「アストラゼネカ」接種で血栓:欧州各国でワクチン接種中断が相つぐ (RTE-News, March 11, 2021)
子どもの頃から一度は乗ってみたかったジェット旅客機。念願かなって、初めて乗った機種は、「DC-9」だった。その日の天気は快晴。飛行機が滑走を始めると、機内には、「コンドルは飛んでいく」の曲が流れた。札幌から釧路までの約50分間の空の旅だった。眼は丸窓の外の雲海に釘付けになり、有頂天の気分に満たされた。
その後、国内線はもとより、US, Canada, France,China便など、多くの国際便を利用した。飛行機が墜落する確率はゼロではない。しかし、飛行機がなかったら、旅は大変なものになっていたはずだ。
コロナ・ワクチン接種でも、確率的には、飛行機の墜落事故のようなリスクが考えられる。決して事故の起こる確率がゼロとは言い切れない。要は、「ワクチンの有益性が、そのリスクを大きく上回っているか」、それに加えて、「事故の起こる確率が極めて小さいこと」、「事故の責任が明確にされること」。この 3点の保証が欠かせない。
さて、「Anglo- Swedish company」の「AstraZeneca (アストラゼネカ社)」が Oxford大学と共同で開発したワクチン「AstraZeneca's Covid-19 vaccine」の接種で、これまで「blood clots (血栓)」事故が 22件発生している。
さらに、Austriaでは、このワクチンの接種を受けた看護婦 (49歳が「severe coagulation problems (重篤な血液凝固障害)」を起こして死亡した。もちろん、Austria政府は、3月 8日 (月)、AstraZenecaのワクチン接種を一時停止すると発表。
なお、Austriaと同様、当分の間、AstraZenecaの接種を見合わせることにした国は
・Denmark
・Norway
・Iceland
・Estonica
・Latovia
・Lithuania
・Luxenburg
・Italy
この動きに対して、「European Medicines Agency (欧州医薬品庁EMA)」は、『可能な限りの情報から判断すると、血栓の発症リスクは、接種者数全体の母集団の大きさに比較して、それほど高いものではない』とし、EU各国には、AstraZenecaの接種を続けることを推奨している。
ただし、Austriaの死亡事故については、調査を開始した。
なお、UKの「The Medicines and Healthcare Products Regulatory Agency (医薬品・医療製品規制庁)」は、『AstraZenecaと血栓との関連性が確認できていない』とし、このワクチンは「both safe and effective (安全かつ効果的)」である、と擁護に回る。そして、国民に対し、AstraZenecaのワクチンの接種を続けるようにと呼びかける。
また、Irelandの「The Health Products Regulatory Authority (医療健康製品規制局)」は、Austria政府の死亡事故調査を注意深く見守っている段階としながらも、現在のところ、AstraZenekaと血栓事故との間に「 causal relationships (因果関係)」は認められていない、との立場だ。
おわりに:今、この瞬間に「隕石が落ちて来て、死亡する確率」は、ゼロではない。しかし、ほとんどの人にとって、そのリスクは無視できるものだ。それよりも、怖いのは、某国に見られるように、国あるいは権力機関による情報隠しと情報操作だ。ワクチン接種のリスクについては、国民一人ひとりの冷静な判断が求められる。
追記:つい先程、Netherlands政府もAstraZenecaのワクチン接種を一時停止すると発表した。
(写真は添付のRTE Newsから引用)