「他人がどう言おうが、思おうが、俺さまは俺さま」と、突っ張って生きる輩(やから)もいるが、「ひとにどう思われるのか」と心配で人前に出られなくなり、
・workplace:職場
・relationship:人間関係
・everyday situations(shopping or holiday):日常生活
に支障をきたす人もいる。後者の症状は「social anxiety (社交不安症)」あるいは「social anxiety disorder (社会不安障害SAD)」として知られ、この症状の治療には
・mindfulness therapy:マインドフルネス認知療法
・cognitive behavioural therapy:認知行動療法
・guided self-help:サポート型自助方略
・antidepressant mediciens:抗ウツ薬
などが適用される。
ところが、Swedenの「The Karolinska Institute (カロリンスカ研究所)」の Ms Elisa Vignaらの研究チームは、効果的かつユニークな治療法を開発し、その研究結果をパリで開催された「The European Congress of Psychiatry (ヨーロッパ精神医学会議)」で発表した。
この研究の特徴は、汗に含まれる「Androstadienon (アンドロスタディエノン)」に注目した点にある。この化学成分は「pheromone (フェロモン)」によく似た働きをする「chemo-signals (化学シグナル)」であり、汗をかいた人の感情を他人に伝達すると考えられている。
そこで、「mindfilness therapy」の治療を受ける「social anxiety (社交不安症)」の患者に対して、汗から抽出したこの化学成分を併用したところ、「mindfulness therapy」単独の治療に比べて、「anxiety score (不安症スコア)」の低減率に、22%の差が認められたという。ただし、不思議なことに、症状の改善効果は、汗をかいた人の感情(恐怖、幸福感など)とは無関係だった。
おわりに:人間の行動はフェロモンによって支配されるところが大きい。どんなに厳しい修行を重ねたところで、人間の内なる衝動には勝てないのだ。それは、空海でさえ、できなかったことだ。
(写真は添付のRTE Newsから引用)