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ヒ素汚染「米」から身を守る!:炊飯・調理に一工夫を (BBC-Health, February 10, 2017)

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  ヒ素 (arsenic) は恐ろしい毒物だ。西洋では、その昔、「assassination (暗殺)」に使われ、日本ではヒ素鉱石から「rodenticide (殺鼠剤)」の「石見 (いわみ) 銀山ねずみ取り」、「猫いらず」が作られた。
 ヒ素は土壌 (soil) にも含まれる。Bangladesh では飲み水がヒ素で汚染され、深刻なヒ素中毒に悩まされている。
 
 ヒ素 (arsenic)、無機ヒ素 (inorganic arsenic) のいずれも発がん物質 (carcinogen)。長期にわたってヒ素化合物に曝されると、種々の「慢性中毒症状 (slow burning epidemic)」を誘発する。肌が黒く変色し、ボロボロになる皮膚病やガン (cancer)、心臓疾患 (heart disease)、発達障害 (developmental problems) などを引き起こすのだ。

 EU が昨年の 2016年 1月から施行を開始した食品規制「Regulation 2015/1006」によると、精米のヒ素許容濃度は 0.2mg/kg (0.2ppm)。ただし、幼児・子どもに対しては0.1mg/kg (0.1ppm) とする。
 しかし、この規準について、北アイルランドQueen's大学 Berfast」の Andy Mehang教授は、「甘過ぎる (isn't strict enough)」と訴える。
 ちなみに、日本のヒ素許容濃度は、EUよりも 500%高い 1mg/kg (1ppm)。

 イギリスの米の消費量 (2015年統計) は150 million kg。しかも、ヒ素に汚染された流通米も見つかっている。米 (rice) が土壌からヒ素を吸収し、蓄積する量は小麦 (wheat)、大麦 (barley) に比べて10 - 20倍。仮に日本の規準が適用されるとすれば、毎年、イギリス全土で最大 150kgのヒ素が摂取されることになる。

  Mehang 教授は次のように指摘する。
"We know that low levels of arsenic impact immune development, they impact growth development, they impact IQ development."
[ 低レベルのヒ素濃度でも、人の免疫発達に影響を与え、発育発達に影響を与え、IQ の発達に影響を与えることが分かっている。]

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 BBC の「Trust Me, I'm A Doctor.」の Dr Michael Mosley は、Mehang 教授の協力を得て、実験を行ない、精米のヒ素濃度を劇的に低下させることに成功した。
 それは、炊飯・調理の前に、お米を一晩水に漬けること。お米と水の比率を色々と試したが、1 : 5 でつけ込むとヒ素が良く抜け落ちるという。

 お試しの価値は十分にあるようだ。
                              (写真は添付のBBC Newsから引用。)

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