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豪州の春の野にカエルは鳴かない:神の子「El Niño」が襲って大干ばつ (BBC-News, August 8, 2018)

https://ichef.bbci.co.uk/news/768/cpsprodpb/1825B/production/_102870989_640377b6-5ec1-4ed3-81c1-b2df249f2270.jpg

 子どもの頃、欧州の Austriaと南半球の Australiaを随分と間違えた。Austriaの語源はゲルマン語「Österreich」で「eastern kingdom (東の王国)」の意味だ。

 一方、Australiaは、オランダの探検家「Willen Janszoon (ウィレム・ジンス)」が1606年に発見し、一時、「Niew-Holland(新オランダ)」とオランダ語で呼ばれたが、18世紀になってイギリスが自国の領土に組み入れた曰 (いわ)く付きの国だ。その際に、イギリス人は、ラテン語の「Terra Australis(the southern landの意)」から「Australis (南の方)」だけを借用し、大陸の名「Niew-Holland」を「Astrralia」と改めたのだ。

 さらに、何を思ったのか、あるいは、かって Britain島の南部の豊かな土地に住んでいた住民を、西の辺境な山あいの地 Walesに追いやったことを思い出したのか、Australia大陸の肥沃な一帯を、その Walesの地名に因んで、「New South Wales (ニューサウスウェールズ州) NSW」と命名した。その後、多くの犯罪者、移民を Australia大陸に送り込む。

 さて、南半球の Australia。8月のこの季節は冬。9月になると春が訪れ、多くの生命が息を吹き返すはず(だった)。
 ところが、今年初めの秋は雨が極端に少なく、NSW州の一部の地区では、先月の 7月の降雨量は 10mm以下。そして8月も乾燥した天気が続くと予想されている。当局は、この州の23%を「intense drought (極度の干ばつ)」状態と認定した。
 もちろん、干ばつ被害は、隣の州の Queensland, Parts of Victoria, South Australiaにも広がって、至る所の川が干上がり、乾いた大地からは砂埃(ぼこり)が舞い上がる。

 なお、とくに干ばつの被害の大きい NSW州は、豪州農産物の約1/4を生産する農業地帯だ。政府は農家に対して「emergency relief fund (緊急の救済金)」を支給することに決めた。
 しかし、広大な農地を抱え、大規模経営を拡大してきた農家は、水不足、家畜の餌の確保に苦慮し、「農村地域 (rural region)」の自死率 (suicide rates)は、「都市部 (urban area)」に比べて40%も高いという。

 その昔、Australia大陸の草原にはカンガルーが群れ走り、どこまでも続く森には沢山のコアラが生息し、自然が溢れていた。その大陸で平和に暮らしていた先住民から土地を奪い、その文化までをことごとく破壊し、侵略した強面 (こわもて) のイギリス人の末裔も、「El Niño (エル・ニーニョ)」には勝てなかった。かって、情け容赦なく先住民の集落に襲いかかった人間のように、「El Niño (エル・ニーニョ)」は、そこに住む人々に容赦なく襲いかかり、苛酷にも土地という土地、川という川を干乾しにするという。

  だれも、この仕打ちに勝てないはずだ。「El Niño (エル・ニーニョ) とは、スペイン語で「神の子 (キリスト)」のことだから。
                   (写真は添付のBBC Newsから引用)

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