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Magic mushroomの幻覚成分「サイロシビン」:うつ病に効いた ! (BBC-News, Apr 15, 2021)

woman in eye shade listening to music

1.幻覚剤サイロシビンの臨床試験

 「psilocybin (サイロシビン)」はマジック・マッシュルームから抽出される幻覚成分。これが「depression (うつ病)」の特効薬となる可能性がある。

 Oxford大学の Guy Goodwin教授らの研究グループは、被験者59人と小規模ながら、6週間にわたる「psilocybin」の臨床試験(trial)を開始した。

 

 被験者を治療薬別、すなわち「psilocybin」治療グループと従来型治療薬SSRIの一種「escitalopram (エスシタロプラム)」治療グループに分けて、被験者全員には「theerapy (心理・物理療法)」も受けてもらいながら、幻覚剤「psilocybin」の治療効果を探った。

 

2.うつ病 (depression)とは

 うつ(鬱)病は

・夜眠れなくなり

・やる気が失せて

・好みが変わり

・気分が落ち込み

自殺念慮に追い込まれる

恐ろしい精神疾患 (psychiatric disorder)だ。

 

3.従来型うつ病治療薬SSRIとは

 「depression (うつ病)」や「anxiety (不安症)」の治療には、一般に、SSRI (Selective Serotonin Reuptake Inhibitors [選択的セロトニン再取り込み阻害剤])タイプの

・Escitalopram:エスシタロプラム

・Fluoxetine:フルオキセチン

・Citalopram:シタロプラム

・Setraline:セルトラリン

 

が処方されることが多い。

 

 これらの治療薬は、いずれも脳内のストレス反応機構「扁桃体」に働いて、「painful emotions (もだえ苦しむような心の痛み)」を和らげる効果があると考えられている。

 しかし、必ずしも、どんな患者にも効くわけではない。それどころか、全ての感情を鈍らせて「emotional blunting」、次のような「unwelcome side-effect (望ましくない副作用)」を招くことも少なくない。

 

・downsiness:眠気

・sexual dysfunction:性機能不全

・dry mouth:口の乾き

 

 今回の臨床試験でも、「escitalopram(エスシタロプラム)」治療グループには、上記の副作用が現われ、他にも「一過性症状 (transient symptoms)」として、薬の投与後に、頭痛 (headackes)が見られた。

Magic mushrooms

4.幻覚剤による「うつ病」治療

 さて、幻覚成分「psilocybin」は、脳の「receptors (受容体)」に働いて、思考回路を再編成すると考えられている。

 これを裏付けるように、「psilocybin」治療グループには、従来型SSRI治療に現われるような副作用はほとんど認められず、この治療を受けた被験者は、『頭が「recalibrated (再校正された)』とか、『ずっと、もやもやしていた心がリセットされた』などと述べたと言う。

 

 したがって、psychedelic drug (幻覚剤)である「psilocybin (サイロシビン)」の治療効果は、「considerably better (かなり良好)」だったことになる。

 

 ただし、今回のOxford大学の臨床試験は、小規模で、それも初期段階のステージに留まるもの。このため、「psilocybin」が「escitalopram (エスシタロプラム)」に比べて、ずば抜けている (quantum leap)との結論を出すには、時期尚早だ。  

 Goodwin教授は、今後、さらに研究を進める予定とか。

 

おわりに:効くか、効かないか、分からない。確かなことは、恐ろしい副作用があることぐらいだ。誰だって、そんなうつ病の薬など、怖くて服用できない。

 うつ病に苦しむ人は、どんなに「サイロシビン」の治療薬を待ち望んでいることだろう。

                (写真は添付のBBC Newsから引用)

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蝶に戯れ、蝶に遊ぶ:これほど、心の晴れるものはない! (BBC-News, Apr 13, 2021)

butterfly

 UKの「Butterfly Conservation (蝶類保存協会)」が取り組むプロジェクトはユニークだ。蝶の保護活動を進める中で、これを人々のメンタルヘルスの改善に役立てようとしている。

 

 さて、昨年、「lockdown (外出禁止措置)」を受けて、多くの人が、家の中に閉じこもる生活を余儀なくされた。Cumbria大学が実施たアンケート調査によると、このとき、回答者の 83%の関心は、野外の蝶やミツバチに向かったという。butterfly

 ところが、過去40年間で、UKに生息する「butterflies (蝶)」の種(しゅ)の76%が減少し、「lager moths (大型の蛾)」は、過去 50年間で 30%以上の個体数が減少した。

 

 自然界から蝶・蛾が消えると、何が起こるか。

 蝶類は、植物にとって重要な「pollinators (花粉媒介屋)」であり、また、多くの小鳥や哺乳動物がこれを餌にしている。このため、蝶類の衰退は、地球の「ecosystem (生態系)」の弱体化につながる。

 

 それに加えて、人々が野外に足を運んで、わずかな時間と言えども、蝶類を観察し、自然と触れ合う機会が得られるならば、

 

・ストレスが軽減され

・幸福感に満たされ

・エネルギッシュな気分に浸される

 

効果が期待できる。

 

 春の到来で、喜びに満ちて、花から花へと飛び交う蝶。人は、その蝶の舞の美しさに心が安らぎ、生きる感動を受けて、野生生物とのつながりを実感できるという。butterfly

おわりに:「ecosystem (生態系)」全体を念頭においた自然保護活動や自然の観察は、なかなかできるものではない。殺虫剤、農薬を全く使わない野菜・果樹栽培は、ほとんど不可能に近い。あちらを立てれば、こちらが立たず。自然保護活動には、科学的なデータに基づいた、具体的かつ明確な設計図が欠かせないようだ。

                        (写真は添付のBBC Newsから引用)

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口を閉ざして秘密にしている後遺症:コロナが脳神経を破壊する! (BBC-health, Apr 6, 2021)

medics wheeling bed through corridor

 コロナCovid-19感染は、病院で回復したと告げられても安心できない。
 Oxford大学の Masud Husain教授らの研究チームが、この 6ヶ月間で Covid-9に感染した患者約 50万人の電子カルテを分析した結果、感染治療後の患者の約 1/3に精神・神経疾患を発症していることが分かった。(研究の詳細は「The Lancet psychiatry Journal」に掲載)

 なお、コロナに感染し、重症化した患者ほど、メンタルヘルスや脳障害 (brain disorder)の発症リスクが高く、最も多かった精神疾患は「anxiety disorder (不安障害)」と「mood disorder (気分障害)」で、ウイルス感染による合併症として「strokes (脳卒中)」、「dimentia (認知症」も発症していた。
 しかし、「flu (インフルエンザ)」感染とは違って、コロナ感染者に「Parkinosn's (パーキンソン病)」、「Guillain-Barré syndome (ギランー・バレー症候群)」の発症リスクが高くなることはなかった。

 ところが、精神疾患または脳卒中を発症した一部の患者に、恐ろしい「delirium (せん妄、精神錯乱)の症状が見られた。 
 その一方で、コロナ感染患者の認知症 (dementia)の発症率は 0.7%であったが、認知症を起こしても、精神錯乱に至った患者はいなかった。

 今回の Oxford大学の研究は、あくまで医療データを分析した「observational study (観察研究)」であり、なぜ、コロナCovid-19が精神疾患を引き起こすのか、その原因を突き止めたわけではない。

 それでも、コロナウイルスは呼吸器系にダメージを与えるだけにとどまらず、脳内に侵入して、脳神経組織にも深刻なダメージを与えることが、これではっきりした。
 また、コロナに感染すると、血栓症を起こして「strokes (脳卒中)」を招き、あるいは免疫システムが弱体化して、炎症や合併症を引き起こし、それが間接的に脳に影響を与えているのかも知れないという。
 
 ともあれ、コロナに感染して軽度の症状で済んだからと言って、油断は禁物。
「後遺症 (after-effect)」が、ボディブローのように暫く経ってから脳にやって来たら、その後の人生がメチャクチャになりかねない。

おわりに:とうとう、しびれを切らした一部の人間は、マスクをすれば、夜の飲み会、野球観戦、観光バス、マイカー旅行もだいじょうぶと、勝手な理屈をつけて、コソコソと動き出した。たとえ、感染しても、なんの責任も問われないからだ。こうして、コロナ感染拡大は、とどまるところを知らない状況に入った。また、回復した人に、後遺症が発生しなかったかなどの医学情報は、全て秘匿、秘密、隠蔽されて、闇の中だ。日本は先進国の民主国家であり、その医学レベルは世界トップレベルにあったはずではなかったか。コロナワクチンもつくれず、恐る恐るのコロナ対策も、後手に回って遅れてばかりでは、気の毒としが言いようがない。
  (写真は添付のBBC Newsから引用)

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美しい髪は健康的な頭皮から:シャンプー&マッサージのコツ! (RTE-News, Apr 6, 2021)

From clarifying shampoos to head massages, Prudence Wade finds out how - and why - we should be dedicating a bit more time to our scalp.

 旧約聖書に記録された「Samson (サムソン)」の怪力の秘密は、そのフサフサした髪の毛にあった。髪の毛は「vitality (活力)」、「life (生命)」、「beauty (美貌)」の象徴だ。

 お寺のお坊さんでもない限り、朝、ベッドから起き出して顔を洗い、髪の毛を手入れしない人は、いない。しかし、髪の毛だけに注意がいって、髪が生えている頭皮 (scalp)のことを忘れると、どんなに、髪の毛を櫛(くし)といても、やがて、枝毛、抜け毛がめだつようになりかねない。

 健康的な頭皮を保つためには、以下の 4点に注意する必要がある。

 

1.Why should we take care of our scalp?

 先進的な化粧品、ヘア・ケアの銘柄として知られるようになった「Living Proof」の Mr Michael S. Corbyが言うように、『髪の毛を植物にたとえるなら、頭皮はそれを育てる土壌。土壌に栄養分が十分に行き届かないと、植物はスクスク育たない。』

 毛髪の根元の「毛包 (hair follicle)」が栄養不足になると、「hair texture (毛髪組織)がダメージを受けて、髪の毛が細くなったり、抜け落ちてしまうことさえある。

 

 さらに、頭皮には適度な「水分補給 (hydration)」と「hair oiling and massages (ヘア・オイル&マッサージ)」が欠かせないという。

2.What should we be doing to boost scalp health?

 ・シャンプー

 頭皮の毛穴が皮脂 (sebum)や汚れ (dirt)で詰まると、「毛包 (hair follicle)」が十分に成長できない。そこでシャンプーが必要になる。ただし、シャンプーの際に、頭をゴシゴシ洗ったり、「exfoliators (角質除去剤、エクスフォリエーター)」を使うと頭皮が傷ついてしまう。

 シャンプーは週に一回とし、「detoxifying shampoo」(無害シャンプー)」がお勧め。これはラウリル硫酸ナトリウムのような「硫酸塩 (sulfate)」を含まない「サルフェート・フリー・シャンプー」のこと。

 

 ・頭皮マッサージ

 およそ4,000年の歴史を誇るインド医学「Ayurveda (アーユルヴェーダ)」では、毎日の頭皮マッサージが欠かせない。

 少なくとも週に一回、頭皮マッサージをすると、血行がよくなり、酸素が十分に頭皮に供給されて、髪の毛もズンズン伸びる。

 なお、時間に余裕があるときは、頭皮マッサージの前に、首筋や肩の筋肉をほぐすこともお勧め。

 さて、そのマッサージだ。まず頭のてっぺん (crown chakra)の髪の毛の生え際に、両手の 4本の指を添えて、指の先で「pressing some pressure (押す)」、「tugging (引っ張る)」の刺激を与える。その後、頭全体にわたって「pressing」、「tugging」のマサージを広げる。

 このマッサージに当たって、ヘア・オイルを使用するならココナッツ・オイルがベスト。ただし、髪の毛の性質によって、次のようにヘア・オイルを使い分けることも選択肢の一つ。

・髪の毛が薄い:アーモンド・オイルまたはセサミ・オイル

・髪の毛が細い:ココナッツ・オイル、アルガン・オイル

・髪の毛が濃い:オリーブ・オイルShameless Maya GIF - Find & Share on GIPHY

3.How can our lifestyle have an impact?

 頭皮の健康状態は

・hormones:ホルモンの分泌

・stress:ストレス

・diet:食生活

に深く関わっている。頭皮に異常が現われたときは、皮膚科専門医の診断を受けるのがベスト。

 なお、健康な頭皮、髪の毛を保つために、食生活では、タンパク質、ビタミンB、亜鉛を豊富に含む食品の摂取に心がけること。Health Exercise GIF by Herbalife Nutrition - Find & Share on GIPHY

4.What mistakes might we be making?

 頭皮も髪の毛も清潔に保つことが大切。とは言っても、毎日、シャンプーすることは、推奨できない。洗いすぎ (over-washing)は、頭皮の「hydration (水分補給層)」を剥ぎ取り、乾燥 (dryness)、痒み (irritation) を生み出すだけだ。

 

 さらに、髪の毛が細い上に、パサパサに乾きやすいタイプの人は、「しっとりツヤツヤの髪に」と謳(うた)ったシャンプーは、やめた方が良い。髪の毛と頭皮の双方に掛かる負担が重すぎるという。

 また、頭皮が乾燥気味、痒い、吹き出物が出やすいなどの人は、思い切って、「sulpahte (硫酸塩)」成分が入ったシャンプーを捨ててしまうことだ。これを使い続ける限り、いつまで経っても「irritation (痒み)」が止まらない。痒みを止めようとして、またシャンプーを繰返す「悪循環」、「負のスパイラル」に誘い込まれてしまう。

おわりに:「サルフェート・フリー」と明記されたシャンプーなら、すぐに「硫酸塩」成分が入っていないことが分かる。しかし、一般の商品の成分表には、細かいカタカナの化学物質名が並ぶため、十分に判別できない。面倒でも、虫めがねとメモ帳を準備し、十分に調べてから購入すること (販売店の説明を鵜呑みにしない) 。

 また、頭皮に吹き出物や円形脱毛症などの異常が現われたときは、患者の話をよく聴いてくれる、信頼できる皮膚科を探すこと (見つけることは大変だが.......)。

                         (写真は添付のRTE Newsから引用)

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スーパーフード:栄養豊富で、健康に欠かせない食品とは! (RTE-News, Mar 31, 2021)

Move over blueberries, seaweed is coming for you.

 「superfood (スーパーフード)」と言うと、小さなパッケージで販売されている健康食品のイメージ。しかし、「superfood」の科学的な定義は存在せず、一般には、健康維持に欠かせない栄養素が豊富な食品を指す。

 今や「superfood」は、栄養バランスの取れた食生活の一役を担うまでになっている。

 なかでも、RTEが注目するのは次の 3品目だ。

 

1.Seaweed:海藻

 欧州・北米で日本食、寿司 (sushi)ブームが起きる以前の、数十年前まで「海藻(seaweed)」は見向きもされなかった。ほとんどの子どもは、板海苔(のり)を嫌った。

 しかし、Waitrose & Partnersの「The Food and Drink Report for 2021」によれば、「superfood (スーパーフード)」の代表格が「seaweed (海藻)」だ。

 

 その理由として、コンサルタント栄養士の Ms Sophie Medlinが指摘するのは、海藻に含まれる「iodine (ヨウ素)」。ヨウ素は「thyroid function (甲状腺機能)」に欠かせない成分であり、これが不足すると「infertilit y(不妊症)」を招きかねない。

 さらに、海藻は繊維質 (fibre)、抗酸化物質 (antioxidants)やミネラルも豊富だ。

 

 のり巻き寿司 (sushi)として、あるいはスープや炒めもの (stir-fries)に加えても、塩の代わりの調味料 (seasonings)として利用することがお勧めだ。

 

2.Ferments:発酵食品

 自家製の「ぬか漬け」もオツなもの。これをつくる行程 (process)が「心の癒やし (therapeutic)」になり、できあがったものは「美味しく(tasty)」、さらに腸にとっても「有益 (beneficial)」だ。

 発酵食品 (fermented food)は「gastroinstinal tract (消化管)」を通って「colon (大腸)」に行き着くが、「microbiome (腸内細菌叢)」の善玉菌と悪玉菌のバランスを整えるという大仕事をやってのける。

 なお、発酵食品として知られているものに

・sourdough:サワードゥ (パンの一種)

・kimchi:キムチ

・tempeh:テンペ

kefirケフィア

・kombucha:コンブチャ

 

3.Fibre:繊維質

 この数年、肥満や糖尿病が気になる人に、「low cab diet (低炭水化物ダイエット)」、「keto  diet (ケトジェニック・ダイエット、糖質制限ダイエット)」の人気が出て、「wholegrain (全粒穀物)」や「fruit & vegetables」も「fibres (繊維質)」も影を潜めた。

 

 しかし、ようやく、腸の健康が見直されて、ダイエットが変わりつつあるという。fibre (繊維質)には、食欲 (appetite)を抑える働きがある他に、血糖値を安定させ、腸の健康にも大事や役目を果たしていることが分かってきた。

 

 ただし、そうかと言って、スーパーフード専門店あるいは健康食品店に足を運んで、高価な商品を買い求めることなど不要。それよりも、バランスの取れた食生活を心掛けるとともに、カボチャの種(たね)やナッツ類、フルーツ・野菜をたくさん食べること。

 そして適度な運動を続けて、スイーツ・お酒は、ほどほどにする。健康の秘訣はこれに尽きる。

 

おわりに:どんなに優れた薬、スーパーフードであれ、摂り過ぎては体に毒。なにごとも「ほどほど (moderate)」が一番だ。しかし、「言うは易し、行なうが難し (easier than done.)」。昔から「中庸」の精神が尊ばれながら、実現できた人物の少ないことが、その難しさを物語る。  

                    (写真は添付のRTE Newsから引用)

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ドロドロ溶岩の噴出:Icelandの火山に野次馬が走る! (RTE-News, Apr 6, 2021)

Icelandic experts, who initially thought the eruption near Mount Fagradalsfjall would be a short-lived affair, now think it could last several weeks or more (File pic)

 この宇宙に地球が誕生してから約46億年が経過した。それでも、地球の内部は、灼熱したドロドロの溶岩でいっぱいだ。

 

 3月19日、Icelandの南西部「Reykyanes Peninsula (レイキャネス半島)」に位置する活火山「Mt. Fyjafjallajokull」近くの「Geldingadalur valley (ゲルディングガダールル谷)」で、「volcano eruption (火山噴火) 」が起きた。

 

 すると、怖いもの見たさ、あるいは大地の「spectacle (スペクタル・ショウ)」に惹かれて大勢の観光客が押し寄せた。「Iceland's tourism board (アイスランド観光局)」によると、噴火から 4月 4日 (火)までの約2週間の間に、この火山の見学に訪れた観光客は36,293人。

 

 さらに、気象局 IMO)」の発表によると、4月5日 (月)の正午ごろ、今度は、初めに噴火した場所から約1km離れた大地に、長さ200mにわたる大きな「裂け目(fissure)」が現われた。

 このときの状況は、Icelandの国営放送局RUVによって国内に実況放送された。その映像で見る限り、オレンジ色のマグマが、わずかな噴煙をたなびかせて地上に噴出し、ドロドロした溶岩 (lava)となって、隣の「Meradalir valley (メラルタル谷)」へと流れ落ちていく。

 

 さらに「Iceland'd Protection Office (アイスランド市民保護局)」が公開した映像によると、大地の割れ目から湧き出た溶岩は、数百メートルにわたって長く細い一条の筋となって丘を下り、辺り一帯 (広さ約30ha) は噴煙に包まれていた。

 

 なお、火山学が専門の Mr Thorvaldur Thordarsonが AFPに語ったところによると、『当初、(噴出した)溶岩は、毎秒約 10mのスピードで急斜面を流れ落ちていたが、現在は、そのスピードが、かなり低下している。しかし、私の見る限り、(今のところ)噴火が収まる気配はない。しばらく、ようすを見るつもりだ。』

 

 このような状況を受けて、当局は、予防処置として火山一帯の立入りを禁止し、観光客をその場から避難させた。

 その際、避難の確実性を高めるために、ヘリコプターまで準備されたという。現在、現場で見られるのは、噴火口 (crack)の調査に向かう専門家の姿だけだ。

 

 Icelandの火山専門家によると、「今回の噴火は短時間で終わるものと見込まれていたが、今後、数週間あるいはそれ以上、噴火活動が続くかもしれない。(心配なことは)火山が首都「Reykjavik(レイキャビク)」からわずか40kmしか離れていないことだ。」

 

 Icelandは、ヨーロッパで最も活火山の多い国。けれども、南西部の「Reykyanes Peninsula (レイキャネス半島)」では、1210年〜1240年の約 30間、噴火が続いたが、その後は、火山活動が休止状態に入っていた。

 

 記憶に新しいのは、2010年の「Eyjafjallajokull volcano (エイヤフィヤトラヨークトル火山)の噴火だ。このときには、巨大な噴煙と火山灰が大気中に舞い上がり、航空ダイヤは1週間以上にわたって大混乱に陥った。この影響で世界中の航空便100,000便以上がキャンセルとなり、数千万人の旅行客が立ち往生する羽目になった。

 

おわりに:火山には爆発型もあれば、ドロドロ噴出型もある。しかし、次の瞬間に、火山がどのように噴火するかは、神のみぞ知るの世界。野次馬根性は危険を招くだけ。

                        (写真は添付のRTE Newsから引用)

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増え続ける花粉症:なぜ、こうも悩まされるようになったか? (RTE-News, Apr 2, 2021)

Pollen itself isn't usually dangerous, its only when it enters the body that it starts to cause trouble.

 花粉症 (pollen allergies)を英語で「hay fever (干し草熱)」とも言う。その昔、人々は、夏の間の干し草の匂いのせいで、体が痒くなると信じていたためだそうだ。

 

 日本では、3月になるとスギ花粉が飛び始め、5、6月にはカモガヤ、ヤナギガヤなどのイネ科の雑草の花粉が猛威を振るう。そして梅雨があけると花粉シーズンも終わる。

 しかし、Ireland の花粉シーズンは 1月末から10月まで続くと言う。1月から 5月にかけて、主に「birch (カバノキ)」の花粉が空中に舞い上がり、他にもalder (ハンノキ) , hazel (ハシバミ), oak (オーク)などの樹々もアレルゲンとなる。その後の夏から秋には、「grass pollen allergies( 雑草の花粉アレルギー)」で悩まされる。

 

 花粉症は、草木の花粉を吸い込んだとき、免疫システムがこれに過剰に反応して、炎症の発現に関与する「histamine (ヒスタミン)」や「antibodies( 抗体)」を体内につくりだすために起こるもの。

 

 その主な症状 (symptoms)は

・blocked/running nose:鼻水・鼻詰まり

・sneezing:くしゃみ

・itchy eyes:目の痒(かゆ)み

・coughing:咳(せき)

・headaches:頭痛

 

 なお、ヨーロッパでは、50年前まで、「hay fever」が話題になることなど、ほとんどなかっという。しかし、今では、ヨーロッパ人の約30%がなんらかの花粉アレルギーに悩まされ、この状態が続くと、2060年にはヨーロッパ人の60%以上が花粉アレルギーになる可能性も出て来た。

 

 なぜ、こうも花粉アレルギー (pollen allergies)が蔓延するようになったのか。その原因として

・大気中のCO2濃度の上昇が、植物の花粉量を増やした

地球温暖化に伴って花粉シーズンが長期化するようになった

・大気汚染物質 (デーゼル・ガソリン車の排気ガスなど)が「priming effect (プライミング効果)」として働き、人々がアレルゲン (花粉) に対して敏感になった

 

などが考えられる。

 

 さらに、過去40年間、Irelandでは、「birch pollen concentrations (カバノキ花粉レベル)」が上がりっぱなしで、昨年は、1950年代以降最大の花粉飛散量を記録した。

 

 花粉症は「sinuses (副鼻腔)」に炎症を引き起こす他、「asthma (ぜん息)」などの「respiratory diseases (呼吸器系疾患)」の症状を悪化させる危険性がある。

 

 さらに、花粉症に罹らない人であっても、大気中に飛散している花粉によって、人間の免疫システムが弱体化し、「viral infection (ウイルス感染)」の発症リスクが高まる。

 現に、大気中に飛散する花粉濃度レベルと、C0VID-19 (新型コロナ)感染率との間には、正の相関があるとの研究結果が報告されている。

 

おわりに:花粉症の人は、まず、その原因となる植物の種(しゅ)を特定し、花粉の飛散する時期を知ることが大切。そして、アレルギー性鼻炎や喘(ぜん)息などの症状を悪化させないように、健康に注意し、梅雨あけをひたすら待つしか方法がない (It's nothing to wait for the time.)

                         (写真は添付のRTE Newsから引用)

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