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忘れられているもう一つの、手に負えない感染症:暴力犯罪! (BBC-News, September 16, 2020)

Youths on street

 別にたいして寒くもないのに、頭からすっぽりフードをかぶり、街角の監視カメラを気にしながら群れ歩く若者たち。そして、面白くもないのに、大げさに手をたたいては、素っ頓狂な声を出して騒ぎまくる。

 まっとうな人生に背を向けて、世の中にすねて、ふてくされて、まだ年端(としは)のいかない子どもなのに、学校からも、親からも、そして世間からも爪弾きにされた若者が、街の片隅にたむろする。やがて、遊ぶ金欲しさになんでもするようになる。

 

 世界中が、新型コロナCovid-19の感染対策、治療法、ワクチン開発に追われている中で、人知れずジワジワと、その感染を拡大させているもの。それが若者の「violent crime (暴力犯罪)」だ。

 

 子どもや若者の犯罪は、万引き (shoplifting)などの、ほんの小さな悪事から始まり、エスカレートするとされる。どんな悪事であれ、それが見過ごされると、正しいことと悪いことの線引きが難しくなり、悪事は、まるで悪性のガン腫瘍のようにどす黒いものに変わって増殖し、周りにも伝染するようになる。

 その「violent crime (暴力犯罪)」は病気 (diseases)と同じで、他人に感染する (contagious)のだ。それに、すねた子ども・若者の多くのは、自分が悪いことをすると、どうなるのかが分かっていないという。

 そして気づいたときには、「重大組織犯罪 (serious organaised crime)」に手を染めて、麻薬取引 (drug-dealing),マネー・ロンダリング (money laundering)、請負い窃盗 (stealing to order)の仲間になっている。

 

 ScotlandのGlasgowでは、2013年、子どもの頃に悪ガキで刑務所を出たり入ったりした「コワモテの兄さん (ex-offenders)」に、「peer mentors (体験者補導員)」として働いてもらい、子どもたちを悪の道から救う取組みに力を入れたところ、これが大きな成果を挙げた。

 そこで、Walesの Cardiffでは、11 -18歳の子どもの更生・補導に、その「Glasgow scheme(グラスゴー方式)」を導入することにした。

 WHOの「violence prevention (暴力予防)」部門のアドバイザーで,「Public Helath Wales (ウェールズ公衆衛生局)」の Mark Bellis教授によると、子どもの「violent crime」を放っておくと危険だ。これには、子どもの教育、健康、刑事司法制度上の問題として、さらには公衆衛生上の問題として取り組む必要があると訴える。

 子どもと言えども、すぐに大人になり、組織犯罪から抜け出られなくなるからだ。

 

おわりに:子どもたちには、「正しい道」と「悪の道」をきちんと示すことが大切だ。大人の世界が、その 2つの道を混同していては、子どもが正しい道に進めなくなる。どんなに小さく、ささいなことでも、毒のあるもの、悪の匂いのするものには手を触れない、近づかない。この原則を守ることのできる大人が、どれだけいるだろうか。

            (写真は添付のBBC Newsから引用)

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