ジュース・ダイエットは短期間に体重を落とす方法として宣伝され、さまざまなダイエット用ジュースやスムージーが販売されている。なかには、体内の老廃物除去効果をうたったものまである。
しかし、「すぐに痩せる」の宣伝文句には危険がいっぱい。痩せたいと願う多くの人の弱みにつけ込んだ、その商法にだまされると、とんでもないことになる。
「The Btitish Dietetic Association (英国栄養士協会)」の Ms Aisling Pigottによると、そもそも、体重は、そんなに簡単に減るようなものではない。
まともな食事をとらずに、野菜・フルーツジュースだけを飲んでいると、身体に異常が生じる。
確かに、野菜・フルーツジュースは、ミネラル、ビタミンが豊富だ。しかし、たんぱく質、脂肪分などの栄養分は、ほとんど含まれていない。それに、フルーツと言っても、これを丸ごと(皮、種子を含む)ジュースにしたものでなければ、繊維質もゼロ。
このため Plymouth大学の Gail Reed教授によると、栄養バランスの崩れた食事を続けていると、次のような症状が現われて、やがて身体はボロボロになる。
・鉄分不足(とくに女性)は貧血 (anaemia)を起こし
・筋肉が衰え
・腸、肺、肝臓の機能不全
その他の、栄養障害の症状として
・頭痛
・めまい
・極度の疲労感
・下痢 (diarrhoea)
・便秘 (constipation)
が挙げられる。
さらに、フルーツジュースには、歯のエナメル質を溶かす酸味成分(クエン酸、リンゴ酸、コハク酸など)が含まれている。また、カロリー摂取不足が続くと、口臭 (breath smell)が激しくなる。
それに、たとえ、ジュース・ダイエットで一時的に痩せたとしても、これをやめて普通の食生活に戻ると、体重はすぐに元の状態となる。
なお、肥満の人の2型糖尿病の治療法として「低カロリーダイエット療法」があるが、これは、あくまで医学療法であり、素人が自己流で行なうものではない。
豪州の著名な元クリケット選手「Shane Warne (シェーン・ウォーン)」(53歳)は、すぐに減量したいと望んで、2週間のジュース・ダイエットに入ったが、3月 4日 (金)、突然死亡した。ジュース・ダイエットが直接の死亡原因かは定かではないが、Mr Warneは、これまで何度もジュース・ダイエットをやっていたという。
さて、体重を少しでも落としたいと願うなら、食生活に
・フルーツ・野菜
・全粒粉
・豆類、ナッツ・種子類
を取り入れ、活動的な毎日を送ること。そして
・アルコール
・ポテトチップス (crisps)
・ビスケット
・間食
はできるだけ避けることだ。
そして、ダイエット達成目標を無理のないものに設定し、気長に取り組むこと。
おわりに:だらけていては、なにもかもブヨブヨになる。心の状態はすぐに顔と身体に現われる。「三年寝太郎」のむかし話は、働くことが嫌い、学びが嫌いな怠け者の、愚かな空想物語に過ぎない。
(写真は添付のBBC-Newから引用)