ムダなしに加えて、容器の内側に中味が張り付かないので、見た目もきれい。

「slippery bottle」の用途は、化粧品 (cosmetics)、糊 (glue)などにも広がりそうだ。ただし、普及するまでには、4,5 年は掛かると見込まれている。

 これは、ヒット商品になること間違いなしだ。

   

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