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シベリア熱波:山火事、嵐・洪水災害、シロクマ生存危機の元凶! (BBC-Sci & Env, July 15, 2020)

A forest fire in central Yakutia, Sakha Republic in June 2020

 地球上で一番寒いはずのシベリア。ところが、この 6月20日、シベリアと言っても北極圏に位置する北の町「Verkhoyansk (ヴェルホヤンスク)」で、気温が38℃を超える猛暑を記録した。このところ、北極圏の気温は、世界の他の地に比べて約2倍のスピードで上昇している。2020年 1月 −6月の極東シベリアの平均気温は、平年に比べて 5℃も高かった。

 The UK Met Office (英国気象庁)」の主導のもとに編成された国際研究チームが、コンピュータ・シミュレーション解析を行ない、この異常とも言えるシベリアの「熱波 (heatwave)」は、人類が温室効果ガスを排出して、気候変動を招くようなことがなかったなら、その発生確率は 80,000年に一度、すなわち、「ほとんど起こらなかった (almost impossibe)」とする結果を発表した。 

 シベリアの気温上昇は、気候変動が起きている「unequivocal evidence (紛れもない証拠)」だ、と気象の専門家は言い切る。

Arctic land surface temperature anomalies from 19 March to 20 June 2020

 シベリアの気温が上がると、「Siberian silk moth (シベリア蛾)」が大発生し、針葉樹を枯らしては、山火事被害を大きくする。この 6月、シベリアで次々に起きた山火事で5,600万トンのCO2が大気中に放出されたと推定されている。また、ツンドラの永久凍土が溶け出し、温室効果が CO2の 25倍のメタンCH4が湧出している。

 さらに、北極グマにとっては、まさに「state of emergency (非常事態)」だ。北極海の氷が年々薄くなり、あるいは消え去って、生息環境が著しく悪化している。

 また、シベリアの気象が日本に与える影響については、「シベリア寒気団」として、よく知られている。

 事情は UKでも同じ。UKではシベリアからやって来る寒気団を「Beast from the East (東のケダモノ)」と呼ぶそうだ。2018年は、とくに、そのケダモノが UKで暴れまくった。そのせいで、国は £1bn (約1,400億円)の被害を被(こうむ)り、10人の貴重な人命が奪われた。

 さらに、この 2月に Englandを襲った嵐・洪水も、ケダモノが関与したと考えられるという。

 

おわりに:シベリアがクシャミをすれば、それがジェット気流に乗って、日本であれ、UKであれ、たちまち、その影響を受ける。それが地球の気象だ。どこかの異常が、他の国に異常をもたらす。そのことは、コロナで嫌になるほど知らされた。だから、些細なことで互いにいがみあってはならないというのに........。

                 (写真は添付のBBC Newsから引用)

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