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「トロルの舌」からまっさかさま:豪州学生フィヨルドの谷に転落 (BBC-News, September 8, 2015)

http://ichef.bbci.co.uk/news/768/cpsprodpb/73A2/production/_85420692_cliff_fall_alexandertiedemann.jpg

 CODによると、「トロル(troll)」とは、

"an ugly cave-dwelling being depicted as either a giant or a dwarf."
[山中のほら穴に住む醜い怪物。その姿は巨人や小びと。]

 しかし、この「トロル(troll)」は、「Viking」と同じく、その昔、8世紀頃の「スカンジナビア人(バイキング)」が話した古ノルド(Old Norse)語。この古ノルド「troll」が英語に取り入れられたのは、19世紀中頃とされる。したがって、イギリスの古い「昔ばなし(Falk tales)」に、「giants(巨人)」が度々登場するが、「trolls」が語られることはない。

 かって、そのバイキングの一部が住んだノルウエーに観光名所「Trolltunga(トロルトゥンガ)」がある。その意味は「Troll's tongue(トロルの舌)」。フィヨルド(fjord)地帯の一角で、ダム湖の上には切り立った崖が続く。その岸壁に、長い舌のように突き出た1枚の岩が「Troll's tongue(トロルの舌)」。

 ここには景観を損ねないようにと、「安全手すり(safety rails)」の類いは一切なし。ところが、これが災いし、今月の5日(土)に事故が起きた。
 先月、イギリスの冒険家Mr Toby Segarが、同じ場所で「後方宙返り(backflip)」の離れ業をやって世間を騒がせたばかり。この滑りやすい岩の上で、オーストラリア「Monash(モナシュ)大学」芸術科の学生Kristi Kafcaloudisさん(24歳)が、スナップ写真をとってもらおうと、ポーズをとったが、誤って、落差数百メートルの谷底に転落した。

 KafcaloudisさんはノルウェーのBergen大学でダブル・デグリー(double degree)の取得を目指し、先月、首都オスロ(Oslo)に次ぐノルウェー第2の都市ベルゲン(Bergen)で、勉学を始めたばかりであったいう。

 最近、海外の若者を中心に広がる「スリル体験遊び」。仲間や世間をあっと言わせるスナップ写真を撮り、それをインターネットで公開して話題を狙う「thrill seekers」。自分の命を一時の「ウケ」に賭けるなど、「愚かな生命体(being)」でなければ、やらないことだ。
 北欧の「Troll」は、勉学途上の、まだ若い女子学生が、その舌から、まっさかさまに、落ちる姿を目にして、さぞかし、心を痛めたに違いない。

                               (写真は添付のBBC Newsから引用)
 

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