タバコの煙は、勘弁して!:いや、おれには吸う権利がある! (BBC-News, March 1, 2021)
モノの言いようによって、聴く人の捉え方はずいぶんと変わるものだ。タバコが手から離せない人を、「smoker (スモーカー)」あるいは「愛煙家」、「タバコ好き」と言えば、穏やかなモノ言いだが、「タバコ飲み」となると、軽蔑の気分が入る。
その愛煙家とくに「ヘビー・スモーカー」が、喫茶店、会議室、電車・寝台列車などの密閉空間で吐き出す煙には、ずいぶんと喉(のど)を痛めつけられ、悩まされた。
かっては、世の中も狂っていたのだ。駅のホーム・待合室はもちろんのこと、病院の待合室にも、喫煙を奨励するかのように、大型の灰皿が置かれていた。その周囲は、タバコ特有の匂いが立ち込め、むせつく煙が充満していた。
日本専売公社、JT (日本たばこ産業KK)は、その人脈・権力・財力の限りを尽くして、タバコの有害性、タバコと呼吸器系疾患・肺ガンとの関連性を否定し続けた。そして、ようやくにして、しぶしぶ『吸いすぎに注意しましょう』とパックに記入する。まるで子どもがダダをこねるようなありさまだった。
やがて新幹線、続いてローカル線で喫煙車両が走るようになり、公共施設内、病院内も、原則、禁煙となった。
しかし、タバコは街から消えたわけではない。病院や大学あるいは市役所などでは、一般に建物の内部で禁煙としているだけで、今でも敷地内やその駐車場でプカプカと煙を吐いている人は少なくない。
タバコの禁煙事情に関しては、UKも同じようなものだ。そこで、Walesでは、法律を改正し、病院や学校、育児・託児所などの敷地、子どもの遊び場(playgrounds)などを、全面的に禁煙とすることにした。これに違反すると、£100 (約15,000円)の罰則金が課される。
Wales自治政府の「Mental Health and Wellbeing (精神健康・福祉)」相の Ms Eluned Morgan (エレーヌ・モーガン)は、『 UK (Scotland, Wales, England, Northern Ireland)で、Walesが先頭を切って、この法律を成立させたことに、「immensely proud (とても誇りに思う)』と、述べる。
しかし、タバコを吸う権利を主張する民間団体「The Freedom Organaisation for the Right to enjoy Smoking Tobacco」は、この新法を「particularly unjust (極めて不当)」で、「unnecessary and wrong (不必要で間違った)法律だと決めつけ、激しく自治政府を避難する。「政治家から、とやかく言われる筋合いはない」が、「スモーカー」の本音とか。
おわりに:「これでも、他人に気を遣って、タバコを吸っている」は、喫煙者の言い分だ。そして、その辺に、吸い殻をポイと捨てる。
(写真は添付のBBC Newsから引用)