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うつ病の予防には:地中海料理を食べること! (BBC-Health, September 26, 2018)

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 地震・地滑り、洪水、火山噴火などの「自然災害 (disasters)」の対策には、予知・予防が何よりも大切であることは、誰の目にも明らかだ。
 しかし、これが「病気 (diseases)」となると、不思議にも医療関係者の思考が常軌を逸する。ガン (cancers)、心臓疾患、うつ病などの「病」も、発生の予測・メカニズムの解明が不十分な災害現象と捉えて、その予防・啓発を、研究分野の第1に据えて取り組む医科系大学、研究機関の存在は、聞いたことがない。病に罹ることがなければ、人類はどれだけ幸せで、また、どの国の医療費もどんなに削減できることか。
 
 さて、これまでの研究で、「地中海料理 (Mediterranean diet)」が心臓疾患の予防に効果あることが分かっていた。これを食べると、2型糖尿病の進行や血圧・コレステロール値の上昇が抑制されるためだという。加えて、長寿、減量にもつながるとあっては、良いことづくめの伝統料理だった。

 その料理に、さらにもう一つ、健康上の利点 (benefits)が加わった。うつ病(depression)の予防効果だ。
 London大学「University College London」の Dr Camille Lasalleらの研究グループは、過去 8年間に発表された地中海料理に関する研究論文 41編を精査した結果、この料理を食べ続けると、うつ病の予防に効果があるとの結論に達した。(詳細な研究内容は医学雑誌「Molecular Psychiatry (分子精神医学)」に掲載)

 地中海料理とは、野菜たっぷりの料理で、素材にはフルーツ、豆類、ナッツ、穀類に、少量の鶏肉・豚肉と乳製品、それに良質のオリーブ・オイルを使った地中海沿岸諸国に伝わる伝統料理だ。 

 さて、「食 (food)」と「心の状態 (mood)」は、次のように、深く結びついているという。

・Being depressed can cause loss of appetite and someone who is feeling low might not look after themselves so well.
・Happy people may be more likely to lead healthier lifestlyes (not drinking too much alcohol - a known mood depressant)
・It might be that eating bad foods - lots of sugar and highly processed foods - increases the risk of depression, meaning eliminating these from your diet is important.

・うつになると食欲が落ちる。また気分が落ち込むと身の回りはどうでもよくなる。
・明るく楽しい人は、健康的な生活スタイルをとる傾向が強い。(一般によく知られた、一時的に気分を紛らわすだけの向精神薬アルコールの摂取量も少ない。)
・砂糖過多、加工食品(素材の加工処理のレベルが高い缶詰、冷凍ピザ、ハム・ソーセージなど)の食べ過ぎは、うつ病の発症リスクを高める。したがって、うつ病の予防には、体に良くないとされる、これらの食品を避けることが大切だ。

 ただし、Glasgow大学の Naveed Sattar教授が指摘するように、Dr Lasalleらの研究には、「tightly controlled trials (厳密に管理された臨床試験)のデータが欠けているため、地中海料理うつ病の予防に効果があるとする結果には「十分な注意 (a heavy dose of caution)」を払う必要があるとの声もある。

結論:うつ病は治療が難しい病気だ。食べるものに気を付けると、予防できるとしたら、これに勝 (まさ)る「治療法 (therapy)」はない。
                              (写真は添付のBBC Newsから引用)

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