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神に捧げたケルトの宝:シュロップシャーで続々発見!  (BBC-News, February 26, 2020)

The Bronze and Iron Age items

 歴史を知らなければ、未来が見通せない。

 武器の優劣は、戦いの勝敗、そして民族の興亡を決定的に左右する。「中学の歴史」で学んで誰でも知っているように、織田信長軍の「鉄砲」は、その後の戦法を根本的に変えたものとして、殊(こと)に有名。また中国の秦の時代 (BC259 - BC210)、始皇帝は、鉄製の槍・刀を兵士に持たせ、青銅製の武器で抗(あらが)う敵の首をはね続けた。青銅の刃(やいば)は、鉄の刃に、到底かなうものではなかった。

 その鉄がCelts (ケルト人)によって、Britain島に持ち込まれたのはBC600年頃とされて来た。しかし、この数年、Walesに接するEngland東部の「Shropshire (シュロップシャー州)」で、黄金のネックレスや武器などの埋蔵品 (hoards)の発掘・発見が相次ぎ、歴史の見直しが迫られている。

 この度、公開された埋蔵品は、2017年、2018年に、Shoripshireの5ヶ処で発見された「treasures」の一級品。いずれも「a square mile (1マイル四方)」の範囲内で見つかった。近年の気候変動が幸いし、地表の侵食が進んで、地下に埋められていたものが地表に姿を露わしたのだ。

 埋蔵品の中には、青銅器時代鉄器時代それぞれの斧・槍の穂先、それにタガネや鑿(ノミ)などの道具類も混じっていた。

 青銅器時代研究の専門家 Mr Peter Reavillによると、これらの埋蔵品は、湿地帯の片隅に丁寧に埋められていたことから、おそらく、天気の神々への「捧げもの (offerings)」だった可能性がある。その一部の制作年代は BC750 - BC650と判定された。

 つまり、これまで考えられていた時代よりも、もっと以前に、Celts (ケルト人)は大陸から Britain島に渡ったことになる。

Two late Bronze Age gold lock rings within a lead ingot which has been reused as a sinker

 さらに、驚くのは、鉛のインゴットに包まれて「gold lock rings (黄金のロック・リング)」が発見されたこと。その黄金の装身具は、ネックレスの一部として、あるいは髪に付けて使用したと思われると言う。

 この時代、Celts (ケルト人)は、鉛に黄金、鉄さえ自由自在に鋳造、加工し、これを身につけたり、武器として利用していたのだ。

 BC800年頃までストーンサークルなどを建造し、「石の文化」を守って来た Britain島の先住民にとって、大陸から押し寄せたケルト人に、青銅あるいは鉄の剣や槍を振り回わされては、ひとたまりもなかったことだろう。ケルト人の England支配は、古代ローマ軍が、この地に侵攻した AD43年まで続くことになる。

     (写真は添付のBBC Newsから引用)

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