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フランスのレストラン:ソフトドリンク「おかわり・飲み放題」禁止 (BBC-News, January 27, 2017)

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 スパゲティにうどん、春巻き、サラダなどなど、色々な料理を一度に味わうことができる「バイキングスタイル (smorgasbord or buffet styles)」は、比較的廉価で気楽に楽しめるため、日本でも人気だ。とにかく、「食べ放題 (all-you-can-eat)」が受けている。
 そのようなレストランでは、少額を上乗せすると、コーヒーやソフト・ドリンクが「飲み放題 (all-you-can-drink)」となる。

 ところが、フランス政府は、このソフト・ドリンクの飲み放題を法律で禁止した。フランスの全てのレストランはもちろんのこと、ファースト・フード店 (fast-food joints)、学生食堂 (school canteens) でも、コーラ、ファンタなどと言った「sugary drinks (砂糖たっぷり入りのドリンク)」については、「おかわり (refills)」も禁止。

 昨年の 10月、フランスの医学雑誌「Bulletin épidémiologique hebdomadaire 」に掲載された BMI 値の調査報告によると、30歳以上のフランス人男性の約 57%が「過体重か肥満 (overwight or obese)」、すなわち BMI値が 25以上のカテゴリーに入り、同世代の女性の割合は約 41%。

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 フランス政府は、これまでソフト・ドリンクに課税し、学校にはその自動販売機(vending machines) の設置を禁止してきた。しかし、このままでは、フランス国民のほとんどが「太り過ぎ」になってしまうと判断。新たに法律でソフト・ドリンクの販売に制限を設けて、これ以上、若者層の肥満を増やさない対策を取ったのだ。

 なお、「Eurostat survey」の統計データによると、イギリス人 (18歳以上) の肥満率は20.1%。ただし、女性の4人に1人は obesity (肥満) だ。それでも、イギリス政府の肥満対策に対する腰は重い。来年の 2019年に、ようやくにして「soft drinks tax (ソフト・ドリンク税)」を課する予定とか。 

 さらに不可解なのは USA。かの国は商人の力が強い。New York 市がソフト・ドリンクの「super size (特大サイズ)」の販売を規制する案を提出すると、「court (裁判所)」はこれを否決し、つぶした。
                             (写真は添付のBBC Newsから引用。)

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賢者ヨーダの心:その心に近づく秘訣とは! (BBC-Future, January 24, 2017)

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 「叡知 (wisdom)」の「叡(えい)」とは、深い谷底をえぐるように、その目で事の本質・真理を見極めること。したがって「wisdom」とは決して単に人の「賢さ」や「頭の良さ」、「道理・分別をわきまえる能力」を表わす言葉ではない。むしろ、通常の心の境地を超越した「悟り」に導く知力とも捉えることができる。
 英語で「wise man」とは、不思議な力を秘めた「魔術師」のことだ。

"Wisdom is something that's hard to define and yet somehow we know it when we see it. The wise people stay calm in a crisis. They can step back and see the bigger picture. They're thoughtful and reflective. They recognise the limits of their own knowledge, consider alternative perspectives, and remember that the world is always changing."

[ 叡知とは定義の難しい言葉だ。しかし、それでも、人は叡知を目(ま)の当たりにすることもあり、何とか、これを知っている。叡知を備えた賢者は、危機にあって冷静沈着。物事を見るときは、歩を引いて広い視野で眺め、熟考を重ねては、内省を繰り返す。己が無知であることを知り、一つの見方にこだわることなく、この世は常に変化するものだと心得ている。]

"Wisdom mustn't be confused with intelligence. Although intelligence helps, you can be intelligence without being wise. The wise people tolerate uncertainty and remain optimistic that eve tricky problems do have solutions. They can judge what is true or right. It's quite a list."

[ 叡知と知性を混同してはいけない。知性は役に立つものではあるが、叡知が欠けていては、知性的になり得ない。賢者は、物事が不確実であっても、それはそれとする。やっかいなことにも、解決の糸口があるものだと気楽に構える。賢者は、何が真実で正しいかを見極めることができる。と、まあ、賢者について全て羅列すると、こんな具合だ。]

 さらに、カナダ Waterloo 大学の Igor Grossman 講師によると、
"Wise reasoning is associated with a whole lot of positive: higher life satisfaction, fewer negative feelings, better life relationships and less depressive rumination."

[ 賢者の論理的思考は、物事を全て肯定的に捉え、人生に満足感を覚え、後ろ向きの感情を持たず、人間関係をよく保ち、沈んだ考えに陥らないことに結びついている。] 

 そして、叡知が深まるにつれ、幸せ度 (levels of well-being) が増すという。そこには知性 (intelligence) や IQレベルなどは関与しない。

 一方、Cornell 大学の Robert Stemberg 教授によると、

"Wisdom is all about balance"
[ 叡知とは、全て心のバランスにある。]

"A wise person is able to complete a mental juggling act - to balance the short-term with the long-term, self-interest with the interest of others, while considering all the options - adapting to the current situation, trying to shape it or looking for a new situation."

[ 賢者は、相反することに関して、自分の心を意のままに操ることができる。現状を鑑み、あらゆる選択肢を頭に入れて問題を浮き彫りにし、状況が進展するように、すぐ目の前のことと長期的なこと、自分の興味と他人の興味とのバランスを図ることができるのだ。]

  また、ジレンマ (dilemma) に陥ったとき、そこから抜け出るためには、自分から離れた目を持つことが大切だと、Stemberg教授は教える。そのためには第三者の立場に立って考えるとよい。人は、自分のことを自分で見つめることが苦手だが、他人のことになると、よく気がついて、評価レベルが格段に上がるものだという。
 また、Dr Grossman も、空を飛ぶ鳥になったよう (bird-eye-view) に、あるいは壁の上のハエが、辺りを見渡すような目で、状況観察することを勧める。

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 さて、では、私たち凡人は、ジェダイ・マスター「Yoda (ヨーダ)」のような賢者に近づけるのか。
"You need to take into account that people will different goals, priorities and responses to your own, across the sort-term and long-term. If you can juggle all that, you probably are showing wisdom."
"It's not that you suddenly become the next Buddha, but you do become a little bit wiser."

[ 短期的であれ長期的であれ、人が目指すゴールや人の大切にするもの、そして自分に対する反応は、人それぞれ違うものだということをよくよく考える必要がある。その上で、全てをバランスよく処理できるならば、それは、叡知を示したと言っていいだろう。]
[ しかし、突如として、お釈迦様の生まれ変わりのようにはならない。それでも、そのとき、あなたは、ほんの少しだけ賢者に近づいているのだ。]

 世の中は広い。フランスで厳しい心の修行をし、ヨーダの弟子 (disciples) のようになった人は確かにいる。あなたにだって、お釈迦様の心に近づくことはできるはず。

 なお、この記事 (article) を書いた Ms Claudi Mmmond には脱帽だ。その明晰な分析力、文筆力 (writing skills of English) のいずれも、ずば抜けている。ぜひ、原文を熟読するように。
                             (写真は添付のBBC Newsから引用。)

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気むずかしい人と寛容な人:脳の形態で性格がわかる! (BBC-Health, January 25, 2017)

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 ヒトの大脳 (brain) の表層には、シワシワの「大脳皮質 (cortex)」があり、重さは脳全体のおよそ50%を占める。そこには神経細胞 (nerve cells) が詰まっていて、人体の司令塔の働きをする重要な器官だ。
 ところが、大脳皮質の大きさも、ヒダの数も人によって違うというのだ。

 Cambridge大学の Dr Luca Passamonti を含む英、米、伊3国の研究グループが、健康な若者のボランティア 500人に協力を依頼し、脳スキャン (brain scans) によって大脳皮質の状態を詳細に調べた。
 さらに、被験者全員にアンケート調査 (questionnaires) を実施し、「personality traits (性格特性)」に関する次の 5 項目の質問に答えてもらった。

・neuroticism  : 神経症的傾向 (気むずかしさ)
・extraversion  : 外向性 (やる気)
・openness   : 寛容性
・agreeableness : 同調性
・consciousness  : 誠実性

 その結果、大脳皮質の大きさとヒダの数は、人の性格に関連していることを突き止めた。
 大脳皮質が厚くて大きく、ヒダの少ない脳の持ち主に「neurotic tendencies (神経症的傾向)」が見られ、逆に、大脳皮質が薄い人に、「open-minded (心の広い)」タイプの人が多かった。

 なお、この研究の目的は、健康な人の脳と精神神経疾患 (neuropsychiatric disorder)を煩う人の脳の違いを明らかにし、うつ病などの心的状態や認知障害 (cognitive disorder)、行動障害 (behavioural disorder) について、「脳形態学 (brain morphology)」の観点から理解を深めることにある。

 これに対して、『 脳の働きは、大脳皮質の大きさやヒダの数よりも、神経細胞(nerve cells) が互いにどのように連携しているかに掛かっているもの。報告された論文では、この点の研究が欠けている 』との指摘もある。

 なお、一連の研究結果は医学雑誌「Social Cognitive and Affective Neuroscience(社会認知・情動神経科学)」に発表された。
                             (写真は添付のBBC Newsから引用。)

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君は見たか!:あれが「オーストラリアの炎」だ (BBC-News, January 23, 2017)

 

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 宝石「opal (オパール)」の語源はラテン語の「opalus」。しかし、そのラテン語も古代インドのサンスクリット語の「upala (gem stone の意)」に遡 (さかのぼ) る。
 このことから分かるように、オパールはその昔、インドからヨーロッパにもたらされた。

 なお、東洋では、古くから、この石には毒・疫病を防ぐ力があり、悲しみさえ追い出してくれると信じられ、魔除け・お守り (charms) として大切にされた。
 一方で、教会・聖職者が、悪魔を持ち出しては、大衆の心をがんじがらめにし、また生き様までコントロールした中世ヨーロッパでは、オパールに対する扱いが全く違っていた。不透明な乳白色の石の中には悪魔が住み、人を盲目にすると恐れられたという。

 そのオパール。日本では蛋白石とも呼ばれる「ケイ酸塩鉱物 (silicate minerals)」。非晶質の微細な「silica (二酸化ケイ素)」粒が密に詰まった集合体で、化学組成は SiO2・nH2Oと表わされる。 

 さて、今から 70年前の 1946年のこと。Mr Walter Bartram はオパール原石を探してオーストラリア大陸南部の「Coober Pedy (クーバーペディ)」を歩き回っていた。そこは、Adelaide (アデレード) から北におよそ 750km離れた、ほこりだらけ (dusty terrain)の、夏の暑さが厳しい一帯だ。そして、みごと大ものを掘り当てる。重さが 998g(35.2oz) の「precious opal (プレシャス・オパール)」原石だった。価格にして $680,000(約7,800万円)。その余りにも大きく、まばゆいばかりの輝きを放つ原石は「The Fire of Australia (オーストラリアの炎)」と名付けられた。

 その後、Mr Bartram はオパールの取引で財を築く。しかし、「The Fire of Australia」だけは売りに出さず、貸金庫 (safe deposit box) にしまい込んで、人目に出すことはなかったという。
 Bartram 家を継いだ息子の Mr Alan Bartramは、父の意志を守り抜くことに決め、この原石を Adelaideの「South Australian Museum (南オーストラリア博物館)」に展示して、次世代の人にも鑑賞してもらうことにした。

 遊色効果が強く、キラキラと輝く「light opal」の巨大なサンプルは、数百万年前、この地が内海 (inland sea) であったこと、海水が蒸発して二酸化ケイ素 (silica) が堆積し、その後に地殻変動があったことを示す証拠だ。
                             (写真は添付のBBC Newsから引用。)

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焼き焦げの有毒アクリルアミド:発ガン性リスクが高い!  (BBC-Health, January 23, 2017)

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 キツネ色 (golden yellow colour) にパリッと焼いたトーストの食感は格別。それに、アツアツのベークドポテト (baked potatoes) にバターを塗って食べるのも堪らない。そして、食後に、熱いブラックコーヒーをすする。なんと幸せなことか。

 しかし、「The Food Standard Agency, FSA (英国食品基準庁)」は、トーストやジャガイモの焼き焦げ (browning)、コーヒー豆の焙煎焦げには発ガン性のリスクが高いので要注意と警告を発した。焼き焦げには、有毒の「acrylamide (アクリルアミド)」が高濃度で含まれているというのだ。

 アクリルアミドは無色無臭で水に溶けやすい化合物。
 デンプン (starch) や炭水化物 (carbohydrates) などの食材に 120℃以上の高温で、長時間、焼く (roast)、揚げる (fry)、焙る (grill) などの熱処理を加えると、食材に含まれる糖分、アミノ酸 (amino acids)、水分が化学反応を起こして結合し、アクリルアミドが生成される。この熱処理はもちろん、食材のうま味 (flavour)、匂い (aromas)、色 (colour)を引き立てるためのに欠かせないが、副産物 (by-products) も生まれるのだ。

" Research in animal has shown that the chemical is toxic to DNA and cause cancer - so scientists assume the same is true in people, although as yet there is no conclusive evidence."
[ 動物実験によって、アクリルアミドは DNAを傷つけ、ガンを引き起こすことが確認されている。したがって、科学者たちは、人間に対しても発ガン性があるものと推定している。ただし、現在のところ、その決定的な証拠は得られていない。]

"Possible effects of acrylamidde exposure include an increased lifetime risk of cancer and effects on the nervous and reproductive system."
[ 人体がアクリルアミドに暴露すると、ガン発症の生涯リスクが高まり、神経組織や生殖器官に障害を及ぼす可能性がある。]

 残念なことに、どれだけのアクリルアミドを摂取すると健康に影響が現われるのかについて、FSA は一切触れていない。ただし、一般に、この化合物の摂り過ぎの状態であることは間違いないという。「crisps (ポテトチップス)」や「chips (フライドポテト)」、「biscuits (ビスケット)」にも高濃度で含まれているためだ。                                                          
 「高速道で車のスピード上げると、交通事故につながるのか」を議論しても無駄だ。もちろん、たばこを吸ってもすぐにガンになるとは限らない。
 そこで大事な結論に落ち着く。危険なものは危険と認識し、用心するに越したことはないと。
                 

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おまえもトランプか!:ややっこしい「トランプ」のはなし (BBC-News, January 18, 2017)

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 日本語で「トランプ」と言えば、英語の「cards」のこと。明治の始めの頃、日本人は、このゲームに熱中した西洋人が頻繁に「trump (切札)」と口にするのを耳にして、思い違いをし、「cards」をトランプとしてしまった。
 また、「trump」には「trumpet (トランペット」の意味もある。

 ところが、日本人には、さらにややっこしいことが起こりそうだ。もう一つ違った意味の「trump」が加わったのだ。それは、夜の闇の中を飛び交う小さな「蛾 (moth)」。その名も正式には「Neopalpa donaldtrump」とりっぱな呼び名がつく。

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 カナダの研究者 Mr Vazrick Nazari が、カリフォルニア州で新種の蛾を発見した。羽幅 (wingspan) が 1 cm強で、生息範囲はカリフォルニア州南部からカリフォルニア半島メキシコ領「Baja California (バハ・カリフォルニア)」。Mr Trump が、メキシコとの国境にどんなに高い壁を作っても、このtrump の越境は防ぎ切れないに違いない。
 なお、このニュースは、第 45代アメリカ合衆国大統領就任式前のこと。したがって President Trump は Mr Trump と記述される。

 驚いたことに、なんと新種の蛾の頭は、Mr Donald Trump によく似た「golden flake hairstyle (金髪の潰れた髪型)」をしていた。発見者の Mr Nazariは、その命名に当たって迷わず Trump の名前を採用することに決定。これで、少なくとも「生物学 (biology)」にはその名が永遠に残ることになる。

 実は、Mr Nazari の思わくは別の所にあった。
 この新種の「Neopalpa donaldtrump」の出現を機に、Mr Trump が「脆弱な生態系 (fragile ecosystems)」に目を向けて、「環境保護の問題 (ecological issues)」をその政策の優先課題に取り上げてくれるようにと願うのだ。

 しかし、「trump」には次のような「collocations (連語)」があることを忘れてはいけない。
・come up trumps  : 気前がいいところを見せて人を驚かす
・trump up     : でっち上げる
・turn up trumps : 思い通りに事が運ぶ
・hold trumps        : 奥の手がある

さらに「trump」を吹くと言えば、
・blow own trumpet  : 自画自賛する

 いや、なに、これは全て語学上のはなしだ。              

                (写真は添付のBBC Newsから引用。)

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自走ロボットのナビ設計:精巧なアリの脳神経回路を写し取れ (BBC-Science & Environment, January 19, 2017)

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 地球上の、どの生物 organisms) の器官・働きにも、目を見はるものがある。魚やイルカなどは水の流体抵抗を極力減らすために体型や皮膚の構造を進化させた。そして一部の昆虫や鳥は効率よく空を飛べるように骨の組織や羽・翼を進化させ、トンボ、カラスなどの飛翔力はずば抜けている。
 科学が進歩したとは言え、生物から学ぶことは多く、「創造主の技」に近づくのは、まだまだ遙か先のことだ。

 今回、取り上げるのは「蟻 (ants)」。アリは、1億数千万年前に、地球上に現われたと言われ、仲間や餌をかぎ分ける臭覚センサーが極度に発達した、ハチの仲間だ。
 しかし、アリのすごさはそれだけには留まらない。その小さな頭に収められた脳は、ピンの先 (pinhead) の太さにも満たないほど、ちっぽけなもの。だが、そこには極めて精巧 (remarkably sophisticated) な神経回路 (neural circuits) が組み込まれていた。

 Edinburgh 大学と「Centre National de la Recherche Scientifique, CNRS (フランス国立科学研究センター)」の共同研究チームは、「砂漠アリ (desert ants)」がどのようにして進路を決めているのかについて詳しく調べた。

 そして得た結論。アリが寄り道しても、ぐるぐる回っても、進むべき方角を間違えない理由は、太陽の位置 (Sun's position) の確認と視覚情報 (visual information) を組み合わせた「navigation system (ナビゲーション・システム)」をとっていることにあった。
 ちなみに鏡を使って、太陽の位置を分からなくすると、アリは方角を見失い、行き先を間違えたという。

 科学者たちは、この研究成果を、自立型自走ロボットに内蔵するコンピュータのアルゴリズム設計に役立てたいと考える。アリの脳の神経回路をモデルにしたアルゴリズムが完成できれば、森のような複雑な自然環境の中でも、自由に動き回れるロボットが開発できるに違いないと、夢を語っている。

                 (写真は添付のBBC Newsから引用。)

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