医学雑誌「Pediatrics (小児科学)」に発表されたニュージーランド Otago 大学とカナダ McMaster 大学の研究結果はユニークだ。研究者は 1 つの「衛生仮説 (hygiene hypothesis)」を引き出した。
"Exposure to some germs strengthens the body's immune system."
[ 人の体は、ある程度、ばい菌に曝(さら)されると、その免疫システムが強化される。]
ニュージーランドの住民 1,000人を対象に実施した研究調査の結果、5 - 9 歳の子どもで、習慣的に「親指しゃぶり (thumb-suckers)」か「爪かじり (nail-biters)」をする子どもの割合は、約 1/3 だった。
さらに、そのお行儀の悪い子ども達を、その後も追跡調査したところ、13 歳になった時点で「asthma (気管支ぜんそく)」や「hay-fever (花粉症)」が認められず、「house dust mite (イエダニ)」、「pet cat or dog (ネコ・イヌのペット)」に対するアレルギー症状を示す割合も、指しゃぶりなどをしない子どもに比べて、約 33%も少なかったというのだ。
Malcolm Sears教授によると、
"While we don't recommend that these habits should be encouraged, there does appear to be a positive side to these habits."
[ 指しゃぶりなどの習慣は、とても薦められたものではないが、アレルギーに対するプラスの効果をもたらしていそうだ。]
子どものアレルギーは、ペットや年上の兄弟 (older sibling)、農場などの「environmental influences (生活環境の影響)」と、腸内の微生物生態系である「gut microbiota (腸内細菌叢 (そう)」によって左右される。一旦、アレルギーに対する抵抗力が付くと、その後、大人になってもアレルギー症状を示さなくなるという。
(写真は添付のBBC Newsから引用。)