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コカインが検出された!:誰からでもない、「川エビ」からだって? (BBC-News May 1, 2019)

 

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 芸能人の尿検査で「cocaine (コカイン)」が検出されたら、大事件だ。ところが、幸か不幸か、検査対象となったのは、Suffolk (サフォーク州)の河川に生息する「freshwater shrimps (淡水エビ)」だった。

 Britain南東部に位置するSuffolkは、5世紀になって古代ローマ人が兵を引き上げると、ドイツ北部のアンゲルン半島 (Anglia)に住んでいた「アンゲル人」が、この地に攻め入って征服した地域だ。海岸一帯は風光明媚な場所として知られている。しかし、近年、海岸浸食に曝されている場所でもある。古くから農業の地であった。
 一口で言えば、そこは Londonから東に遠く離れた田舎 (rural catchments)だ。Suffolk (サフォーク州)全体の人口も、徳島県と当程度の76万人弱。

 Suffolkとは、そんなふうに、大都会の喧騒、犯罪、暴力沙汰からは縁もないはずの地。海に注ぐ数々の河川も、さぞかし清浄なことと、誰しも思いがちだ。
 しかし、現実は違っていた。

 London大学「King's College London」のDr Leon Barronらの研究グループが、Suffolkを流れる河川Alde, Box, Deben, Gipping, Waveney流域15ヶ所で「aquatic creatures (水生生物)」を採取して調査したところ、淡水エビの1種「Gammarus pulex」から、次のような化学物質が検出された。

・illicit drugs:違法ドラッグ (コカイン、ケタミンなど)
・banned pesticides:禁止農薬
・pharmaceuticals:医薬品 (抗生物質(?)など)

 川エビが好きこのんで、自らコカイン中毒になり、抗生物質漬けになっているとは信じがたい。幸い、現在のところ、川エビに含まれる、それらの環境汚染物質は低濃度。とは言え、人間がつくり出した劇物・薬物が、田舎地帯の河川に至るほど、広範囲にわたって汚染していることは、確実だ。
 何よりも驚くべきことは、川エビの体がコカイン、抗生物質、農薬にまみれるほど、大量の違法ドラッグ、使用禁止になったはずの農薬、抗生物質などの医薬品までが、河川に流出している事実。

 いったい、誰が、どこで、なぜ、河川に放棄しのか、あるいは自然流出したのか。早急に汚染源を突き止め、これ以上、環境汚染が進まないようにする必要がある。
 それにしても、どうして、London大学がテムズ川で同様の調査をしなかったのだろう。
                 (写真は添付のBBC Newsから引用)

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紅茶・コーヒーに砂糖を入れる?:「こだわり」は変えられるか! (BBC-Health April 29, 2019)

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 夏目漱石は、「草枕」の中で「意地を通せば窮屈だ」と言った。しかし、何事に対しても理屈詰めに考えたり、合理性に凝り固まっては、窮屈この上ない。ときには、野原に寝そべって空を見上げてみるのもいい。ムダな時間を過ごすのも結構楽しいし、気持ちの安らぎとなる。

 ところが、朝、覚めてタバコを1本、あるいは、夕食前の晩酌が「いつもの癖 (ritual)」になっている人は考えものだ。長い年月の間に身についた、そんな習慣は、何の足しにもならないばかりか、体を壊すもと。
 タバコやお酒の「癖 (くせ)」ほど、体に悪くはないものの、何にでも砂糖を入れないと気が済まない人も要注意。とくに、紅茶・コーヒーにも砂糖をたっぷり入れて召し上がる人のことだ。

 個人の嗜好は、他人がとやかく口出すべきことではない。しかし、病気の予防の観点から言えば、リスク要因はできるだけ遠ざけた方が良い。嗜好結果の責任は個人がとれるはずはなく、病気の治療コストのほとんどは、国民が平等に負担しているからだ。

 そうは言っても、ずうっと紅茶・コーヒーには砂糖を入れて至福の1杯を楽しんできた人が、いきなり砂糖は体に悪いと言われて、これを止 (や)めることができるだろうか。

 University College Londonの Dr Andrea Smithらの研究グループは、男性64人 (平均年齢23歳)の被験者の協力を得て、砂糖との縁を切る方法について調べた。なお、実験では、被験者をランダムに以下の 3グループに分けた。

・A group: In one go  (一気に砂糖をあきらめる)
・B group: Gradually  (25%減/週のペースで徐々に止める)
・Control group: (対照グループ:これまでどおりに砂糖を入れる)

 さて、1ヶ月後に、砂糖なしで紅茶・コーヒーを飲んでも何の抵抗もなかった人の割合は、以下のとおり。

・A group: 36%
・B group: 42%
・C group: 6%

 この結果から、何とはなしに(あるいは習慣として)、紅茶・コーヒーに砂糖を入れて来た人が、ティータイムに砂糖との縁を切って、紅茶・コーヒー本来の味を楽しむ方法として、「gradually (徐々に)」に砂糖の量を減らす方法が、成功率も高く、お勧めということになる。
 研究者らは、この実験結果が市販の「squash (スカッシュ)」に含まれる糖分を減らすことにつながって欲しいと願っている。

謝辞:この一文をまとめるに当たって、以下の優れた「UCL News」も参照した。記して謝意を表したい。

・UCL News: April 29, 2019
[ Sugar not necessary for a good cup of tea ]

                 (写真は添付のBBC Newsから引用)

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痛い膝(ヒザ)が治らない!:ヒザ関節がゴリラ型に先祖返りか? (BBC-Health April 18, 2019)

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 江戸時代に比べて、日本人は、ずいぶんと背が高くなった。それはUK、ヨーロッパ諸国の人とて同じだ。人間の、走る、飛ぶ、投げる、泳ぐなどの運動能力も飛躍的に伸びて、オリンピックでは、毎回、記録が更新される。
 人類すなわちヒト属 (Homo)は大型になり、その体力は、確実に進化しているように見える。しかし、本当はどうなのだろう。病気に対する抵抗力が下がっているのではないか、あるいは、怪我をしやすい体に変化しているのではないか、との疑問はぬぐいきれない。

 近頃、どこの総合病院でも整形外科は大入り満員。その待合室では、座る椅子を見つけることさえ、大変だ。とくに、ヒザの痛みで苦しむ人が増えているという。なかなか、ヒザの痛みが治らない、あるいは、当の医者も原因がよく分からずに治療を繰り返すことも少なくないとか。そんなときは、ヒザ関節の裏に隠れた、ごく小さな骨を疑った方が良いかも知れない。これまで、ほとんど指摘されてこなかったことだ。

 ヒト科ヒト属 (Homo)の先祖が、ゴリラ、チンパンジー、オランウータンなどの「great apes (大型類人猿)」から分岐したのは、今から500 - 700万年前のこと。その後、ヒト属の歩き方がまったく変わり、ヒザ関節の仕組みにも変化が起きた。ヒザ関節にあった「fabella (種子骨)」が消えたのだ。

 「fabella」とは、ラテン語で「小さな豆粒 (little bean)」を意味し、ヒザ関節の裏側の腱の中に埋め込まれた小さな骨。太古の人類の祖先にあっては、膝頭の機能があり、骨と骨の摩擦を和らげたり、筋肉の力の向きを自由に変える働きがあったとも考えられる。しかし、当初から、何の役目も果たさなかったかも知れない。種子骨の機能については、よく分かっていないのだ。
 
 さて、「The Imperial College」の Dr Michael Berthaumeらの研究グループが、この150年間の27ヶ国における「fabella (種子骨)」に関する「医学的な資料 (medical literature)」を精査し、驚くべき事実を発見した。
 100年前の1918年当時、ヒザ間接に種子骨が見つかる人は、わずか11%に過ぎなかったのに、2018年になると、その数値は約 3倍の39%に急増する。種子骨については、まさに「先祖帰り (reversion)」が起きていたのだ。

 それも「osteoarthritis (骨関節感染症)」の患者に、普通の人の2倍の確率で「種子骨」が見つかるという。ただし、「fabella」が実際に感染症を引き起こしているのかは不明。いずれにせよ、現代人にとって、「fabella」は不用の存在。
 やたらと、ヒザの痛みをつくりだし、「ヒザ関節の代替手術 (knee replacement surgery)」の際には「医者泣かせ」となる。

 なぜ、人類が「先祖帰り」を起こして、「fabella (種子骨)」を復活させるようになったのか。
 この疑問に対する Dr Berthaumeの答えは意外なものだった。100年前に比べて人類の栄養状態が良くなったからだというのだ。
足の「頸骨 (shinbones)」が長くなり、「ふくらはぎの筋肉 (calf muscles)」も、たっぷり付いて、人の背が高くなって、体重も増えた。
 その結果、必然的に、ヒザ関節には大きな力が掛かるようになった。ヒザ関節の腱に埋め込まれた「fabella (種子骨)」は、ヒザに掛かる力が大きく、ヒザの運動が激しくなると、まるで「種子」のように生長することが知られている。

 こうして、体の大きくなった人間あるいはヒザを酷使する運動選手に「fabella (種子骨)」が発育し、ヒザを痛める原因となっている。

                 (写真は添付のBBC Newsから引用)

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ベーコン、ホットドッグに、ハンバーガ:どれもWHO発ガン性食品! (BBC-Health April 17, 2019)

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 北米で、朝食と言えば、シリアルに牛乳を掛けた一皿に、リンゴとコーヒー。一般家庭の朝は、できるだけ調理器を使わない、簡素な食事が定番だ。
 しかし、それだけでは、どうも、何か物足りない気がする。

 ホテルの朝食バイキングでは、つい、目玉焼きにベーコン・ソーセージ、ハムエッグにコーンスープ、そして各種のチーズ・ヨーグルトに果物と、沢山のお皿をテーブルに並べてしまう。もちろん、食事の最後は、ジュース・牛乳に続いて、コーヒーで締めくくる。これで大満足。
 なお、好物のチーズやサラミは、トロント、ロンドンでも十分楽しめたが、フランスでは、どこに行っても飛びっ切りの味で、パリのスーパーでも破格の値段で購入できた。

 ところで、ベーコン、ソーセージ、サラミには注意が必要だ。どれも、栄養があって、食べて美味しいことは美味しいが、いずれも「processed meat (加工肉)」。かねてより、WHO(国際保健機関)は「赤肉・加工肉」を発がん性のある食品に指定していた。

 なぜ、加工肉に発がん性があるのか。加工肉は、肉を長期保存できるように、燻製(smoking)や塩漬け (curing) にしたり、塩・保存料をたっぷり加えて加工処理したもの。処理工程で使用される「化学物質 (chemicals)」が発ガン性のリスクを高める。
 また、バーベキューなどのように、肉を高温で直焼き調理しても、「carcinogenic chemicals(発ガン性物質)」が生成される。

 さて、Oxford大学のTim Key教授らの研究グループは、「WHOの警告」の裏付けとなる新たな科学的証拠を、医学雑誌「Epidemiology (疫学)」に発表した。
 Key教授らは、「The UK Biobank」に登録され、調査許可が得られた約50万人分のカルテを6年間にわたって分析し、この間に「bowel cancer (大腸ガン)」を発症した2,609人の注目して、赤肉・加工肉の摂取量と大腸ガンとの関連性を解析した。

 その結果、次のことが明らかになった。

・赤肉あるいは加工肉を毎日21g食べると、大腸ガンは、1万人当たり40人の確率で発症する。
・赤肉・加工肉の食べる量が1日当たり76gに増えると、大腸ガンの発症率も20%増加し、48人/1万人となる。
・毎日、ベーコン薄切り1枚 (約25g)を食べる人と、3枚食べる人の大腸ガンの発症リスクを比較すると、その発症率には1.2倍の差がある。 

 また、ベーコンにお酒が付くと、大腸ガンの発症リスクはグーンと上昇し、逆に、「食物繊維 (dietary fibre)」には、「colorectal cancer (結腸ガン)」の発症を抑制する効果があった。

 Cancer Research UKのMs Emma Shieldによると、大腸ガンと診断される患者はUKだけで年間41,804人。もし、加工肉 (ハム、ベーコン、ホットドックにハンバーグなど)を食べなかったとしたら、そのうちの5,400人が大腸ガンを発症しなかったと考えられるという。
 そして結論は、こうだ。

" The more meat you eat, the higher your risk of getting cancer and obviously the reverse is true - the less your eat the less likely you are to get bowel cancer."

[ (加工)肉を沢山食べるほど、(大腸)ガンの発症リスクがそれだけ上がる。明らかに、その逆も真なり。(加工)肉を食べる量を少なくすれば、その分だけ、大腸ガンのリスクは低下する。]

謝辞:この一文をまとめるに当たって、以下の優れた「The Guardian」の記事も参照した。記して謝意を表したい。

The Guardian: April 17, 2019
・Even moderate intake of red meat raises cancer risk, study finds

                 (写真は添付のBBC Newsから引用)

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「Gorillas (ゴリラ)」は Homo (ヒト属)よりも偉い:その理由! (BBC-News April 22, 2019)

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 この一枚の写真に、心が打たれた。威風堂々。Gorillas (ゴリラ)はすっくと立って、胸を張り、ジッと自撮りカメラを見つめる。親を密猟者に殺された子どものゴリラの姿だ。

 2007年、親を銃弾に奪われた、当時4ヶ月と2歳の Gorillaは、救ってくれたレンジャーの Mr Mburanumweを父親として慕い、今は Senkwekwe保護区の「orphanage (動物孤児施設」で、その父親のすることは何でも真似し、2本足で立って後をついて回るという。

 さて、カント (Immanuel Kant [1724-1804])は、『いかなるときも、嘘をつくのは許し難い』と言った。「Lying (嘘をつくこと)」は「human dignity (人間の尊厳)」を損ねるからだと。
 「human (人間)」とは「ヒト属 (Homo)」のことだ。その「human」は動物を獣 (けだもの)と蔑 (さげす) むが、その根拠は、一体、何だろう。
 
 ところで、英語の Gorilla (ゴリラ)は、ギリシャ語の「gorillai」に由来し、その意味は「hairy human (毛むくじゃらの人間)」だ。古代ギリシャ人は、Gorillas (ゴリラ)を森の人間と認め、その「dignity (尊厳)」に溢れる振る舞いに、一目置いていたことが分かる。

しかし、DR Congo (コンゴ共和国)の「Virunga National Park (ヴィルンガ国立公園)」では、武装した反政府グループがベース・キャンプまで公園内に設けて、Gorillas (ゴリラ)をはじめ、多くの動物を密猟している。動物を保護する役目のレンジャーまで、待ち伏せ攻撃 (ambush)に会って殺される。1996年以降の、この22年間で、レンジャーの犠牲者は、Virungaだけで130人以上に上る。

 ヒト属 (Homo)は、進化の過程で、Gorillas (ゴリラ)と袂を分かち合った。それ以来、ヒト属の心 (mind)が、確実に退化 (devolution)した。落ちるところまで落ちたと言っても言い過ぎではないだろう。爆弾や銃で他人の命を奪って、恥じない生物など、「human」以外、地球上には存在しない。
 
むすび:Gorillas (ゴリラ)には「毛の薄い人間」の真似など、して欲しくない。嘘をつき、その上、人間を、そして動物を平気で殺す「品格と尊厳に掛けた生物」の真似など、見苦しくて、切ない。
                 (写真は添付のBBC Newsから引用)

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「まぶた」にもUVカットクリームを!:皮膚ガンは油断大敵 (BBC-Health, April 4, 2019)

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 「まぶた(eyelids)」の皮膚は、薄くて、その上、敏感。
 睡眠不足や疲れは、直ぐに、まぶたに現われる。また、漆(ウルシ)の葉っぱに触れようものなら、あるいは、漆に触った手でまぶたを擦(こす)るなら、目の周りは大きく腫れ上がる。
 でも、そうかと言って、外出前、まぶたに保湿クリームやオリーブオイルをたっぷり塗るのは、とても難しい。極めて慎重に塗らないと、まつげ、目の縁に付着して、その後は大変なトラブルになる。

 だから、大抵の人は保湿クリームや日焼け止めクリームを顔に塗るとき、まぶたとその周りは、塗り残しがちだ。Aintree大学病院トラストの Mr Austin McCormickらの研究グループが、被験者 84人 (女性62、男性22)に対して実施した実験でも、このことが証明された。

 被験者に保湿クリーム、日焼け止めクリームを顔に塗ってもらい、どの程度、塗り残しがあるか「UV sensitive camera (紫外線高感度カメラ)」で調べたところ、次のような結果が得られたという。

1) 保湿クリームの塗り残し
・顔全体: 17%
・まぶた: 21%

2) 日焼け止めクリームの塗り残し
・顔全体: 11%
・まぶた: 14%
 
 「まぶた」はUVにも弱く、最も多い皮膚ガンの「basal cell carcinomas (規定細胞ガン)」の約10%が、まぶたに発症している。
 4月から9月にかけて、とくに夏に、30分以上日差しを浴びるときは、日焼け止めクリームがお勧め。「まぶた」から鼻にかけての凹み、耳、耳の裏側も塗り忘れが多いところとか。
 ただし、昼休み時間にちょっとランチに出かけたり、あるいは室内や木陰で過ごす際には必要なし。
  
 なお、「保湿クリーム (moisturisers)」は、あくまで保湿クリーム。製品にSPF30-50と明記されていても、過信は禁物。日焼け止めクリームのように、「日焼け止め」にはならない。保湿クリームに効果を期待するなら、1日何度も、また厚く塗る必要がある。
 さらに、クリームだけに頼らず、大きめの帽子、サングラスを併用すると、皮膚の老化、UVのトラブル防止に役立つ。

 上述した一連の Mr McCormickら研究結果は、4月3日発行の「PLOS One」の発表された。

謝辞:この一文をまとめるに当たって、以下の優れた「The Guardian」の記事も参照した。記して謝意を表したい。

・The Guardian: April 3, 2019
「Can you Get Skin Cancer on Your Eyelids? Yes! Do Not Forget the Sunscreen」

                 (写真は添付のBBC Newsから引用

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6,000年前「ストーン・ヘンジ」を造ったトルコ系移民:その興亡新説! (BBC-Science and Environment, April 16, 2019)

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 「日出ずる国」とは、日本だけとは限らない。古代ギリシャ人は、東方の小アジア一帯をギリシャ語で「Anatole (日出ずる国)」と呼んだ。現在のトルコに当たる地域「Anatolia (アナトリア)」のことだ。

 そのアナトリアで、新石器時代の、今から約8,000年前 (6,000BC)、民族の大移動が始まった。やがて、旅の途中で、アナトリア人は二手 (ふたて)に分かれる。一方は、ドナウ川  (Donube)を遡り、他のグループは「Mediterranean (地中海)」ルートをとって西へと向かった。大陸の海岸沿いに歩いたり、ボートに乗って島から島へと渡り歩き、西の果て「Iberia (イベリア半島)」にたどり着く。
 そこから、今度は、フランスの北部を通過し、Walesの西海岸あるいは England南西部の海岸から Britain (ブリテン島)に上陸する。およそ4,000BCのことだった。

 その頃、Britainには「hunter-gathers (狩猟採集民族)」が幾つもの小グループに分かれて勝手気ままに暮らしていた。しかし、農耕の民「アナトリア人」に手もなく征服されてしまう。ごく少数の先住民が、命からがら Scotland西部に逃げ伸びたという。

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 新石器時代の Britainの先住民は、浅黒い肌で、目の色はブルーかグリーンだった。ところが、あっという間に、その先住民は絶滅に追いやられ、Britainでは「paler-skinned (色白の肌)」をして、目は茶色か黒で、髪の毛が「dark-brown (焦げ茶色)」の民族が、全土を支配する。

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 そして、移民のトルコ系アナトリア人は、穀物を栽培し、巨石文化を創り上げた。
Wiltshire (ウィットシャー州)の「Stonehenge (ストーン・ヘンジ)」は、その頃、アナトリア人が造った遺跡だ。

 アナトリア人の Britain征服は約1,500年間続いた。
 しかし、新石器時代が終わりに近づいた約2,450BCの頃、「ヨーロッパ本土 (mainland Europe)」から Britainに押し寄せた「Bell Beaker people (ビーカー人)」によって、アナトリア人はことごとく駆逐されてしまう。

 なお、「Neolithic (新石器時代)」の 6,000BCから2450BCに至るBritainの歴史は、「University College London」のMark Thomas教授、「The Natural History Museum in London (ロンドン自然史博物館)」の Dr Tom Boothらの研究グループが、UK全土ならびにヨーロッパ各地で発掘された「human remains (人骨)」の DNAを詳細に解析し、相互に比較して明らかにされたものだという。
 研究の詳細は科学雑誌「Nature Ecology & Evolution」に発表された。
                 (写真は添付のBBC Newsから引用)

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