地球温暖化によって気候変動がもたらされ、北極海の氷がドンドン解け出した。とくに、北極海の中でも「Barents sea & Kara sea (バレツ海とカラ海)」の氷解が著しい。
とは言え、北半球の冬は、それでも寒い。地球の温暖化が続く中で、なぜ、冬に大寒波が襲い、大雪が降るのか。
MITの Judah Cohen教授らの研究チームは、過去40年間にわたる気象観測衛星のデータとモデル解析に基づいて研究を進め、ついに、気象学的な連鎖の謎を解き明かした。
北極で急激に氷が解けて、極地のエネルギーバランスが崩れると、北極圏の成層圏 (stratosphere)に渦巻く「polar votex (極循環、極渦)」が乱れる。その極低温の乱れがシベリアに大雪を振らせ、北米、東アジアには寒波をもたらすことを突き止めたのだ。
これが、今年2月にテキサス州を襲った大寒波 (deadly Texas cold wave)の説明だ。このとき、テキサス州では停電が発生して交通が大混乱となり、約400万世帯が寒さで震え上がった。
今後は、「polar vortex」の乱れが大寒波の「precusors (前兆)」とみなすことができる。あらかじめ、大寒波の襲来が予測できれば、
・的確な警報の発令
・室内凍死の防止
・シェルターへの避難誘導
が可能になるものと期待される。
おわりに:異常気象の特徴は、その名のとおり、なにが起こるか分からない、異常さにある。しかし、これだけは確かだ。大雨や台風の勢力が、今後、弱まることは期待できず、今年の冬に、大寒波が来ないとは保証できない。
ただし、その「異常」が気象だけにとどまってくれれば、いいが.......。
(写真は添付のBBC Newsから引用)