UKでは、3月23日、外出禁止令が発令され、パブ、レストランが閉鎖され、人々は、家に閉じこもることを余儀なくされた。すると、人々は、以前にも増して、アルコール類を飲むようになった。
お陰で、スーパーやコーナー・ショップ (小さな酒類販売店)のアルコールの売上は、3月だけで22%の伸びを記録した。4月の統計は遅れているが、売上がさらに伸びたことは確実だ。
医学雑誌「BMJ」の論説によると、このような状況の中で、「Alcohle Health Alliance UK (英国アルコール・ヘルス連盟)」と「The House of Lord Commission on Alcohol Harms (アルコールの健康被害に関する英国貴族院委員会)」が、とくに危惧を抱いているのは、
・既存のアルコール依存症患者
・外出禁止のさなかにあって、アルコール依存症の瀬戸際に追い込まれている人
なお、UK在住の成人2,000人を対象にして実施したチャリティ団体「Drinkaware」の調査によると、
・これまでよりもお酒の量が増えたと回答した人:25%
・逆に減ったと回答した人 :17%
さらに、「ふだん、お酒を飲まない日にも、お酒を飲むようになったか」と尋ねたところ、「Yes」と回答した人の割合は
・一時解雇された人で:28%
・テレワークの人で :28%
なんと、一時解雇 (furlough)の通知を受けた人で
・朝からお酒を飲んでいる人の割合:7人に 1人
・密かにお酒を飲んでいる人の割合:10人に 1人
こんな状態では、外周禁止が解除されて、さて「nation’s recoverey (国の復興)」といっても、おいそれとできるものではない。アルコールが抜けきれない体では、人に会っても「out of sight, out of mind mentality (心、ここにあらずで、その人のことが思い出せない)」とあっては、仕事はおろか、日常生活にまで支障が現われかねない。
(写真は添付のBBC Newsから引用)