地球上には多くの川があり沼があり、たくさんの淡水魚が住みついていた。しかし、人間は、川や湿地の真の重要性に気づかず、かってにダムを建設し、川や湿地を干拓、埋立てした。さらに、追い詰められた魚を、「unsustainable fishing (後先(あとさき)考えない漁法」で獲り尽くした。
おまけに、川や湿地に工場排水や下水を垂れ流し、不要になった自転車・タイヤや家庭ゴミまで捨てた。
その結果、川や湿地は、悪臭を放つ水たまりとなり、多くの魚は息絶えた。
「淡水魚 (freshwater fish)」の稚魚にとって、湿地帯は揺りかごのようなもの。それが地球上から 85%も消失してしまった。そして、世界の淡水魚の 1/3の種(しゅ)が絶滅の危機に置かれているという。
さらに、WWFなど世界 16の環境保護グループがまとめた報告書「The World Forgotten Fishes」によると、この 50年間で「回遊魚(migratory fish)」の個体数は 75%減少し、「大型淡水魚 (megafish)」に至っては、その 94%が地球上から消えた。
まさに、淡水魚は「catastrophic decline (壊滅的に減少)」しているのだ。
UKでは、「Sturgeon (チョウザメ) 」、「Burbot (カワメンタイ)」などはとっくに絶滅し、「Salmon (サーモン)」の姿も消えつつある。「European eel (ヨーロッパ・ウナギ)」は絶滅危惧死種 IA類のリストにのるありさまだ。
この淡水魚の存亡の危機を救うためには、
・環境法の適切な執行
・環境法に基づく保護活動の強化
・グローバルな自然回復運動の推進
が欠かせないと、WWFは政府に訴える。
おわりに:かってはどんな小川でも見られた「メダカ」。それが近頃は鑑賞魚として販売されるようになった。そのうち、アマガエルまで、ペット・ショップの商品になるのかと思うとゾットする。
(写真は添付のBBC Newsから引用)