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自然の中をゆったりと「歩禅(経行)」:なぜか、心が浄化される! (RTE-News, June 11, 2020)

Taking a walk can help to clear the brain fog.

 「座禅」を組んで「瞑想 (meditation)」に没頭する。このとき『雑念から離れた境地に「心 (mind)」を置け』という。『「仏の姿」の他には、何も考えるな』とも。

 しかし、「何も考えるな」と言われても、「何も考えない時間」は、そう、長くは続かない。目をつぶっていると、心は勝手にあちらにふらり、こちらにふらりと、忙しく動き回るものだ。

 さて、禅僧の行 (ぎょう)の一つに「経行 (きょうぎょう、きんひん)」がある。座禅の合間に仏堂内を歩き回る「walking meditation (歩禅)」だ。

 RTEのお勧めは、木漏れ日の揺れる森や、木立の中の小道を、経行僧のように、気の向くままに歩いてみること。

 胸に秘めた「内なる想い (internal thought)」や、細々(こまごま)した心配ごと、不安は、大なり小なり、誰にでもあるもの。けれども、そんなことに、いつまでも囚(とら)われていたって、どうにもなるものではない。

 自然の中をゆっくりと歩きながら、今、この瞬間の「自分の心と体」(の動き)に気を配る。肩の力を抜いて深呼吸してみよう。ほら、体の全ては順調だ。

 手と足の感覚を確かめたら、次は、目と耳、鼻の感覚を研ぎ澄まそう。周りで刻一刻と過ぎてゆく自然界の事象の気配を感じるはずだ。風の音、草花の匂い、木(こ)の葉のざわめき、遠くでさえずる小鳥の動きまでが伝わってくる。

 そして、また、歩き続ける。やがて、心は軽くなってくる。自然との一体感を感じることさえできる。

 そう、現代人は、日常、余りにも多くの事に振り回され、また、余りにも多くの重荷を背負って、息苦しくなっている。仕事以外のことに目を向ける時間も、心の余裕も失っているのだ。

 人生には、むろん、日常でも、「ちょっと休憩 (a short break) 」が必要だ。自分の心と体に目を向け、自然の、いや、宇宙の時空の流れに共感する。すると、疲れ果てて、曇りがちだった心が浄化され、泉のように清涼な心が蘇(よみがえ)って来る。

 窮地に立たされても失わない心の余裕と、風雪に負けない強い精神力は、そこから生まれる。 

                            (写真は添付のRTE Newsから引用)

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