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自殺の予兆:リスクの高い「行動パターン」が明らかに (BBC-Health, August 30, 2015)

http://ichef.bbci.co.uk/news/768/cpsprodpb/11EBF/production/_85270437_85270432.jpg

 「晴天の霹靂(へきれき)」という言葉がある。「霹靂」とは雷のこと。何か思いがけないことが突然起こることを、このように言う。これを英語では「out of the blue」あるいは「out of a clear blue sky」と表現する。
 人は、何の前触れもなく、突然「自らの生命を天に返す(take their own lives)」行為に走る。「自尽(じじん)(suicide)」は「病気(disease)」。病気とすれば、何かしら「症状(symptoms)」が現われるはずだ。

 この研究に「欧州神経精神薬理学会(The European College of Neuropsychopharmacology, ECNP)」が取り組み、「病気」の前兆として患者が繰り返す「症状パターン」を発見した。

・車の運転か荒くなったり(reckless driving)、無分別な行為(promiscuous behaviour)に走るなど、危険な行動(risky behaviour)が多くなる。

・部屋の中を歩き回ったり、イライラして手をくねらせるなど、「精神運動性激越(psychomotar agitation)」の症状が現われる。

・先のことを考えないで「衝動的に行動(impulsivity)」したり、自分の行動に対する「はね返り(reflection)」や行動結果に対する「配慮(consideration)」に注意が及ばなくなる。

 さて、ECNPによると、「うつ病(depression)」に苦しむ人は、イギリスで2,811人。その約22%に当たる628人が、「自尽(suicide)」を試みたことがあるという。うつ病患者が上記の症状を示した場合、自尽のリスクは、少なくとも50%も高まることがわかったという。

 うつ病を発症すると、頭の中が「うつの錯綜状態(depressive mixed sate)」に陥り、その行動に、尋常ではない「興奮(excitation)」や「熱狂(mania)」を伴うようになる。
 したがって、家族や周りの人は、その症状に気を付けて、「自尽(じじん)の予兆サイン(indicators)」を見逃さないようにすることが大切だ。
 
 それでも、研究者にとって「自尽(suicide)」は、わからないことが多すぎる。
 この病気の症状、前兆を全く示さない人も、なぜ、「突然(out of the blue)」に、他界の道を選ぶのか。これについては、未だ不明とされる。

 毎年、この病気で亡くなる人は、イギリス人約6,000人、日本人約25,000人で、世界全体では80万人に達する。

 大事な人命を救うためには、一刻の猶予もならない。今、世界中で、この病気の「発症メカニズム」の解明とその「効果的な治療法」の開発が求められている。

                               (写真は添付のBBC Newsから引用)
 

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