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若もの達のタバコ離れ:昔クール、今ダサイ! (BBC-Health, March 7, 2017)

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 タバコを指に挟んで、ちょと伏し目がちなポーズをとり、時々、思いついたようにタバコを吸っては、その煙をスーッと吐き出す。そんな姿が「恰好いい (cool)」と、もてはやされた時代もあった。映画やテレビドラマでも、タバコの煙を燻(くゆ)らせる場面がが多かった。
 タバコが一世を風靡(ふうび)したそんな時代だ。大人のまねごとをしてみたくて、うずうずしている若ものが、背伸びをしてタバコに手を染めたとしても、誰も、とやかく言うことはなかった。そしてまた、どんな小さな町にもタバコ屋があった。
                                                                       
 ところで、そのタバコ (tobacco) の原産地は南米のアンデス山脈地方だ。1500年代初め頃、スペイン人がこれを自国に持ち帰って、ヨーロッパ中に広めた。したがってShakespeare (1564-1616) の時代には「tobacco」も「smoke (タバコを吸う)」の語も使われていなかった。1617年以前、英語で「smoke」と言えば、単に「煙を出す」ことだったのだ。
 それがわずか 100年足らずで「tobacconist (タバコ商人)」と言う言葉まで生まれる。

 近年になって、タバコの煙には有害な化学物質が含まれること、またそれがガンや呼吸・循環器系疾患の発症リスクを高めていることが明らかにされると、広告規制や公共室内の分煙、禁煙規制に踏み切った国は多い。

 イギリスでは、この数十年間にわたる禁煙活動が功を奏したせいか、「国家統計局(The Office of National Statistics)」が発表した統計データによると、イギリスの若もの(18-25歳) の喫煙者の割合が、最近 5年間 (2010-2015) で 5%も減少し、20.7%となった。つまりタバコを吸う人は 5人に 1人になった。
 また、タバコを吸ったことがない若もの (18-25歳) は、46年前の 1974年の統計では46%であったが、2015年では 70%に跳ね上がった。
 今や、若もの達の間で、「タバコを吸うこと (smoking) 」が「cool」とは見なされなくなったのだ。むしろ、どこかしらに「ダサイ (out-of-date) 」感じが漂うようになった。

 ちなみに、イギリス全体の喫煙者数は 720万人。1974年には 50%を越えていた喫煙者の割合は、2015年では 16.9%に減少した。(日本の成人喫煙者人口は 2,027万人、喫煙者率 19.3% [2016年統計] )

 しかし、そのイギリスで問題がないわけではない。それは、電子タバコ (e-cigarretes) の普及だ。現在、イギリスにおけるその利用者は 230万人。その約半数は禁煙のためにタバコから乗り換えた人が占めるという。
  さらに、子ども向けのフルーツ味 (fruit flavours) 電子タバコまで出回るに至って、「a major public health concern (重大な公衆衛生上の問題)」となった。電子タバコの安全性が速やかに証明されることが求められている。 
                                  (写真は添付のBBC Newsから引用。)

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