「Dave Prowse (デイヴ・プラウズ)」と聞いても、誰のことだか分からない。けれども「Darth Vader」と聞けば、世界中の人が知っている。
その、宇宙の「悪の権化(ごんげ)」の象徴俳優が逝去した。85年の生涯だった。
Mr Dave Prowseは身長198cmで、並外れた体格の持ち主だった。ボディビルとウェイト・リフティングで鍛えた体は、悪玉のリーダー格として威風堂々。「Darth Vader」の役柄は、まさに適役だった。
デビュー作は「James Bondシリーズ」の「Casino Royale」(1967)で、大男「Frankenstein (フランケンシュタイン)」の役で出演した。
その後、George Lucasに見い出され、「Star Wars: Episode Ⅳ - A New Hope」で「Darth Vader」を熱演する。ただし、残念なことに、仮面に隠れて本人の姿は見えなかった。
その「Darth Vader」 には、エピドードがある。Mr Prowseは「West Country accent (ES西部なまり)」がひどかったため、「Darth Vader」の声は「James Eart Jones」の声に吹き替えられたのだ。
また、俳優として映画に出演したものの、その役は、ほとんどが悪役、怪奇なフランケンシュタインであった。しかし、実社会では、1975年から「交通安全運動」に携(たずさ)わる。「The Green Cross Code Man」として、「The face of Bristish road safety (イギリスの交通安全の顔)」になった。
道路を渡るときの注意点として、子どもたちに
・Stop, look and listen. [ 止まって、(左右を良く)見て、(クルマの音を)聞け ]
と教えた。その一連の社会貢献が認められて「MBE (大英帝国勲章第五位)」が授与されている。
「Darth Vader」は、映画の中では「冷酷な暗黒のSith(シス)」であったが、家庭では良き夫であり、パパであり、おじいちゃんであった。
「May the Force be with him, always.」
Dave Prowse (デイヴ・プラウズ)」よ。常に、フォースと共にあらんことを祈る。
(写真は添付のBBC Newsから引用)