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ジャガイモにルーバーブの毒:食べて死ぬ人も! (BBC-Future, April 17, 2017)

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 スイバ (スカンポ) の茎を噛むと酸っぱい。これは「シュウ酸 (oxalic acid)」が含まれているからだ。同じタデ科の仲間に「rhubarb (ルーバーブ):和名カラダイオウ」がある。形はフキに似ているが、その茎は赤く、太い。カナダに住んだとき、その茎を煮込んでつくった「rhubarb pies (ルーバーブ・パイ)」を、ご近所から戴いて、世の中には、こんなに酸っぱいお菓子もあるのか、と驚いた。

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 さて、その rhubarb、とくに、その葉 (leaves) の部分にはシュウ酸が多く含まれているため、これを食べ過ぎると命を落とすことになる。
 しかし、イギリスでは、戦時中、rhubarb の葉が野菜の代用食材として推奨されたこともあった。当然にして複数の犠牲者が発生し、その有毒性が再認識された。

 シュウ酸を摂り過ぎると、「dizzy (目まい)」、「vomiting (嘔吐)」などの症状の他に、「kidney failure (腎不全)」を引き起こす。身の保全のためには、rhubarb の葉も茎も食べない方が無難だ。
なお、イングランド北東部「Northumberland (ノーサンバーランド)」の「Alnwick Gardens (アルンウィック庭園)」の中の一角「Poison Garden (有毒植物庭園)」では、rhubarb は有毒な植物に分類、栽培されている。

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 次に注意が必要な野菜はジャガイモ。
 ジャガイモの芽には有毒な「solanine (ソラニン)」が含まれていることは、よく知られている。市販のジャガイモは、もちろん問題なし。

"When it's stored in sunlight, however, chemical reactions at its surface turn it green with chlorophyl as it prepares to sprout. At the same time, a substance called solanine is also produced."
"Solanine appears to interfere with the nervous system, impairing the normal functioning of ion channels in cells."

[ しかし、ジャガイモが日の当たる場所に置かれると、その表面で化学反応が起こり、葉緑素の緑色に変色する。これは芽を出す準備。同時に、ソラニンと呼ばれる有毒物質が形成される。]
[ ソラニンは、神経細胞内の正常なイオン・チャネル機能を阻害し、その神経系に支障を引き起こすと考えられている。]

 緑色に変色したジャガイモにも有毒なソラニンが含まれているため、「もったいない」からと言ってこれを食べると、diarrhea (下痢)、vomiting (嘔吐)、twitches (痙攣)の症状に悩まされることに成りかねない。
 なお、ジャガイモの葉、茎にも有毒なソラニンが含まれている。「主菜(entrees)」として利用しないこと。

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 さらに、「elderberry (エルダーベリー)」すなわち「アメリカ・ニワトコの実」も要注意。その実・葉はもちろんのこと、elderberry のどの部分にも有毒の「hydrogen cyanide (シアンカ水素)が含まれている。ただし、加熱すると、この有毒性は壊れ、無害となる。
 このため、くれぐれも、elderberry の生ジュースは飲まないこと。病院に担ぎ込まれた人がいるのでご注意。

                  (写真は添付のBBC Newsから引用。)

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未来都市「5Gのハブ」を目指せ:スウォンジー・ベイの戦略 (BBC-News, April 16, 2017)

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 5G とは「5th generation mobile networks (第 5世代移動通信システム)」の略。先進国間でその技術開発とインフラ整備に鎬(しのぎ)を削っている、マイクロ波を利用した高速大容量通信システムのことだ。

 Wales の南の名門 Swansea 大学の「生命科学研究所(Institute of Life Science, ILS)」は、5G を応用した医療技術開発に成功した。
 包帯 (badage) に内蔵した小型センサ・モニタと医療機関を直接 5Gで結ぶシステムだ。これで、臨床医 (clinicians) は、患者の傷口 (wound) の状態ならびに患者の体調(activity level) を刻一刻とリアルタイムで確認することができる。もちろんデータは全て記録される。
 これまでの医療では、臨床医は患者を1ヶ月あるいは 3ヶ月に一度診察して治療を施していたが、このシステムを利用すると、伝送されてくる 5Gデータに基づいた「患者ごとに最適な治療 (tailor treatment)」が可能となる。

 なお、Swanee 大学の ILS が主導する「Smart bandage trials (スマート包帯臨床試験)」は、今後 12ヶ月以内にスタートする予定。
 この研究は Swansea Bay City (スウォンジー・ベイ市) が、未来の「デジタル・イノベーション」に向けた「5G test hub ( 5G研究拠点」戦略の一環であり、その経費は政策予算 £1.3 bn (約¥1,800億)の一部に含まれているとか。


                  (写真は添付のBBC Newsから引用。)

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土星の月「エンケラドュウス」に生命体?:可能性が高まった! (BBC-Science & Environment, April 13, 2017)

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 土星 (Saturn) の第 2の月「Enceladus (エンケラドュウス)」は、直径約 500km。表面が「ice crust (アイス・クラスト)」で覆われている。内部を構成する岩石体は、土星から受ける強力な重力によって歪められ、そのときに発生する内部摩擦熱によっ高温になっていると考えられている。
 すると、Enceladus の地下数千kmには、氷が溶けた内海 (internal ocean) が広がっていることになる。

 その海の状態は、おそらく、地球の太平洋の海底で、北から南に長く延びる「mid-ocean ridges(中央海嶺)」で起きている現象に似ている。
 そこでは、「serpentinisation (蛇紋岩化作用)」と呼ばれる現象が繰り広げられ、鉄・マンガンを多量に含む「hot upwelling rocks (高温の岩石流)」が噴き出し、海水中のH2O分子を取り込んで蛇紋岩の結晶構造が形成されている。

 このときの反応で、副産物として放出されるのが水素 (hydrogen)。したがって、中央海嶺の周りには、その水素を、生命体の代謝 (metabolism) に必要なエネルギー源とする「微生物 (microbes)」がたくさん生息している。

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 土星探査機「Cassini (カッシーニ)」は、Enceladus から噴出された水蒸気を採取し、これを「The Southwest Research Institute (サウスウエスト研究所)」の Dr Hunter Wailらの研究グループが、まる1年費やしてデータ解析した結果、その水蒸気の噴出は、ほぼ間違いなく (arguably)、地下数千kmの内海で起きた「serpentinisation (蛇紋岩化作用)」に由来するものと判断されるという。それならば、Enceladus にも微生物がいるに違いない。

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 現在、太陽系 (the Solar System) で生命 (life) が存在している可能性の高い天体は、Mars (火星)、木星の月 Europa (エウロパ)、そして Enceladus だ。

 最初に、「地球外生命体 (extraterrestrial life)」が発見されるのは、一体、どこになるだろうか。

                  (写真は添付のBBC Newsから引用。)

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ノコギリエイをバリバリ食う:どう猛なオーストラリア海水ワニ (BBC-News, April 12, 2017)

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 野生生物 (wildlife) の世界では、時代劇や西部劇のように、悪人とヒーローとが明確に別れてはいない。自然は「predators (食うもの)」と「preys (食われるもの)」とが共存する、情け容赦のない苛酷な生態系だ。
 その「predators (食うもの)」を単純に悪と決めつけるわけにはいかない。しかし「ワニ (crocodiles)」の貪欲さには辟易する。なにしろ、あの「冷たい目つき」がどうにも好きになれない。
 
 話は、西オーストラリアの北部「Kimberly region (キンバリー地域)」に生息する「ノコギリエイ (sawfish)」。口元 (snout) がチェーンソーの刃のようにギザギザに伸びたエイの仲間だ。現在、個体数が減少し、ごく近い将来、絶滅の危険性が極めて高い「critical endangered species(絶滅危惧種1A類)」に分類されている。

 その Kimberly region (キンバリー地域) の Fitzroy River (フィッツロイ川) の上流は、ノコギリエイの産卵域 (spawning area) になっていて、毎年、たくさんの稚魚 (snouts)が卵からかえる。そこでしばらく生息した後、juvenile (幼魚) となって海を目指し、川を下る。

 ところが、これを Fitzroy River の下流域 (lower reaches) で待ち受けるのが、どう猛な「saltwater crocodiles (海水ワニ)」と「bull sharks (オオメジロザメ)」。
 ノコギリエイは海に戻ると、体長 8mの巨大なエイに成長するが、その幼魚の時期、いくらノコギリの武器を振り回しても、ワニには到底、歯が立たない。
 ようやくたどり着いた河口ながら、後、一歩のところで、あっけなくワニの餌食(preys)となってしまう。

 Murdoch大学の David Morgan 准教授らの調査によると、捕獲したノコギリエイの幼魚39匹の内、約 60%に咬み傷 (bite marks) が見つかったという。
 さらに、これまで、このノコギリエイの「ノコギリ」がデコレーションの贈り物として珍重されたことや、長いノコギリが災いとなり、漁網に引っかるなどで、個体数を減少させて来た。

 今、オーストラリアでは、増え過ぎたワニが、減り過ぎたノコギリエイを食い荒らす光景が見られる。なんという壊れかけた生態系であろうか。

 なお、Morgan 准教授らの研究の詳細は、科学雑誌「Ecology」に発表された。
                  (写真は添付のBBC Newsから引用。)

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パーキンソン病患者に光り:画期的な脳神経細胞の治療法が開発される (BBC-Health, April 11, 2017)

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 パーキンソン病 (Parkinson's disease) とは、脳内神経細胞が死滅し、神経伝達物質ドーパミン(dopamine)」が減少する病気。病気の進行 に伴って、手に震い(tremor) や歩行・運動機能障害などが現われる。

 なぜ、神経細胞が死滅するのか、その原因は不明。したがって、医師は薬を処方し、症状を和らげることはできるが、病気の根本原因を治療することはできなかった。これまでも、治療法の開発は進められて来たが、それらの多くは、損傷を受けた箇所に、新たなドーパミンニューロン (dopamine neurons) を細胞移植することに、目を向けられていた。

 そこで Reading 大学の Dr Patrick Lewis らの国際研究チームが取り組んだ治療法は、「小分子化合物の混合液 (a cocktail of small molecules)」を使用して、脳神経細胞を再プログラム (reprograming) 化させる方法。
 この混合液を人間の星状膠細胞のサンプルと混ぜ合わせると、「dopamine neurons」に極めて近い物質が得られた。
 次に、パーキンソン病の症状を示すマウスに、その疑似ドーパミンニューロンを注入したところ、症状が緩和されたという。

 しかしながら、研究は極めて初期段階に留まるため、この治療法の安全性ならびに人間に対して有効であるかを実証するまでには、今後、さらに多くの研究が必要とされる。

 現在、数百万人の患者が、根本的な治療を待ち望んでいるパーキンソン病。今回、開発された治療法が一刻でも早く「viable therapy (実行可能な治療法)」となることを期待したい。

                  (写真は添付のBBC Newsから引用。)

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若もののチーズ・牛乳離れ:骨粗鬆症の発症リスクに拍車 (BBC-Health, April 12, 2017)

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 日本のほとんどの大学のキャンパスが、学園紛争で騒然となった 1960年後半から1970年代。学生の中には、貧しさから、当時売り出された即席ラーメンを常に食べ続けていた若ものが幾らでもいた。
 その頃はもちろん、それ以前も、牛乳、ヨーグルト、チーズが果物と一緒に食卓にあがる家庭は限られていた。

 そして時は過ぎた。
 先日、放映されたドキュメンタリー番組で、カリフォルニア州立大学の学生の状況が報道された。金に困り果て、キャンパス内で寝泊まりし、1週間、水と紙を食べて空腹を満たす学生の姿がそこにあった。
 これはまた、どうしたことだろうか。貧富の格差は、40、50年経った現在、どの国でもそれほど変わっていない。

 しかし、人の体は何を食べるかによって、その健康状態が大きく違ってくる。
 「National Osteoporosis Society (英国国立骨粗鬆症協会)」の成人 2,000人を対象にした調査によると、最近の若ものは、インターネットで「食事上のアドバイス (dietary advice)」を頻繁に見ているにもかかわらず、一部の若ものの食事は、かなり偏っていて、25歳以下の若ものの約20%が牛乳、ヨーグルト、チーズなどの「dairy foods (乳製品)」を嫌厭していることが分かった。 

 

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 もちろん乳製品にはカルシウムが豊富に含まれている。20代後半までにカルシウムをしっかり摂らないと、後で取り返しが付かないことになる。骨粗鬆症の発症リスクが急増するからだ。成長が止まった後で、カルシウムを補強しても手遅れという。

"After the age of 50, half of all women and one in five men develop osteoporosis, a fragile bone condition that causes painful fractures of the hip, wrist and spine."
"Smoking, lack of exercise and fizzy drinks high in acid are all detrimental to healthy bones."

[ 50歳以上の高齢者で、女性の半数、男性の 5人に 1人が、骨がもろくなる骨粗鬆症を発症し、腰、手首、背骨に痛みを引き起こしている。]
[ また、喫煙、運動不足、酸性度の高い炭酸飲料は、どれも健全な骨を台無しにする原因だ。]             

 カルシウムに限らず、特別な毒物以外、何を食べても、食べなくともすぐに命に別状を来すことはない。しかし、ちょっとの気遣いで、健康が保持できるとしたら、それに耳を傾ける方が賢明だ。
                  (写真は添付のBBC Newsから引用。)

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深海底に眠る宝の山:太陽光パネル素材のテルル (BBC-Science & Environment, April 11, 2017)

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 海には深さ10,000mを越える海溝 (trenches) もあれば、海底から高さ 3,000m級の山もある。
 「カナリア諸島 (Canary Islands)」はアフリカ大陸北西沿岸に近い大西洋上に浮かぶ7つの島。その一帯の海底を海洋調査船「James Cook」で調べていた「英国国立海洋センター」の Dr Braum Murton らは、カナリア諸島から 500km以上の地点の海底で「seamount (海山)」を発見した。標高にして約 3,000m、頂上は海面下 1,000mの平らな台地 (plateasu) だった。

 ところが、その山の斜面に樹皮 (bark) のように張り付いた「clust (クラスト)」に研究者は目を見張った。なんと、太陽光パネルの素材に欠かせない希元素「tellurium (テルル)」が、地上の鉱床に比べて 50,000倍の品位 (含有率) で含まれていたのだ。
 今回発見された海山1つのテルルの埋蔵量は 2,670トン。これは世界総生産量の 2/3に相当する。まさに海の中の「treasure trove (宝の山)」の発見だった。

 さて、この「テルル・リッチ・クラスト (tellurium-rich crust)」をどのように採掘するか。問題 (conundrum) は掘削時に巻き上がるダス ト(plumes of dust)。これによって海底に生息する生物は壊滅的なダメージを受ける。たとえば、海洋生物の「食物連鎖 (food chain)」の底辺を形成する「xnenophyophores (クセノフィオフォラ)」は、環境変化に脆弱 (fragile) な「単細胞生物 (single-celled organisms)」だ。これが死に絶えると、その生物に依存していたサンゴ礁が消え、住みかを失った魚はいなくなる。

 それでも、企業、政治家は、原子力エネルギーの開発と全く同じように、なにがなんでもと、屁理屈をつけて採掘に走るに違いない。「クセノフィオフォラテルルとどっちが大事だ」などと言わなければ良いが。
 
                 (写真は添付のBBC Newsから引用。)