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有益な腸内細菌の消失:現代人のライフスタイルがその健康を破壊してしまったか?(BBC-Health, May 3, 2015)

 

 

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  人類は文明を興し、科学や医療技術を格段に進歩させた。そのお陰で、生活は快適で豊かになり、寿命は延びた。しかし、失ったものもある。

  その一つはある種の腸内細菌。腸内には数多くの細菌が互いに微妙なバランスをとって活動している。その細菌の多くは無害。

    Washington大学Dr Gautam Dantasの研究チームが「Microbial Ecology」(微生物生態学)に発表した仮説。「現代人は、過剰な抗生物質の投与と加工食品の摂取、それに石けんの使い過ぎによって、腸内細菌の多様性を失い、このことがぜんそく、炎症性大腸炎、糖尿病などの現代病を増加させている」。

  この仮説を検証するため、研究チームはベネズエラのジャングルに居住するヤノマミ族の腸内細菌を調べた。この民族は、地球最後の氷河期終了後すなわち約1万年前から、現代社会とは無縁の孤立状態にあったとされる。調査の結果、彼らの腸内細菌は、現代人に比べて驚くほど種の多様性に富むこと、また抗生物質抵抗性遺伝子をもっていることがわかった。腸内細菌種の多様性は、消化機能や免疫機能に重要な働きをしていると考えられているのだ。

 さらに、抗生物質が効かなくなる原因は、本来人間の保有する「抗生物質に対する耐性・抵抗性」が、抗生物質の投与によって増幅されるため、と説明できる。

  要は、抗生物質はほどほどに、潔癖症には注意ということか。

 

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