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ネアンデルタール人の知能レベル:現生人類とほぼ同じだった! (BBC-News, April 13, 2020)

Handout photo issued by M-H Moncel/Histoire Naturelle de l'Homme Préhistorique showing a cord fragment discovered at the Abri du Maras archaeological site in France taken using digital microscopy

 初期原人の進化の過程で、ホモ・サピエンスとは違った道をたどった「ネアンデルタール人 (Neanderthals)」。現生人類 (modern humans)よりも骨格が発達し、遠型動物の狩りの技術にたけ、火を巧みに操った。仲間が死ぬと、その死体を丁重に地下に埋葬したという。

 しかし、なぜか、およそ40,000年前に絶滅してしまう。生き残った人類とネアンデルタール人との違いは、その認知能力、すなわち人類の頭の良さにあるとされて来た。

 ところが、本当にそうだったのか。

 フランス「Abri de Maras (アブ・ドゥ・マラス)」のネアンデルタール人の遺跡から、かれらの優れた知的レベルを示す、とんでもないものが発見された。

Handout photo issued by M-H Moncel/Histoire Naturelle de l'Homme Préhistorique showing the Abri du Maras archaeological site in France

 それは、52,000 -41,000年前の地層に埋もれて発見された、長さ6.2mm、幅0.5mmの「cord (紐)」の端くれ。腐ることもなく、石器 (長さ:60mm)の裏面にへばり付いていた。「scanning electron micrograph (走査型電子顕微鏡)」で覗くと、その紐(ひも)は、針葉樹 (conifer trees)の樹皮、それも柔らかくて加工に適した内樹皮 (inner bark)の繊維を細かく割き、これを3本撚り (three-ply cord)にしたものだった。

 「3本撚(よ)り」の編み方は、組紐と基本的に同じ。繊維の束(たば)を 3本に分け、そのうちの 1本をモトスとし、他の 2本は撚(よ)り糸とする。次に、撚り糸の1本を時計方向に (S字型に)捻り、モトスに反時計回りに (Z字型に)に絡ませる。他の撚り糸にについても同様に、撚りと絡ませの動作を繰り返す方法だ。

 この3本撚りの紐の作製には、数学的な「pair (付)」、「sets (組)」、「numbers (数)」の概念が必要だったはずだ。それに、細かい複雑な動作を連続的に進める手仕事になる。このことから、ネアンデルタール人の認知能力は現生人類とほとんど変わらなかったと考えられるという。

 繊維の 3本撚りができれば、その丈夫な紐(あるいは綱)を使って衣類、バッグを作ることができる。それに作ろうと思えばボートさえ作れなくはない。

 なお、この研究は、フランス、US、Spainの合同研究として実施されたものでああり、その成果は科学雑誌「Scientific Reports」に発表された。

                                        (写真は添付のBBC Newsから引用)

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