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隠れ家を発見:光化学スモッグ (BBC-Science & Environment, August 18, 2015)

http://ichef.bbci.co.uk/news/736/cpsprodpb/11379/production/_85012507_leipzig.jpg

 原題中の「City grime」とは、「都会の汚れ」。ほこり(dust)や泥(sludge)のことだ。これが、工場や車から排出された窒素酸化物(nitrogen oxides [NOX])などを吸収し、まさに、化学物質のカクテル(cocktail)状態になっていることは知られていた。

 ビルとビルとの隙間、ビルの陰、道路の両端と、あちらこちらに目立たないように、しかも着実に積もり溜まった「ほこりと泥の固まり」。この一見、ただの「泥(dark muck)」に、とんでもない働きが隠されていることが、ボストンで開催された「アメリカ化学学会(The conference of the American Chemical Society)」で発表された。カナダToronto大学のJames Donaldsonらの研究だ。

 「都会の泥」はお利口だ。暗いところで静かにしている。しかし、日の光が差し込むと、眠りから覚め、盛んに大気汚染物質の「二酸化窒素(nitrogen dioxide [NO2])」と亜硝酸ガス(nitrous acid [HONO or HNO2])」を放出し始めるという。
 もちろん、NO2もHONOも人の呼吸器系を侵す有毒なガスであり、HONOは、さらに太陽光を受けるとオゾン(ozone)を生成する。そして、いずれのガスも都市上空に光化学スモッグ(photochemical smog)として漂い、人々を悩ます。

 研究者らは、都市の泥から大気中に放出される亜硝酸ガスHONOの量を、光化学スモッグ全体の30%と見積もる。

 東京、ロンドン、パリ、ニューヨークのどこの主要都市でも、都会の「ほこり、泥」は膨大な量(sheer quantity of grime)だ。これが大気汚染の隠れた発生源(a big potential source of pollution)であったと、記事は伝える。

 しかし、「sludge」、「slurry」の研究者として一言。かれらにも言い分があろう。「吸った物を吐き出して(breathes back out)、何が悪い」と。悪いのは・・・。

         (写真は添付のBBC Newsから引用)
 

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