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「苦闘の手紙」Vs「励ましの手紙」:鬱・不安が霧散するコツ! (RTE-News, April 14, 2020)

To: Dr Eddie Marphy

 

 私の名前はMary、42歳。現在、子ども1人に夫と一緒に暮らしている。子どもの頃は、不安な気持ちに駆られたり、自信が持てなくて悩んだ。ティーンエイジャになると、学校でイジメを受け、睡眠薬を大量に飲んだこともあった。

 社会に出ると総務職に就いたが、お酒を飲むようになり、二日酔いの状態で職場に向かうことも少なくなかった。心の苦痛から逃れるために、さらに深酒をするようになり、知らぬ間にうつ病(depression)に、はまっていた。

 そのことは、夫にも、誰にも相談できず、精神的に追い詰められて行った。

 そして、ついに、心が破綻 (breakdown)状態になって、精神科医(psychiatist)の診断を受け、アルコール依存症 (alcohol dependency)の治療を受けた。しかし、本当に治療が必要なのは「うつ病」であって、深酒は、心の苦痛から逃れるための「偽装行為 (smokescreen )」だった。

 治療を続けて2年が経過し、お酒は飲まないようになった。ところが、ある日、ベッドから起き上がることさえできなくなった。一時、改善したかに見えた「anxiety (不安神経症)」が再発したのだ。

 もう、どうしたら良いのか分からず、毎日、もがき苦しむ日々を送っている。どうか、この状態から助けて下さい。

 

Dr. Eddie replies to a reader suffering from mental health issues.

To: Mary

 

 あなたがこれまで受けた経験と心の苦痛を知って、衝撃を受けました。うつ病に苦しむ人は、その苦痛から逃れるために、アルコールを飲んでしまうもの。幸い、今のあなたは、お酒を飲んでいないようす。そのことは、あなたに、強い意志と、自分を取り戻そうとする力がある証(あかし)です。

 ただ、子どもの頃からあなたに付きまとっていた「不安」とは、どんなものだったのか、また、その不安の中に「social anxiety (社会不安)」があったのか、知りたいものです。

 また、あなたの「self-esteem (自尊心、矜持)」についても興味があります。

 気分が落ち込んで、何十年も暗い日々を送っている人には、うつ病(depression)が原因ではなく、自信 (confidence)を失って自尊心が薄れている人が多いからなのです。

 自分に自信をなくすと、人は、「否定的な思い込み (negative core beliefs)」に取り憑かれるものです。『自分は可愛くない』、『自分は他人から拒絶される運命にある』、『自分は欠陥だらけの人間で、誰からも好かれない』などと、かってに妄想を抱いてしまうのです。

 さて、不安神経症うつ病の治療には「認知行動療法 CBT」が効果的で、怯(おび)えの気持ちやネガティブな考えが頭から離れないようであれば、「マインドフルネス低減法MBSR (mindfulnes-based stress reduction )」の治療がお勧めです。

 いずれの治療の際にも、評判の良い開業医を探す必要があります。

 Mary、あなたは強い人です。心の病に打ち勝つ力と、頑張ろうとする資質があります。どうか、ステップを踏んで、治療に専念して下さい。まずは、お酒に頼らないようにすることです。

 

おわりに:Dr Eddieは、Irelandの著名な臨床心理学の専門家。メンタルヘルスの問題に苦しむ人に、丁寧に対応している。英文も論理的で簡明。

       (写真は添付のRTE Newsから引用)

www.rte.ie