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今の仕事が辞めたくなったら:自問すること5項目! (RTE-News, Jan 10, 2022)

Experts run down the key things to consider before joining the 'Great Resignation'. By Katie Wright.

 コロナウイルス (Covid-19)は、地球上に住む559万人の命を奪い、人々の生活や医療機関を含む社会システム全体に甚大な被害・影響を及ぼした。

 この数年間で UK、USでは「Great Resignation (大量退職時代)」と呼ばれる陰気なムードが広がっている。早期退職あるいは余剰人員解雇で会社を辞めたり、「自営業 (self-employed)」に鞍替えする人が増えたのだ。

 

 UKの人材資源プラットフォーム会社「Personio」が2021年に実施した調査によると、UKで働く人の38%が、この先、半年から1年にかけて転職を考えているという。

 

 しかし、BACP所属のセラピストで、「The Counselling Living Room」の創設者でもある Ms Indira Chimaは、『今の仕事を辞めたいと思ったら、会社に辞表を提出する前に、次の5項目について考えることが大切』と、アドバイスする。

 

1.How do you feel on Sunday?

 日本語で「サザエさん症候群」と呼ばれる症状があるそうだ。いわゆる、週末になると、『また、月曜から仕事が始まるとの恐れ (dread)で頭の中がいっぱいになり、「Sunday's scaries (日曜恐怖症)」に陥ってしまうのだ。

 

 こんな気分を覚えたら、それは、身体の「何らかの変化を求める (something must change)」メッセージ。

 でも、だからといって、すぐに会社を辞める必要はなし。それよりも、なぜ、月曜の朝が憂鬱になるのか、分析してみよう。目の前の嫌なことから逃げて、問題が解決できる状況にあるのか、それとも、問題に立ち向かって、言うべきことは言う余地があるのか、と。肝心なことは、今の仕事を辞めたら、もっと幸せになれるだろうかという点だ。

2.Will I be happier?

 多くの人が仕事を続けているのは、今の仕事に慣れていて、十分な報酬をもらっているからだ。しかし、皆が皆、幸せと感じているわけではない。生活・環境が変わりゆく社会にあって、会社が求める人材も変化している。

 けれども、その変化に身体がついていけなければ、身体を壊すだけだ。

 

 あなたは、今、幸せなのだろうか。もし、そうでなかったら、幸せの道を探るときだ。そして、「会社を辞めたいと思う理由」と「会社に留まりたいと思う理由」を整理、分析してみよう。

・今の仕事がつらく、私生活とのバランスがとれていない

・責任が重すぎてストレスが多い

・忙しさから開放されて、趣味に生きたい

・新しい仕事にチャレンジしたい

などなど。

3.Where do you look for joy in your week?

 転職を考える前に、今の仕事を総点検してみよう。人はよく勘違いをするものだ。「Greener pasture are perfectry green forever (よりグリーンな牧草地は永遠に完璧なグリーン [ (転職後の)より良い待遇がいつまでも続く] )」と。 

 完璧で、「well-rounded (バランスのとれた)」仕事を探す前に、自分自身に問いかけてみることだ。今の仕事より少しばかり充実感のある仕事とは、いったい、どんな仕事だろう。仕事を辞めて、充実した生活が送れるだろうか。有り余った自由時間に情熱を傾けるものや趣味があるだろうか、と。

4.Is it financially viable?

 今の職場を辞めて、新しい職場が決まっていれば別だが、そうでなければ大変だ。まず、十分な貯蓄が欠かせない。経済的に困窮しては、ゆとりある生活も、充実した生活もできるものではないからだ。

 パートナー、あるいはあなたのことをよく理解してくれて、有益な助言を与えてくれることができる人に相談してみることだ。今、辞めるべきなのか、それとも、先延ばしにすべきなのかを含めて。

5.What scares you most about quitting?

 それでも、「会社を辞める」ことに決めたなら、では、なぜ、これまで会社を辞めなかったのか自問してみよう。何かが怖くて辞められなかったのであれば、その「怖いもの」は、いったい何だったのだろう。人間は、確かに、怖いものから逃げたがるものだという。しかし、ただ、何かが怖いだけの理由で、仕事を続けていても(あなたの今の状態の)解決にはならない。

 

 USの心理学者 Dr Susan Jeffers (1938-2012)は「Feel the fear and do it anyway (恐れながらも、とにかくやってみよう)」のモットーで生きた人だ。人生の大きな決断の際には、ある程度の不安はつきもの。それが正しければ、前に進むことだ。リスクはある。しかし、これまで通り、つらい仕事を続けることを選択するとき、ストレスにさらされて神経をすり減らし、精神的・肉体的に消耗するリスクがあることも否定できない。

おわりに:ここで、人生のリスク・マネジメントを簡潔明瞭に語ることは不可能。仕事を辞めたいと思っている人には、次の一冊を勧める。

・牛場靖彦:リスク・マネジメントの原理・原則、総合法令(株)、1993

決して、感情に駆られて仕事を辞めてはならない。リスクを考えずに物事を判断、決断してはいけない。

               (写真は添付のRTE Newsから引用)

www.rte.ie