今年の満月は残すところ:「Beaver Moon」、「Cold Moon」だけ (RTE-News, Oct. 30, 2020)
人類が共同社会を形成するようになると、季節の変化に応じて、狩猟民族、農耕民族の別にかかわらず、一緒に作業、労働する必要性が生まれた。
このため、古代エジプト王朝や、古代インカ帝国などは、「太陽の運行」を正確に見極めて、種まきや穀物の収穫の時期を定めた。
けれども、季節の変化を知る手がかりは、月にも明瞭に現われる。「月の出」の位置、「月の運行の高さ」の他に、月の「waning and waxing (満ち欠け)」は、誰にでも簡単に見分けられた。
月を観察して、収穫どき、家畜繁殖のタイミング、狩猟時期を定め、集落の住民が協力して労働に勤(いそ)しんだのだ。
このため、季節の区切りとなる「full moon (満月)」には、その時期にふさわしい名称が与えられている。以下は、2020年の満月。
・January 10: Wolf Moon
・February 9: Snow Moon
・March 9: Worm Moon
・April 7: Pink Moon
・May 7: Flower Moon
・June 5: Strawberry Moon
・July 5: Thunder Moon
・August 4: Sturgeon Moon
・September 2: Full Moon & Harvest Moon
・October 1: Full Moon & Harvest Moon
・November 30: Beaver Moon
・December 30: Cold Moon
さて、11月最終日の今夜は満月だ。この頃、ビーバーが川でダムをつくり始めるとされる。また、この時期に「frost (霜)」がおり始めるため、「Beaver Moon」は「Frost Moon」とも呼ばれる。
また、2020年最後の満月は「冬のまっさかり」に現われる「Cold Moon」。古代の祭り「Yule」に因(ちな)んで「Moon before Yule」とも、「Long Night Moon」とも呼ばれる。
おわりに:満月が妖しげな光で辺りを照らすと、見慣れた風景にも、異様な気配が漂よう。オオカミならずとも、思わず、「月に吠える」衝動に駆られる。どうやら、「オオカミの血」が流れているようだ。
(写真は添付のRTE Newsから引用)