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新しもの好き現代人:おかげで、どこも電子ゴミの山また山! (BBC-Sci & Env, July 16, 2020)

Phone waste

 どんな「もの」にも思い出があるもの。それが壊れてしまうのは、悲しく、ひどく残念な気持ちになる。修理してくれる人があったら、どんなにありがたいことか。

 学生時代の頃は、どの町にも、傘やラジオ・時計などを修理してくれるお店があった。物を大事にした時代だ。修理する人も、修理の仕事に情熱があった。しかし、その店主も年老いて、やがて、ほとんどの修理屋は店をたたんでしまった。

 そこで、壊れたラジオなどは、置き場に困り果て、捨てざるを得なくなる。それに、大量消費ブーム、安物の「Made in China」が追い打ちを駆けた。

 さらに、近年、洗濯機、掃除機、スマホなどの家電・電子製品は、回転が早い。数年で、新機能付きの新商品が販売される。

 当然のことながら、それまで使用していた掃除機やスマホはゴミとして捨てられる。電子ゴミ (e-waste)の調査会社「Material Focus」によると、UKの家庭・職場から排出される電気製品 (elecrical waste)は、年間145万トン。その約 1/3は、ゴミ箱に捨てられたもの、盗まれたもの、それに、使われずにしまい込まれていたものだという。

 これらの電子デバイスや家電製品を作るためには、膨大な資源・エネルギーが消費されている。家電製品だけに限っても、リサイクルされずに捨てられると、年間 £370m (約500億円)相当の地下資源 (Au, Cu, Al, Feなど) がムダになるとの、研究結果がある。

 むやみやたらと、地下資源開発を進めることは、環境汚染を招き、野生動物の生息環境を脅かし、気候変動を助長することにつながる。

E-waste graphic

 また、Lancaster大学の Dr Alison Stowellらの研究によると、2017年、UKで販売された電気製品 (electricals)は約165万トン。その一方で、ゴミ箱に捨てられて、最終的に焼却施設または埋立場に処分された電気製品は155,000トンであった。

 UKでは、古くなった電気製品の回収率の目標を65%に設定しているが、到底、その目標には及ばないのが現状だ。

 第一、消費者に「不用になった家電・スマホをリサイクルセンターに持ち込んで」と言っても、そのために、車を運転してわざわざ出かけるのは、ほとんど無理。

 それよりも、家電販売店に持ち込むと、キャッシュ・バックあるいはクーポン券を受け取とれるようにしたり、新商品の購入時に、古い製品を無料で引き取るようにする方が現実的だ。

 あるいは、メーカー、小売販売店、アマゾンなどのネット販売業者に、回収を義務付ける法案も検討されている。

 

おわりに:おそらく、どの家庭にも壊れた(古い)カメラやパソコンなどがしまい込まれているはず。その中に家族の写真や個人情報が入っているため捨てきれないのだ。電子デバイスのデータを消去するためには、有料の専門店に持ち込む必要がある。これが、電子ゴミの問題を複雑にしている。

                      (写真は添付のBBC Newsから引用)

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