魔法のキノコ(マジック・マッシュルーム)に:癒やしの不思議な力 (BBC-Health, May 17, 2016)
花の名前が「悪魔のトランペット (devil's trumpet)」とは不吉。この花は「Datura metel (チョウセンアサガオ)」とも呼ばれ、幻覚作用があることで知られる。「幻覚成分 (hallucinogenic chemicals)」は、毒キノコの「magic mushrooms (魔法のキノコ)」でも発見され、「psilocybin (サイロシビン)」と名付けられた。日本では麻薬原料植物に指定されている。
ところが、この「psilocybin」を「うつ病 (depression)」の治療薬として使ったLondon大学 (Imperial College London)」の臨床試験結果が、医学雑誌「Lancet Psychiatry」に発表され、話題を呼んでいる。
"Most patients had a rapid dip in their depressive symptoms, with predictable side-effects including anxiety, nausea and headaches."
[ うつ病患者は、突然、気分がうつ状態に落ち込み、これに伴って不安、吐き気、頭痛に襲われる。]
その、うつ病の症状が、中程度から、かなり悪化したレベルの患者 12名に「魔法のキノコ」成分を与えたところ、被験者に「psychedelic experience (幻覚体験)」が現われ、その効果は強烈で、「mystical and spiritual (神秘的で超自然的な体験)」であったという。
この摩訶不思議な体験後、被験者 12名中の 8名 (67%) に、うつ病の症状が全く見えなくなった。まさに、うつ病で苦しむ人にとっては、待ちに待った「promising (有望な)」治療薬。
David Nutt 教授によると、うつ病患者の場合、
"Thoughts could become locked in an overly self-critical and negative mode in depression, and it was thought the drug acted as a 'lubricant for the mind' that 'liberates' the patient."
" He said psilocybin targeted the receptors in the brain that normally responded to the hormone serotonin, which was involved in mood."
[ 気持ちが過度に自己批判的になり、鬱 (うつ) 特有の消極的モードに陥りがちになる。しかし、サイロシビンが心の潤滑剤として働き、うつ状態から患者を解放してくれていると考えられる。」
[ さらに、教授が続けて言うことには、この成分が脳内のセロトニン受容体に作用し、心の安定に関与したホルモン「セロトニン」の分泌を促す、と。]
"However, the study is anything but clear-out."
[ ただし、研究は、全てが解明されたとは、ほど遠いレベル]