せっせと、リスやアリのように、生きる糧(かて)のために働き回る人間をバカにして、「どうせ、失うものなど無い」などと、嘯(うそぶ)いては、人さまの迷惑を顧(かえり)みず、車の暴走、煽(あお)り運転、暴行傷害、オレオレ詐欺と「あくたれ」の仕放題。そんな不逞の輩(やから)が、魑魅魍魎(ちみもうりょう)のごとく世の中に跋扈(ばっこ)しては迷惑千万、甚(はなは)だ困る。世の中が暗くなる。
さて、そのリス (squirrels)が、冬に備えて木(こ)の実を穴ぐらに溜め込むことを「hoarding」という。この「hoard」には、「密かに仕舞い込む」、「買いだめする」の意味もある。
この 4月、日本で新型コロナ感染が拡大した際、「トイレット・ペーパーが品薄になる」とのデマが流れて、皆、スーパーや薬局に、トイレット・ペーパーを求めて駆け込んだ。
ところが、それと同じような買い占め、買いだめ、パニック買いが、今、冬を迎えた、南半球のオーストラリアで起きている。
オーストラリアのコロナ感染者数は約7,500人、死亡者数は104人。China,US, UK, Spain, Brasil, Franceなどに比べると、患者数は少ない方だ。
しかし、このところ、オーストラリア南東部「Victoria (ヴィクトリア州)」を中心に、コロナ感染がぶり返し、人々は、政府の二度めの外出制限が発令される前にと、こぞって、「toilet paper」、「paper towels」の買いだめ (hoarding)に走った。このため、店頭から、それらの商品が消えるスーパーも現われた。
慌てた「Woolworth (ウールワース)」、「Coles (コールズ)」のオーストラリア 2大スーパーチェーン店は、いずれも、商品の「buying restriction (販売制限)」に踏み切った。顧客 1人につき、「toilet paper」、「paper towels」は、それぞれ1 −2セットのみ販売。
なお、コロナ感染の第 2波をまともに受けた Victoriaでは、アルコール消毒液から、パスタ、タマゴ、ライスなの主要食品 (staples)に至るまで、販売制限になったという。
おわりに:いつの時代も、大衆の危機感、不信・不安を煽(あお)るデマと、そのデマに駆り立てられて、パニックに追い込まれた群衆の暴走は怖い。社会あるいは国家の危機的な状況にあっては、正しい情報の伝え方が何よりも重要だ。
(写真は添付のRTE Newsから引用)