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売れない「cars(車)」:飛ぶように売れる「bikes(自転車)」 (BBC-Business, May 7, 2020)

Cyclists on Westminster bridge

 ヨーロッパでは、大手自動車メーカーの生産ラインが一部操業を開始したものの、その販売は低迷している。カー・ディーラーのボヤキを尻目に、唯一、気炎を上げている産業がある。「bicycle industry (自転車産業)」だ。

 UKで、カー部品の他にバイク(自転車)の販売を手掛けているチェーン店「Halford (ハルフォード)」は、この一週間でバイクの売上を25%伸ばした。

 また、Bicester (バイチェスター)のバイク販売店「Broribb Cycles」では、新型コロナ感染拡大前まで、週に20-30台のバイクの売上だったのに、「lockdown (都市閉鎖)」後には、毎日、50台も売れる絶好調ぶり。まさに「It's just gone crazy.(すごいことになっている)」。

 人々は、コロナ感染を恐れて、バス・電車などの公共交通機関の使用を避けるようになった。今まで、ガレージや物置の隅(すみ)に放って置いたバイクを引っ張り出し、タイヤ、ブレーキ・ケーブルを修理して乗り回す人が多くなった。お陰で、バイク修理店は大忙し。修理の予約が次々に入り、2週間先まで予約でいっぱいだ。

 修理の依頼に、店を訪れる客の中には、15−20年ぶりにバイクに乗るという人も現われた。

 コンサルティング会社「SYSTRA」が実施たアンケート調査によると、イギリス人 (Britons)の 61%は、「post-lockdown (都市閉鎖後)」も公共交通機関を控えたいと思っているとか。

 なお、「emergency services 医療緊急サービス)」で働く人のバイク購入件数は200%増にのぼった。

 このように、バイクが一気に街なかに溢れ出したため、UKの主要都市では、既存の「自動車道 (carriageways)」の一部を、一時的に歩行者・バイク専用レーンに変更する動きが加速している。

Temporary walking infrastructure set up on British roads during the coronavirus lockdown

 ドイツも、また、「lockdown」の期間中、「social distaning」を確保するための措置として、臨時のバイク専用レーンを設置し、フランスの Parisでは「corona cycleways (コロナ・バイク専用道路)」を設けて、バイク専用レーンを新たに 650kmも延長した。 

 さらに、Scotland自治政府は、この機会に約 £10m (約13億円)を掛けて、恒久的なバイク専用レーンを整備することにした。

 ところが、この動きを煙たく思う人もいるそうだ。「The Alliance of British Drivers (英国ドライバー連盟)」の「libertarian groupe (自由主義グループ)」は、車道にバイク専用レーンを設けて、これまでの車道を狭くする政策に猛反対している。 

 

おわりに:社会全体が苦難に窮しているとき、自己権利、既得権、束縛されない自由を主張しては、子どもの「ダダこね」になる。Aesop (イソップ)が「The old man and his sons」の中で記したのは、『細い棒切れ(slender rods)でも、3本にすると折れにくい』だった。今からおよそ 2,600年前のことだ。力を合わせないと、大きな岩も動かせないし、どう猛な狼を追い払うこともできない。

                      (写真は添付のBBC Newsから引用)

www.bbc.com