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北極の成層圏に異変現象SSWが発生!:これは大寒波の前ぶれ? (RTE-News, February 4, 2021)

The last time Ireland had to deal with the results of a 'sudden stratospheric warming' event was in March 2018

 地上から高度およそ 10km- 50 kmの上空は「成層圏 (sratosphere)」で覆われている。

 さて、冬になると、北極圏は 1日中、闇に閉ざされるため、その上空の成層圏の気温は −60℃以下に低下し、北極 (north pole)の周りには強い西風の「polar vortex (極循環)」が吹き荒れる。

 しかし、その「極循環」の流れが、ときに、自棄(やけ)を起こしたように大々的に崩壊することがある。その頻度は、およそ10年に6回。すると、北極の成層圏の気温は、数日で 50℃も上昇し、成層圏の強い西風が東風に変わることさえあるという。これが「sudden stratospheric warmings (成層圏突然昇温, SSW)」と呼ばれる現象だ。

 

 この成層圏の気流の乱れが、ジェット気流 (jet stream)の進路を南にゆがめてしまう。その結果、シベリアの寒気が Europe、Nothern Asiaになだれ込み、この地域は暴風雪と大雪を伴う「大寒波 (The Beast from the East)」に見舞われる。

 

 2021年 1月のはじめ、北極で、このSSWの発生が確認された。Bristol大学の Dr Richard Hallは、2月の第 2週にヨーロッパ、アジア北部が大寒波に襲われる可能性が高いと見る。(Dr Hallらの研究結果の詳細は「The Conversation」に発表。)

 

 けれども、北極で「成層圏突然昇温SSW現象」が発生してから何日後に寒波が襲来するかを予測することは、きわめて難しいとされる。「polar vortex (極循環)」が 2つの「child vortex (小型極循環)」に分裂することもあれば、その「極循環」の中心がシベリアに移動することもあるからだ。

 また、「The North Atlantic winds (北大西洋風)」の東風のようにな「文絡要因 (confounding factors)」が働いて、「polarvortex (極循環)」の西風の勢力を弱めることもあるという。

 

 しかし、Dr Hallらの研究グループが過去 60年間に発生した 40回のSSWを解析したところ、その約 2/3は、SSW発生から最長 40日の間に、地上に寒波をもたらしていた。はたして、大寒波の予測は当たるだろうか。

 

おわりに:気象現象には多くの要因が働くため、その予測が難しいとされる。寒波の予報難度は、台風の進路予測とほぼ同程度か。Dr Hallらの寒波予報が外れてくれるといいが.......。

                    (写真は添付のRTE Newsから引用)

www.rte.ie