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世界最大のサファイア(時価¥208億):その生成のなぞ (BBC-Earth, January 5, 2016)

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 スリランカは、インド洋を飾るように浮かぶ、しずく型ペンダントのような国だ。その中央高地の南西部に位置する「Ratnapura mines (ラトナプラ鉱山)」で、世界最大のサファイアが産出された。宝石として仕上げられた段階で、重さは 1404.49 carats (約280g)。しかも、6条の光を放つ「star sapphire (スターサファイア)」だ。時価¥208 億($175m) は下らないと見られている。

 「サファイア (sapphire)」とは、元来、「Lapis Lazuli (青金石)」を意味したが、歴史の中で、「corundum (コランダム)」すなわち「酸化アルミニウム (aluminum oxide)Al2O3」に微量の酸化チタンが含まれる宝石を指すようになった。

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 サファイアが産出されるスリランカの鉱山一帯の地層は、ほとんどが花崗岩(granites)だ。その花崗岩は、今から約 20 億年前に、溶融したマグマが冷えて固まった岩石。その後の約 5 億年前に、「変性作用 (metamorphism)」を伴う「造山運動 (mountain-building episode)」が起こった。このとき地下深部では、温度900℃以上、圧力 9,000 気圧以上の高温高圧状態が作り出され、巨大なサファイアは、その状況下で、何百万年もの年月を掛けて、ゆっくりゆっくりと、結晶 (crystal) を成長させていったと考えられるという。

 時代が過ぎ去り、さらに地殻変動を受けた深部の地層が地表に隆起すると、今度は、「浸食 (erosion)」、「風化 (weathering)」を受けて、岩石は砕け、硬度の高いサファイアは川に流れて、「漂砂鉱床 (gem sands deposit)」が形成された。

 以上が、スリランカでたくさんのサファイアが発見される理由だ。したがって、人工的にもサファイアを作ることが可能であり、

"If you add just a trace of iron and titanium to the mixture of aluminum and oxygen from which the corundum is growing, it form as sapphire."

[ アルミニウムと酸素の混合体に微量の鉄とチタンを加えて、(しかるべき高温高圧の条件を整えると、)コランダムの結晶は成長し、サファイアが生成される。]

                  (写真は添付のBBC Newsから引用)

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