2015-05-01から1ヶ月間の記事一覧
英語のvitaminは、20世紀のポーランド生まれの米国の生化学者Casimir Funkが、ラテン語のvita(life生命)とamine(アミノ酸)を合成して命名した語。これには、当時、ビタミンにアミノ酸が含まれていると考えられていた背景がある。 日常、大して気にも留めない…
チョコたっぷりのエクレアにはイチコロだ。みたらしダンゴにも、つい惹かれる。でも、ちょっと待って。口にする食品は、その原材料を確認した方がいい。製品ラベルに「砂糖」の文字が一番先に記入されていませんか。 フルーツ・スナックも同じだ。果実・果汁…
西の空が夕日で紅く染まり、やがて、太陽が遠くの山際に消えて、空に星が輝く暮れ時、青みがかった黒のキャンバスに、「スー」と1本の明るい線が走る。流れ星(meteor)だ。その流れ星の多くは、地上に届く前に、燃え尽きてしまうが、中には、「着地」に成功す…
エスプレッソ(espresso)は味に独特の深みがあり、やみつきになる。友人の1人は、大のエスプレッソ愛好者で、イタリアで購入したマシンが自慢。一日、何度もその味を楽しんでいた。 コーヒーにはカフェイン(caffeine)が含まれていて、その成分が、日常の生活…
太陽の強い紫外線は人の皮膚組織を破壊し、皮膚ガンの発症リスクを高める。 1985年、北極上空でオゾンホールが発見されると、世界主要国は、オゾン層を破壊する化学物質の規制に動き、1987年モントリオール議定書を採択した。しかし、実はこのとき、南極上空…
先日、スタバ(Starbucks)カフェの前を通ると、行列ができていた。今や、コーヒーは世界中で大人気だ、その毎日の消費量は、カップにして20億杯。この15年間で45%も伸びたのだ。コーヒー農業に携わり、生計を立てている世帯数は2,500万。これにコーヒーの流…
「心不全」は、心臓の筋力低下あるいは硬化によって起こる病気だ。症状が悪化すると、日常の生活で、疲れやすくなったり、息切れするようになる。イギリスで心不全を煩う患者数は約90万人(日本の患者数の約1/3)。現代の疫病(modern epidemic)の一つだ。こ…
「夏の海で小麦色の肌に」。その「若さと健康のイメージ」の耳障りの良さに踊らされて、数十年前は、ずいぶんと無理をしたものだ。 さて、イギリスのSanger研究所が、55歳から73歳までの被験者から皮膚のサンプルを提出してもらい、これを調べたところ、被験…
西洋のことわざに「目は心の窓」(The eyes are windows into the soul.)、中国の孟子言行録に「目は心の鏡」、そして、日本でよく知られたことわざに、「目は口ほどに物を言う」とある。洋の東西を問わず、人は昔から、「心(脳の働き)は目に現われる」こと…
「エルニーニョ」。これまで干ばつや洪水などを引き起こしてきた、やっかいな気象現象だ。今年は、そのエルニーニョの兆しがすでに確認されていて、中規模程度に発達すると予想されている。Adam Scaife教授によると、この年末までに発生する確率は70%。 赤…
ロンドンの中心部にあるムーアフィールド眼科病院(Moorefields Eye hospital)で、アカントアメーバ角膜炎(acanthamoeba kerratitis)の患者が急増している。この炎症は、主にコンタクトが原因で、目に痛みやかゆみを伴い、ときに深刻な損傷を招くこともある。…
「ロメオとジュリエット」に関心のある方は誰でも、その作者、シェークスピアの顔を思い浮かべることができる。身なりをきちんと整えて、鼻筋が通って口髭を生やし、ちょっと額の広い初老の紳士。いかにも作家らしい雰囲気の漂う人物。それが、大方の人にと…
「コーヒーはエスプレッソに限る」、「いや、カフェオレだ」、「そうじゃない、アメリカンが最高だよ、君、・・・」。コーヒー党の面々には、それぞれの好みがあり、主張がある。 では、哲学者はコーヒーをどう見るか。表題の記事は、コーヒーの違った側面に…
地球の成層圏(約10km~50km上空)に留まるオゾン層は、太陽からの強烈な紫外線を吸収し、皮膚ガンの危険性から守ってくれている。 今からちょうど30年前の1985年、英国南極調査所(British Antarctic Survey)の研究チームが、南極大陸上空にオゾン層の空白帯…
宇宙。そこは深遠な、ほとんど無限∞の世界。起きている事象もスケールが桁違い。太陽系は、ごくほんの小さな空間に過ぎず、太陽のような恒星が数千億個の単位で集まって、渦巻き状の銀河系を構成している。お隣のアンドロメダ星雲(Andromeda Galaxy)までは約…
運動で汗を流すことが、どんなに体に良いことか。この記事は改めて教えてくれる。 ノルウエーのOslo大学病院で、高齢者5,700人を対象にした追跡調査が実施された。その目的は、運動と健康との関係を調べること。その結果、「週3時間運動する習慣のある人は、…
大好きなチョコレート、せんべい、だんご。でも、ちょっとラベルの確認を。食品表示法で定められたラベルの原材料名のことだ。そこには、「砂糖」の文字があるのでは。おいしいものを作るには、「砂糖」が欠かせない。とすれば、日常、たくさんの砂糖を摂っ…
「箸より重い物を持ったことがない」とは、「ぜいたくに、大切に育てられ、汗を流して働いたことがない」、喩えとか。「でも、お坊ちゃま、車のハンドル握れる力は、ございますの? 健康は大丈夫?」 表題の記事は、健康チェックの革新的な方法が見つかった…
身の周りには、目に見えない、有害な細菌(病原体)が一杯だ。けれど、大丈夫。体の免疫システムが働いて、病気の感染から守ってくれている。この働きは環境変化に応じて変動し、人類の進化の過程で重要な役割を果たしたことがわかった。 国際研究チームが、…
英語のstrokeには「一撃」、「オールの一漕ぎ」の他にも、「脳卒中(発作)」の意味がある。中世の頃、病気は罪深い行為に対して神が下した天罰とされていた。その名残の意味だそうだ。ずいぶんに無慈悲な罰だと思う。 日本語の「脳卒中」は、脳梗塞、脳出血…
NASA(アメリカ航空宇宙局)の無人探査機ドーン(Dawn)が2015年3月6日に準惑星ケレス(セレス)の周回軌道に入った。ドーンの主な目的(mission)は、先に、望遠鏡で発見された水蒸気の噴出を詳しく調べることにある。周回軌道に入ったのが、ケレスの夜。このた…
古代エジプト人は、神々の姿を動物に似せた。民衆は神の世界との接点を求めて、神殿に赴き、動物のミイラを神に捧げた。それが、当時の慣習であったのだ。BC800年からローマ時代にかけて、その「しきたり」はピークに達し、ミイラの加工は工業規模で行なわれ…
地球は約46億年前に誕生した。その後、数億年を経て、海が誕生した。海からは沢山の生命が生まれた。では、その海の水はどこから来たのか。その謎をイギリスWarwick大学Dr Roberto Raddi率いる研究チームが、ウィリアム・ハーシェル望遠鏡の観測で追い求め、…
オパールは美しい。それに、ありがたいことにダイヤ、サファイアに比べて、値段が手ごろだ。しかし、一口にオパールと言っても、実は、色も種類も多様。表題のプレシャス・オパールとは、虹色にキラキラと輝くオパールのこと。 ちょうど今から100年前、一人…
「ヨー・ホー・ホー。これから酒だ!」(Yo-ho-ho, and a bottle of rum!)。船乗りが一斉に叫ぶ声。スティーヴンスン(R.L.Stevenson)作「宝島」の一節である。少年の「私」は、その小説の主人公と同じくらい、心をワクワクさせた。海賊は、人間の恐竜みたい…
どうやっても、やせたいと思っている人は多い。この記事は、そんな方に対する警告。 2015年4月12日、Eloise A. Parryさんが病院で21歳の人生を閉じた。死因は「やせ薬」の吞みすぎ。その「やせ薬」の正体は、ジニトロフェノール(DNP)。農薬であり、爆薬でも…
一時、すべてを忘れて、夜空を見上げてみよう。深い紺青の空に、幾つもいくつも星が見える。みな核融合反応で燃え、輝いているのだ。あれが宇宙。「宇宙」とは、無限の時間と空間を表わす言葉。その無限の流れに漂っているに過ぎない「私」は、宇宙の「慈し…
人類は文明を興し、科学や医療技術を格段に進歩させた。そのお陰で、生活は快適で豊かになり、寿命は延びた。しかし、失ったものもある。 その一つはある種の腸内細菌。腸内には数多くの細菌が互いに微妙なバランスをとって活動している。その細菌の多くは無…
動物園は英語でzoo。これを広辞苑は、「各種の動物を集め飼育して一般の観覧に供する施設」と定義する。しかし、イギリスの辞書(COD)には、「野生動物を研究し、保護し、一般の人に見せるための施設」とある。どちらに、野生動物に対する愛情と敬意が感じら…
www.bbc.com 表題は、BBCが、今週(四月最後の週)報道された科学技術系ニュースのベスト・トピックスとして選んだ話題の一つ。 旧ソビエト社会主義共和国連邦(ソ連)の建国の父、レーニンは、今、ロシア共和国の赤の広場の霊廟で静かに眠る。そう、眠るよ…