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瞳(ひとみ)が過去のすべてを物語る!:PTSDの新たな診断法 (BBC-News, July 26, 2020)

A woman's eye

 英語「pupil」には、「生徒」と「瞳、瞳孔」の2つの意味がある。その語源は、ラテン語「pupilla」。「女の子ちゃん」あるいは「(眼の中の)小さな小人ちゃん」の意だ。猫の眼がそうであるように、人間の瞳孔 (pupils)も、光の明暗に応じて調整される。

 さて、人間が強盗や猛獣・暴漢に襲われる、あるいは強いストレスに晒される戦争を体験したり、悲惨な交通事故に遭遇すると、その出来事が目に焼き付いて「悪夢 (nightmare)」にうなされ、突然の「flashbacks」に苦しめられ、孤独感、苛立ち (iritability)、罪悪感(guilty)にさいなまされる。

 さらに、不眠症 (insomnia)を発症し、注意力も散漫となって、まともな日常生活ができなくなると重症だ。これがPTSD (Post Traumatic Stress Disorder)、心的外傷後ストレス傷害と呼ばれる精神疾患だ。不安障害 (anxiety disorder)の一種に分類される。

A man's shadow in an underpass

 Swansea大学の Nicola Gray教授らは、PTSD患者の瞳 (pupils)が、普通の人と違っていることを発見した。

 強い恐怖を体験すると、人間の瞳孔は拡大し、その後、サッカー観戦などで興奮すると、極端な瞳孔反応を示すことが分かった。

 また、あるPTSDで苦しむ戦争体験者は、夜間、街燈や対向車のヘッドライトの明かりが眩(まぶ)しくて、運転できないと訴えるそうだ。戦争体験が瞳孔を大きく開かせてしまったことに原因があるという。

 Gray教授らの研究結果を臨床現場に応用すると、PTSD患者の瞳孔の開き具合あるいは瞳孔反応を診断することによって、PTSD症状レベルがより正確に診断できるようになるとか。

   (写真は添付のBBC Newsから引用)

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