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クレオパトラの愛した「Red Gold (紅いゴールド)」:サフラン (BBC-Business, September 13, 2017)

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 「Alexander the Great (アレキサンダー大王 [BC356-BC323]」は、戦いで傷ついた体をサフラン・バスに入って癒した。また、絶世の美女と謳われた「Cleopatra (クレオパトラ [BC69-BC30])」もバス・タブにサフランを入れて入浴し、その美しさに磨きを掛けた。

 サフラン (saffron) は βカロテンなどの抗酸化物質 (antioxidants) を含み、紀元前数百年前から医療・美容に使用される一方で、Spanish paella (スペイン料理パエリア)、Persian rice dishes (ペルシシャライス料理)、Indian curries (インドカレー) には欠かせないスパイス (spice) とされてきた。

 サフランには 14世紀、「bubonic plague (腺ペスト)」の治療に利用された歴史がある。なお、伝統的な医療 (traditional medicine) で、サフランは、次の症状にも有効とされる。
・menstrual problems (生理不順)
・depression (うつ病)
・asthma (喘息)
・sexual dysfunction (性機能障害)

さらに、現在、memory loss (記憶喪失)、cancer (ガン) の治療薬として臨床試験が実施されているが、これまでのところ、確かな結論は得られていない。

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 さて、このサフランは 10~11月頃に花を咲かせるため、これを摘み取った後、3本に分かれた雌しべの深紅色の「stigmas (柱頭)」部分を乾燥させて、出荷する。花から細い柱頭部だけを選り分ける作業は根気のいる手作業だ。どうしても、その価格は「red gold (紅いゴールド)」と呼ばれるほど高値にならざるを得ないという。

 ただし、近年は、「まがい物 (counterfeit)」が出回るようになったそうだ。
horse hairs (馬の毛)、corn silks (トーモロコシの毛)、shredded paper (シュレッダーに掛けた紙くず)を混ぜたものや、キク科 (thistle family) のベニバナ (safflower)が「bargain saffron (特価サフラン)」として販売されているので要注意。

 本物のサフラン (legitimate saffron) でも、その品質は栽培方法や製造工程によって左右され、等級 grade I とgrade III の差は大きい。最高級品は £14/g(¥2,100/g )。

 なお、サフランの品質を見極めるコツは次のとおり。
・Check it has strands which are frayed at one end.
・Look for a deep hue that colours water orangey yellow when submerged.
・Smell it and put it on our tongue - fake saffron has very little aroma or flavour.
・Real saffron will smell slightly fruity and floral.
・It should taste sweet and bitter at the same time.

サフランの一端がほつれていることをチェック。
・深紅色の濃いサフランで、水に浸けたとき、水全体をオレンジ色に染め上げるもの。
・香りを嗅ぎ、舌の上にのせてチェック。まがい物は、ほとんど香りがしない。
・本物のサフランはフルーティな花の香りがする。
・舌で、甘さと渋みが一緒に感じられるサフランを。

 一般にイギリスで価格が £5/g(¥800/g)以上のものであれば、まずは本物。世界中に出回っているサフランのおよそ 90%をイラン産が占める。他に、スペイン、イタリア、ギリシャ、インド、モロッコに加えて、ニュージーランド、ドイツ、アフガニスタンなどでも生産されている。
                  (写真は添付のBBC Newsから引用。)

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イギリスで女性が最も住みやすい地区:最も住みにくい地区 (BBC-News, September 12, 2017)

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 イギリス全土には 380の自治体 (local authorities) がある。「BBC Radio 4's Woman's Hour」は面白い調査 (an intriguing research) を企画した。「イギリスで女性が暮らすのに最適な地 (the best place) はどこだろうか」。

 調査データは、「The Office for National Statistics (英国統計局)」が実施した「2016 Annual Population Survey (年次人口動態調査)」、「2011 Census (国勢調査)」を含む各種資料。データの解析は「National Centre for Research (英国調査センター)」が担当した。

 「女性の住みやすさ」に関して注目される点は、次のとおり。(一例)

・gender pay gap              :男女間の賃金格差
・education              :教育環境
・happiness                     :幸福感
access to green spaces:公園 (緑化スペース) へのアクセス
・life satisfaction       :生活の満足度
・housing affordability    :手頃な住宅価格
・feelings that their life is worthwhile:人生の有意義感

 その結果、ランキング 1、2位の地区は、いずれも Scotland 北西に位置する「East Dunbartonshire (イースト・ダンバートンシャー)」、「East Renfrewshire (イースト・レンフルーシャー)」であった。

 なお、「East Dunbartonshire」地区は、以下の項目

・raising a family :子育て
・safe streets  :街の治安
・strong schools  :有名校 
・thriving towns   :タウンの繁栄

等を挙げて、2007年に Reader's Digest 社が行なった世論調査 (poll) でも 1位を獲得している。

 逆に最悪 (worst) と判定された地区は、北ロンドン特別区の「Islington (イズリングトン区)」。この地区では、普通の住宅 (median houses) でも平均収入 (median income) の16倍の価格。その上、男女間の賃金格差の評価では 105位/380中。幸福感:371位、生活の満足度:372位、人生の有意義感:379位と軒並み、その評価は低かった。

 なお、Islingtonの次に、女性が住む上で推奨を憚(はばか)られる地区は

・Blackpool
・Corby
・Boston

の順であった。

                  (写真は添付のBBC Newsから引用。)

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ちょっとだけなら、いい?:胎児がお酒攻めに遭うと、どうなるか! (BBC-Health, September 12, 2017)

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[ 女性が妊娠中に、酔うほどお酒を飲んだり、「へべれけ」になるまで深酒すると、流産、早産のリスクが高くなる。生まれてくる赤ちゃんにも精神機能障害 (知的障害、てんかん学習障害など) や身体機能障害 (発育不全など) を招く恐れがある。いわゆる胎児性アルコール症候群と呼ばれる新生児の障害が発生するのだ。]

"Getting drunk or binge drinking during pregnancy increases the risk of miscarriage and premature birth and can lead to mental and physical problems in the baby, called foetal alcohol syndrome."

 では、少しだけのお酒なら、大丈夫なのか。残念ながら、それはよくわかっていない。

 そこで、Bristol 大学の Dr Luisa Zuccolo らの研究チームは、この問題に関して1950年代以降に医学界で発表された研究論文 26編を精査したが、「週に小さなワイングラス 1、2 杯程度のワインを飲んで、アルコールが害になる (harmful)」とする「overwhelming proof (非の打ち所のない確証)」は得られなかった。
 ただし、この結論によって、「確実に安全 (completely safe)」とも断定できないという。

 Dr Zuccoloらは「just in case (万が一に備え)」て、妊娠中の飲酒は避けた方が良いとアドバイスする。
 なお、精査した 26編の論文中、7編で、「少量の飲酒でも胎児に影響する」ことが報告されていた。それによると、妊娠中に「少量のお酒 (light drinking)」を飲んだ女性から、体が小さく、低体重で生まれてくる赤ちゃんのリスクは、全くお酒を飲まない人に比べて、平均 8%高い。
 また、少量のお酒でも、早産のリスクを高める傾向もあった。

 「The Royal College of Paediatrics and Child Health」の Russell Viner 教授も次のように述べる。

"My advice to women is that it's bet not to drink at all if you're trying for a baby or are pregnant."
[ 赤ちゃんがほしいと思っている人、あるいは現在、妊娠している人は、お酒を一滴も飲まない方が賢明だ。これが私の女性へのアドバイス。]

                  (写真は添付のBBC Newsから引用。)

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コウモリの超音波探知が通じないステルス:これで落命 後絶たず! (BBC-Science & Environment, September 8, 2017)

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 放課後の閉鎖的なクラブ活動や熟もなければ、テレビの前あるいは机にかじり付くようなこともなかった。
 4、50年前の、のどかな片田舎では、太陽が西の空を紅く染めて地平線に落ち、辺りが暗くなりかけても、川岸、橋の上では、たくさんの子どもたちが、家路につかずに遊んでいた。星がチラチラと輝き始めた薄暗い空は、せわしげに飛び交う蝙蝠(コウモリ)でいっぱいだった。
 この「夕暮れ時 (at twilight)」を昔の人は「蝙蝠に山椒食わせる時分」と言った。何とも情緒溢れる言い回しだ。夕暮れ時も外で遊ぶ子どもたちが、コウモリを見て、「こうもり来い、山椒食わしょ、柳の下で水飲ましょ」と節を付けて歌ったことに由来する。

 ちなみに、この蝙蝠 (コウモリ)。平安中期の書「本草和名」には「加波保利」と記されていて、1千年前の日本人は、コウモリのことを「かはほり」と呼んだことがわかる。

 ところが、ヨーロッパ人の、「bats (コウモリ) 」に対するイメージは、少し違う。
 暗闇の洞窟に住み、暗がりに紛れて空を飛ぶ、鳥かネズミか得体の知れない、この動物は、悪魔か魔女、vampires (吸血鬼)につながる「sinister association (不吉な連想)」をキリスト教徒に抱かせた。

"Bats makes up one fifth of all land mammals."
"They are among the most endangered of the world's animal, because much of their habitat has been destroyed."
"As important pollinator for many plants, and key predators of insects, their loss has serious consequences for the planet."

[ コウモリの数は陸上に住む哺乳類全体の 1/5 を占める。]
[ ただし、ほとんどの生息地が破壊されたため、絶滅危惧種になっている種もいる。]
[ 多くの植物にとって大切な受粉の媒介の役目を担う他に、夜行性の昆虫(蚊や蛾など)も食べてくれるため、コウモリが地上から姿を消すと、地球上の生態系に深刻な影響をもたらすことになる。

"Bats have a remarkable ability to fly at high speeds in the dark avoiding natural hazards such as tree."
"Bats predominantly rely on their echolocation system to forage, orientate, and navigate."
[ コウモリには、暗闇でも木々などの自然障害物を避けて、高速で飛べる驚くべき能力がある。]
[ コウモリは主として (自分の発する超音波の)音響定位システムに頼りなから、餌を探し、方向を見極め、飛行を続けている。]

 しかし、このコウモリにとって「stealth (ステルス)」となり、「blind spots (感知不可能なスポット)」が現われた。現代建築 (modern buildings) で多用され始めた「large expanses of glass or mirrored (一面にガラスやミラーを張り付けたビルの壁)」だ。表面が滑らかで垂直な壁は、コウモリを錯覚させる。そこが、あたかも「何もない飛行空間 (clear flight paths)」であるかのように騙された (tricked) コウモリは、ビルに向かって突進してしまうのだ。

 これで、「なぜ、ガラス面で覆われたビルの近くで、怪我をしたコウモリやその死体が見つかるのか」について説明できるという。
 ドイツ「The Max Planck Institute for Ornithology (マックス・プランク鳥類研究所)」の Dr Stefan Grief らの研究グループは、「Greater mouse-eared bats (オオホオヒゲコウモリ[学術名 Myotis myotis])」を「dark flight tunnels (暗い飛翔トンネル)」に放した実験で、この事実を確認し、科学雑誌「Science」に発表した。


                  (写真は添付のBBC Newsから引用。)

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ぐるぐると渦巻きを描くだけ!:パーキンソン病の診断 (BBC-Health, September 6, 2017)

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 目をつぶって、白い紙の上に渦巻きを描いてみる。思ったよりもきれいに描けた。しかし、蚊取り線香のような渦巻きは、目を開けて描いても難しい。

 さて、「Parkinson's disease (パーキンソン病)」は「shaking and muscle rigidity(手の震えや筋肉の硬直)」をもたらす病気だが、これまで、その進行状況(advanced conditions) を正確に把握する方法はなかった。

 ところが、オーストラリア RMIT大学の Ms Poonam Zham らの研究チームは、紙の上にぐるぐると渦巻きを描くだけで、パーキンソン病を診断できるソフトを開発した。Ms Zham らが目指したのは、地域の医師 (community doctors) や看護師が容易に使いこなせて、「手頃な価格の自動電子システム (an affordable and automated electronic system)」を開発することだったという。

 患者が手にするペンは、タブレット型コンピュータにつながっていて、渦巻きを描くスピードと筆圧 (pen pressure) が測定される。

"Speed of writing and pen pressure while sketching are lower among Parkinson's patients, particularly those with a severe form of the disease."

[ パーキンソン病患者、とくに病気が進行した深刻な患者の場合、線を描くスピードが遅く、筆圧も小さい。]

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 この診断技術は、パーキンソン病の今後の臨床試験 (clinical trials) にとって「stepping stone (踏み石)」と、高く評価されている。

                  (写真は添付のBBC Newsから引用。)

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イギリスの「ジン復活」:ジン入りアイスクリームが人気! (BBC-News, September 6, 2017)

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 湯気が上がって、ふわふわの、できたての「酒まんじゅう」ときたら、これは、もう格別だ。ほんのりとお酒の香りがする、その「まんじゅう」は、小さな子どもにとって、大人の味だった。
 お酒はこれ位がちょうどいい。しかし、かっては、お酒が好きで、「お茶漬け」どころか「お酒漬け」の朝飯を掻き込む豪の者もいた。
 
 ところで、イギリスでは昨今、イギリス版焼酎の「gin (ジン)」が、若ものの間で一大ブームになっている。スーパーにはジン入りヨーグルトの他に、スナック、アイスクリーム、サーモン、ポップコーンまで「gin-flavoured (ジン・フレバー)」の商品が並ぶ。
 お陰で昨年のジンの売上高は£1 bn (約1,400億円)以上。イギリス各地に「小さな蒸留酒製造所 (micro-distilleries)」もできた。イギリスの代表的なスーパー・チェーン店「セインズベリーズ (Sainsbury's)」は、今年、若もの層をターゲットにした「premium gin sales」を実施し、前年比 25%増の売り上げを達成している。

 この「gin (ジン)」は、ウイスキー、ブランデー、ラム酒、ウォッカと同じ蒸留酒(spirits)。大麦、ライ麦、ジャガイモなどを原料にして、元々は、17世紀、オランダで薬用酒として造られたものだ。それが、イギリスに持ち込まれると、安い酒として、またたく間に庶民の間に広まった。
 かっては、「Mother's ruin (母親を堕落させる酒)」、あるいは「a favourite vice drink of the poor (貧乏人が好んで飲む不道徳な酒) 」と蔑(さげす)まれた。

 「gin (ジン)」独特の「flabour (風味)」は「juniper (セイヨウネズ)」の実の香り。
 「Juniper」には不思議な力が宿るとされた。この木を伐採すると、その人は「1年以内に死ぬ」と信じられ、特にWalesでは人々に大切に守られた。また、古くから「abortifacient (堕胎薬)」として用いられ、「Juno juniper pills (ジュノー社のセイヨウネズ錠剤」はよく知られている。

 こんな背景のあるお酒「ジン」。そのせいか、妊娠した女性が「バス・タブ」に浸かってジンを飲むと、「miscarriage (流産)」するとも言い伝えられた。
 しかし、若い人にとっては、過去の「ジン」もその歴史も気にならない。「food manufacturers (食品メーカー)」の巧みな「enticing(誘惑)」戦術も効果をあげている。

 この「Gin's resurgence (ジン人気の復活)」は「renaissance (ルネサンス)」に引っかけて「Ginaissance」と呼ばれるそうだ。「ジン入りスナック」は「a step too far (やり過ぎ)」との声もあるが、目下のところ、メーカーの鼻息は荒い。ここが「(cashing in on) もうけ」どきと、あの手この手を駆使し、ジンを売りまくるのに躍起だ。
                  (写真は添付のBBC Newsから引用。)

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思わぬ賓客、スコルピオン:easyJet搭乗客は大迷惑! (BBC-News, September 5, 2017)

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 晴れた夏の夜空で誰にでも簡単に見つけられる星座は「Scorpius (サソリ座)」。Scorpius とは英語の「scorpion (サソリ)」を意味するラテン語だ。その昔、サソリは火に囲まれて逃げ場を失うと、自分の首を自分の毒針で刺し、命を絶つと言い伝えられた。

 さて、事件は 9月 1日(月)、Glasgow からフランスの Paris「Charles de Gaulle airport (シャルル・ド・ゴール国際空港)」に向かっていた easyJet 旅客機 Flight EZY6883 便で起きた。乗客の 1人が機中に紛れ込んだ「scorpion」を見つけたのだ。

 このため、パリ到着後、その日、直ちに Glasgowに引き返す予定だったEZY6884便は大幅に遅れた。easyJet 社は次のような声明を発表した。

"The safety and comfort of our passengers and crew is always our highest priority so, as a precaution, the aircraft will be fumigated before its next flight, EZY6884 to Glasgow, which is delayed overnight as a result."
"Although this is outside of our control, we would like appologise for any inconvenience to passengers."

[ 我が社は、乗客と乗組員の安全と安心を常に最優先に置いている。したがって、念のため、Glasgow 行きの次のフライト EZY6884 便の飛行機を機内燻蒸消毒するが、これにより同機の出発は次の朝になる予定。]

 なお、easyJet 社の website によると、Glasgow 行き Flight6884 便の乗客全員には、その晩、ホテルの宿泊が無料で提供されたとか。

 

   

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               (写真は添付のBBC Newsから引用。)

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