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「花咲かブンブン」の魔術:ほんとうに花が咲く! (BBC-Sci & Env, May 21, 2020)

bumblebee

 「枯れ木に花を咲かせましょう」。これは誰でも知っている、昔話「花咲か爺さん」の一節。ところが、枯れ木ではないが、本当に、植物に花を咲かせてしまう「魔術」があった。その魔術師は「花咲かブンブン」の「Bumblebees (マルハナバチ)」。

 ミツバチの仲間「bumblebees」は、野山に花の蜜が少なくなると、植物の葉っぱを食いちぎる。顔の先の長い「proboscises (吻(ふん)」と「mandibles (下顎」を使って、器用にも葉っぱに半円形の切り込みを入れる。

 すると、葉を食いちぎられた植物は、ダメージを受けなかった植物に比べて、約1ヶ月 (30日)も早く、花を開くことが分かったという。

 これを発見したのはETH Zurich (スイス連邦工科大学チューリッヒ校)の Dr Mark Mesherらの研究グループ。(研究内容の詳細は最新号の「Science」に発表)

 そこで、Dr Menscherらは、実験室で、葉っぱに同じような切込みを入れて、本当に、植物の開花時期が早まるのか、試してみた。その結果、開花時期は、25日早まることは早まったが、「bumblebees」の「clever trick (巧みな騙し技)」に及ばなかった。

 この違いには、どうやら、「bumblebees」の吐き出す未知の分泌物(secretions)が関与している可能性が高いと、研究者はみる。

bumblebee

 これは、「bumblebees (マルハナバチ)」の知恵のなせる技なのか、それとも、葉っぱを噛(か)じられた植物が、「polinators (受粉媒介者)」の到来に気づき、花粉を受粉してもらうために、慌てて開花準備を進めた結果なのかは、定かでない。

 いずれにしても、昆虫と植物が共に生き残るために必要な「進化(evolution)」であったことは事実だ。

 生物が地球上に誕生した太古の時代から、植物も昆虫も互いに支え合い、共に賢く生きてきたのだ。

 

おわりに:ヒト族 (Homo)は、植物や昆虫に対し、どんな利益を与えているのだろう。「共に生きる」ことを忘れ、多くの植物や昆虫の種を絶滅に追いやっただけの生物ではないか。

                          (写真は添付のBBC Newsから引用)

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